唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

Kの食卓。

はてなダイアリーのサービス終了に伴い、「唐沢俊一検証blog」の更新は来春で終了いたします。皆様の長らくのご愛顧に心から感謝申し上げます。


 …といっても、当ブログの検証対象者である唐沢俊一氏が何やら出版の企画が進行中であるのをほのめかしている以上、それが実現した暁には触れなければならないという使命感とぜひ取り上げてみたいという欲望がありはするので、その日が来ることを夢見てはてなブログの方で後継サイトを一応作っておくことにします。唐沢俊一ドキドキ情報局」とかそんな名前にして、今度こそ純粋なファンサイトとしてやっていきたい所存。唐沢さんが演劇一本に絞ってくれるならこっちも喜んで幕を下ろすところなのですけどね。以前書いた通り、このブログは初心者にきわめて厳しい仕様なので、これを機に見やすく整理してみようかとも思っています。あと、まだやれてないネタがあるので、なるべく来年の春までに全部消化しておこうと思います。できなかった場合でも「唐沢俊一ドキドキ情報局」でなんとかします。

北条裕子『美しい顔』は盗用の事案としては久々に大きな話題だった。疑惑のかかった作品が芥川賞の候補になったのだから注目されて当然のことではある。自分で調べたわけではないが、ネット上でなされたいくつかの検証を見た限りでは、個人的にはこれはアウトだと判断せざるを得なかった。酷似した箇所が多いというのもさることながら、単なる事実の描写だけではなく比喩的な表現まで借りてきてしまっているのは明らかにまずい(HUFFPOSTを参照)。『新・UFO入門』事件の時に唐沢氏が「漫棚通信」氏のツッコミまでコピペしてしまったのを、唐沢検証をやっていた者としては思いだしてしまう。
 この件で自分が一番気になったのは、疑惑が発覚した後の講談社逆ギレに近い強気な態度で、あれだけの証拠を突きつけられてよくもまあ、と驚かされた。いいように捉えるなら、講談社は盗用の疑いをかけられた人間も見捨てることなくしっかりガードしてくれる義に厚い出版社、となるので、ならば唐沢氏も講談社に企画を持ち込んだらいいのでは、と思ったり思わなかったり。ただ、唐沢氏も『新・UFO入門』事件が発覚してからもライターとしての活動にさほど影響があったようには見えなかったので、出版業界自体が盗用に対して実は甘いのではないか、という思いは以前からあって、今回の講談社の対応も『美しい顔』を擁護する評論家が結構いたこともそれほど意外ではない。『フィギュア王』の連載コラムでコピペがあった時に自分が指摘のメールを送っても特に反応はなかったのに、その後原稿の使い回しで連載が打ち切られたのも妙な話だ、と思っていたけれど(もちろん、使い回しの時は『フィギュア王』元編集長の額田久徳氏が直接編集部に報告したのが大きかったわけだが)、あの件は案外出版業界の価値観を反映していたような気もしている。盗用よりも原稿の使い回しの方が重罪、という。
 それと、東日本大震災を題材にしたノンフィクションからの盗用、というのも話題性が高い、というかタチの悪いポイントだ。盗用された金菱清教授が「被災者の言葉を奪った」とまで言うのもわかるし(HUFFPOSTを参照)、そもそも北条氏が被災地に行かずに震災をテーマにした小説を書いていたのも凄いと思う(それで盗用せずに傑作を書けていたらよかった)。この事件、まだ決着がついたわけではないが、いずれ北条氏が被災地まで実際に足を運んで「贖罪」の旅でもするオチでもつくのではないか、という気がしている。
 盗用の話のついでに、当ブログの検証対象者の6月1日のtweetを紹介しておこう。

これいまだにリツイートする人がいるので言っておくが完全なデマ。私は何度も相手に対し面会を申し入れている。相手がかたくなに会おうとしなかっただけ。だいたい、私は町山氏のブログを読んでないから、忠告されたかどうかなど知らんわな。

 唐沢氏、話を微妙にずらしてますね…。町山智浩氏が「被害者に謝罪しろ」と言っているのに対し「向こうが会ってくれない」と返しているのだが、別に会わなくても謝罪は可能だろう。Twitterでもフェイスブックでも謝る気があるのなら今からでも謝れる。何故相手が悪いことになっているのかわからない。それどころか、このケンカでは「被害者が唐沢氏の悪評を広めようとしている」とか書いているから唖然とするばかりだ(過去記事)。この唐沢俊一vs町山智浩、「唐沢氏の勝ち」とする人が多いようなのだけど、そんな人でも過去の盗用について擁護してくれているわけではないのがまことに悲しいところ。考えてみれば、誰も得してないんだな、あのケンカ。俺もあれがなければブログをなし崩しで自然消滅させて、今頃は「けいおん! Shuffle』の清水楓ちゃんがかわいい」などと、お気楽に過ごせていただろうに…。なお、唐沢vs町山に関しては後日何かしら書くことにします。

