唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

唐沢のためのガイダンス。

 唐沢俊一氏と町山智浩氏のバトルも一段落ついたようだが、きっかけになった『シン・ゴジラ』の評価の違いはともかくとして(この辺の話はまた後日)、第2幕の盗用疑惑をめぐる話についてはいまひとつよくわからない人がいらっしゃるかもしれない。なにぶん盗用疑惑が10年前の話である。そこがわかっていないと「どうして町山さんはあんなに怒っているんだ?」と不思議に感じてしまうのも無理はない。バトルに関連して当ブログにもリンクがあちこちで貼られているようだが、当ブログはブログ主が考えなしに気儘に書きまくっていたために初心者にはきわめて厳しい仕様になっている(猛省)。そこで今回は新しく来られた方のために唐沢問題の簡単なポイントを取り急ぎ説明しておくことにする。


1.盗用について
 バトルで問題になった『新・UFO入門』における盗用については、リンク集の「唐沢俊一まとめwiki」で一連の経緯が説明されているので、そこでごらんになって欲しいが、簡単に言えば、盗用の被害者である「漫棚通信」の管理人氏から抗議を受けた唐沢氏がいったんは謝罪したものの、その後何回にもわたって被害者をクレーマー扱いするなど反省しているのか疑わしい態度をとっているのが問題視されている、ということになる。
 また、盗用については『新・UFO入門』だけでなく唐沢氏の他の文章にも見られていて、今回唐沢氏は『新・UFO入門』での盗用について、あくまで故意ではなく過失である旨の釈明をされていたが、これらの盗用についても過失を主張されるのだろうか。以下に当ブログで盗用を取り扱ったエントリーのリンクをいくつか貼っておく。

唐沢俊一のトンデモ事件簿』より、その1(本文比較対照表
唐沢俊一のトンデモ事件簿』より、その2(本文比較対照表
唐沢俊一のトンデモクロペディア』より(本文比較対照表
『昭和ニッポン怪人伝』より(本文


 他にもたくさんあるのだが代表的なものはこんなものだろうか。それから、雑学にも多くの疑惑があって、中でも「トンデモない一行知識」で紹介されている「ガウディ」「おさえるつけ」も忘れがたい。
 また、唐沢氏は過去の自らの文章を使いまわすことが多く、そんな省エネすぎる姿勢もコピペの常態化につながっていたように思われてならない。それが最も顕著にあらわれた原稿の二重売り、ならぬ三重売りについては以下のエントリーを参照されたい(その1その2)。


2.著述の誤りについて
 町山氏とのバトルでの唐沢氏のTweetで個人的に一番ショックだったのはこれである。

私の原稿には不正確な情報が多い。それは認めます。原稿執筆のポイントをそこに置いてないためです。当時主な仕事先だったレディース誌ではロクなチェック時間もないまま掲載されてしまう場合も多かった。自分で読み返して忸怩たる思いにかられる場合もまま、あります。そこは反省しないといけません。

 認めちゃったよ。ならば「原稿執筆のポイント」を何処に置いていたのか気になるが、それにしても間違いが多すぎる。挙げていけばキリがないが、ブログ主が呆然とさせられた、一周回って好きになってしまったミスを以下に紹介しておく。

ロバート・ケネディ大統領
ウサギとウナギを間違える
フルメタル・ジャケットとビクトリア女王
『ライ麦畑でつかまえて』紹介文
ワシントン殺人事件
ショーン・コネリーとハギス
縄文人は古墳を造った
参勤交代ってそんなんだっけ?
パチスロなのに何故か玉の話
HのあとにIがある

 「なにしろ、とはいえ」は間違いではないけどすごく好き。思い出すだけでニコニコしてしまう。あ、そうか。もしかすると唐沢さんの「原稿執筆のポイント」って読者を笑顔にさせることなのだろうか。
 でも、逆に腹立たしいのもある。明らかに詳しくないのにあれこれ論じているのはイラッとしてしまう。たとえば、野球とかプロレスとか。「オタク第一世代」を名乗っているものの仮面ライダーを観ているかも怪しい。というか、1980年代以降のアニメ特撮の知識はきわめて疑わしいと言わざるを得ない。いずれにしても、ガセビアがあまりにも多すぎて自分でもよく覚えていないので、これで興味が持てた方は当ブログの過去エントリーをたどるという一種の地獄巡りに旅立ってみたらいかがだろうか。


3.過去について
 青山学院大学を卒業しているのか? という話は未だに決着していないが、『ぴあ』で手塚治虫に名指しで批判されたという話は明らかに盛りすぎである(2008年11月18日のエントリーから全7回にまとめてある)。イッセー尾形の件はまだ語れないのだろうか。


4.ギミノリについて
 バトルの中で町山氏がこんなtweetをしている。このイラストは一体なんだ? とお思いの方もいらっしゃるだろうが、ブログ主は「なんたる鬼畜の所業!」と愕然としてしまった。実はこのイラストは、唐沢氏の実弟である唐沢なをき氏の『まんが家総進撃』(エンターブレイン)第26話「ヤングギミノリ」のヒトコマなのである(現在は単行本第4巻に収録)。ギミノリというのは、『まんが家総進撃』の前作にあたる『まんが極道』から登場したキャラクターで、自らの世代を誇る一方で年上も年下も罵倒しまくるどうしようもない老オタクなのだが、その行動がどう見ても誰かさんをモデルにしているとしか思えないので、当ブログおよび唐沢俊一スレッド@2ちゃんねる一般書籍板のアイドルに祭り上げられていたキャラなのである。ギミちゃんの過去の活躍については以下のエントリーを参照してほしい。

『まんが極道』62話「老後」および71話「老後後」
77話「老後後後」
『まんが家総進撃』6話「老後後後後」
13話「老後後後後後」
26話「ヤングギミノリ」

 なお、話数は雑誌掲載時のものである。そんなマンガをよりによって実の弟が描いているというのも味わい深すぎるのだが(唐沢兄弟にもいろいろな事情があるので当ブログの過去のエントリーを見てほしい)、町山さんも本人にそれを直でぶつけるなんて鬼すぎる、と思ってしまうのである。というか、