週刊新潮は今でも唐沢氏をしばしばコメントで起用しているが、2016年5月19日号ではLGBTについて唐沢氏にコメントを求めている(過去記事)。それを覚えていたので、新潮45が例の騒動で休刊したときに「唐沢さんもあの特集に参加していたかもなあ」と思ったものだった。『新潮45』では「繊細チンピラ」の件も書いていたので有り得ない話ではない(過去記事)。
 それはさておき本題。週刊新潮』7月26日号P.58〜59に掲載されている「私の週間食卓日記」第1031回に唐沢俊一氏が登場していた。著名人の一週間の食事を日記の形式で公開し、それを管理栄養士が採点するという同誌の名物企画である。この企画に関しては唐沢氏もだいぶやる気があったようだ(Tweet)。

某誌よりコラム依頼、前から書いてみたかったものなので嬉しい。不思議なもので、今年に入って4月5月6月前半と運気絶不調、はっきり言っていいことがひとつもなかったのだが、6月後半になってから、仕事運生活運、急速に回復傾向。「運気」なんてトンデモの類だろうが、気は心。馬力かけて行こう。

 早速、唐沢氏の一週間の食事を見てみよう。


7月1日(日)朝:フィンランドライ麦パン/スモークベーコン/チーズ一片
      夜:(鳥料理屋で)鳥炙り刺し/冷やしトマト/親子丼(ごはん少なめ)/日本酒3合
7月2日(月)朝:(病院の売店で購入)エッグマフィン
      夜:崎陽軒の「横濱チャーハン弁当」/缶ビール(本数不明)
7月3日(火)朝:たらこパスタ/サクランボ/ヨーグルト/マサラティー
      夜:(新橋の「天下一」で)ギョウザ/塩そば/ホッピー(量は不明)
7月4日(水)朝:クリームチーズと香菜を乗せたフィンランドのパン/マサラティー/ヨーグルト/桃
      夜:(新宿の「上海小吃」で)火鍋/紹興酒ボトル2本(同伴者1人あり)
7月5日(木)朝:桃/ヨーグルト
      夜:(幡ヶ谷の「青空」で)チャンスンマハ(茹で羊)/パオズ(小さな肉まんのようなもの)/串焼/モンゴルサワー数杯
7月6日(金)朝:(「青空」のおみやげ)羊肉餅(ピン)
      夜:猫丼(カツブシ、塩昆布、海苔、漬物をご飯に乗せたもの)
7月7日(土)朝:香菜を挟んだバゲッドサンド/コーヒー
      夜:(蕎麦屋で)天ぷら/冷酒(量は不明)






 …と、一応書き出してはみたものの、これが健康的なのか自分にはわからない。できるものなら「カラシュンの食卓」さんを召喚したいところだが…。


※ ポケタ・ポケタさんのご指摘があったので訂正しました。ありがとうございます。


 ただ、見てわかるように唐沢氏はここ4、5年「一日2食」の習慣とのことで、暴飲暴食をしているわけではなさそうだし、日記の中では定期健診の結果について

数値が(血糖値がやや高めの他は)正常

と書いてあるので、喜ばしいことにわりと健康なようだ。以前の日記の記述から糖尿病なんじゃないか? と心配していたので一安心。なお、倉田英之『倉本50』(KADOKAWA)を読むと、糖尿病がいかに怖いかよくわかる(手術の描写が結構エグいのであまりおすすめできない)。
それに、「私の週間食卓日記」のアドバイザーである管理栄養士の荒牧麻子氏も唐沢氏の食生活に「77点」をつけているので、プロから見てもそんなに悪くはないのだろう。以下は余談だが、亀和田武坪内祐三『倶楽部亀坪』(扶桑社)P.133より。

坪 『週刊新潮』に「私の週間食卓日記」ってあるじゃない。
亀 ああ、管理栄養士の荒牧麻子さんが採点するやつね。
坪 あれだと福田さん(引用者註 和也)の食生活は、マイナス百点とかつけられそう(笑)。でも、このところのあの点の低さは、異様じゃないですか。ヘルシーな感じでも六十二点とかさ。
亀 六十でも六十五でもなく、なんで六十二点なのかという基準がわからないしね。アドバイスも書かれてるんだけど、フィギュアスケートの採点よりあてにならない気がするなぁ。有名人にも甘いし。
坪 老人にも甘い。吉行あぐりとか、別に大した感じでもなかったのに、百点。満点は二人か三人目からしいですけど。あの人の一週間の食生活を、亀和田さんやぼくとかで、採点させてほしい。と言いつつ、あの欄には出てみたいですけどね。(後略)

 そう言われてみると「77点」というのも微妙な点数に思えてくるし、荒牧さんの採点基準も知りたくなってくる。「私の週間食卓日記」で話題を膨らませられる亀和田・坪内コンビ凄いな、とも思うけど。『週刊文春』の「淑女の雑誌から」でもできるんだろうな(2人とも『文春』で連載を持ってるし)。いや、やらなくていいです。

 唐沢氏の食生活に関して自分は特に意見はなくて、「2日前のつくねバーガーを食べなければ別にいい」くらいにしか思わないのだが、「私の週間食卓日記」の日記の部分に関しては結構気になる記述があるのでいくつか取り上げてみたい。まずはプロフィールから。『週刊新潮』P.58より。

1958年生まれ。学生時代から伯父のやっていた芸能事務所で働き、後に代表を務める。その後文筆家となり、『トリビアの泉』原案や、「トンデモ本」批評の“と学会”を創設。

 「『トリビアの泉』原案」。こういう表現は初めて見る。『トリビアの泉』で取り上げられた唐沢氏の著書にあるネタが結構少なかったりしたことを考えると妥当ではあるのだけど。「スーパーバイザー」だと番組全般に関わっているんじゃないか? と思っちゃうから。なお、と学会の創設に関してはこのような証言もある(togetter)。
 それにしても、山本弘氏は大変なことになってしまった…(カクヨム)。「山本弘の闘病日記」というタイトルだけでもうつらい。

 サブカルチャー畑でずっとやってきたが、学生時代ハマった演劇に10年ほど前、再度足を突っ込み、公演ごとに役者を集める自分のユニットを作って7年目。役者たちと夜を徹して飲んで、演劇論を語り明かすこともしばしば。

 唐沢氏が中の人だと推測されていた「東京情報」をチェックするために『週刊新潮』はずっと読んでいたのだが、同誌でコラムを連載している坂上忍「ひとつ言っておきますけど、売れない役者の飲みの席での演劇論なんて糞にも劣りますから」(2017年11月17日号掲載分より)と一刀両断しているのを読んで腹を抱えて笑ったのを思い出した。ヤン・デンマンさん、これを読んでどう思ったんだろ。そんな坂上さんにも唐沢俊一ユニットの公演を観てほしい! 今度恵比寿のバーでやるらしいですよ。加えて「学生時代ハマった演劇」というのも実はよくわからない(過去記事を参照)。アニドウに参加したり芸能事務所で働いたり演劇にハマったり古本を買いに行ったり、いつ勉強してたんだろ? と思うくらい多忙な学生時代を送っていたんですね(唐沢氏の学生時代については過去記事を参照)。そういえば、紹介しそびれてたけど、去年3月に「FMさがみの番組にゲスト出演した唐沢氏が「飲むと説教する先輩が多いのでいちど演劇の世界から離れた」って言ってたけど、今の唐沢氏は「飲むと説教する先輩」になってはいないだろうか? …検証のためとはいえ、相模原市の地域FMまでチェックしている自分もどうかと思いはするものの。♪さがーみはーら!




 『週刊新潮』P.58より。

(前略)午後、新橋G社。ドクターには若いと言われても、やはり60歳は60歳。文章の分野での仕事の総まとめ、ライフワーク的な企画を、人生の残り時間かけて仕上げたい。そう考えていたらG社が場を与えてくれた。企画室を設け、8月からそこの責任者となる。(後略)

 P.59より。

(前略)来年春から立ち上げる演劇の新ユニットの企画書き。『オトナの小劇場』と称し、かつて演劇少年だった40代以上向けに、洒落た一幕ものの芝居を提供するユニットにしたい。文筆ではG社。演劇ではこちらがライフワーク。どなたか興味を持って、資金面など協力してくださる方はいらっしゃらないだろうか。(後略)

 この「G社」というのは五月書房のこと。 この唐沢氏のツイートと五月書房のサイトのアクセスを比べれば分かる(唐沢氏もネタにしているようにGoogle mapの表記が変だけど)。

某社にて某企画が動き出しそうな感じ。この企画、これまで2度ほど、それぞれ別の出版社から話がきて、内容は問題なしだったんだけど、ちょっと大部なものになりすぎるということで中途でザセツしている。今度が3度目の正直。担当の人は「大部上等!」らしいがさて、どうなるか。

 このツイートを見る限り、「ライフワーク」というのはおそらく追悼本でしょうね。実現すればいいなあ。
 ただ、ひとつ気がかりなこともあって、五月書房の編集委員会のメンバーはだいぶリベラル寄りなので、保守を自称する唐沢氏と合うかどうか。特に金子勝教授は何度も批判してるし(一例としてその1その2)。

植松容疑者もきちがいだが金子勝も充分にきちがいだと私には思える。

公の場での個人攻撃というのは社会的モラルに反する部分があるので、それを敢えてするという行為には大変な興奮がつきまとい、脳内麻薬が分泌される。なのでこれを繰り返すと罵倒ハイになってきて、周囲から異様と見える状態になっても止まらなくなる。山口二郎とか金子勝とか香山リカとか、その典型。

 あ、山口二郎教授も編集委員会のメンバーだ。委員会のメンバーを見る限り、五月書房は朝日新聞と関係の深い会社みたいなので、かつて朝日で書評委員をしていた唐沢氏を企画室員に起用したということだろうか。ともあれ、新たな活動の場を得た唐沢氏のさらなる飛躍を期待したい。
 


 出だしでも書いた通り、このブログは来年春で終了するので、それまでに溜まっているネタを出来る限り処理していくことにします。この期に及んで新ネタを見つけてしまう業の深さに愕然としながらも(調べが甘いともいう)ナルハヤで次回も更新するつもり。

Dの食卓

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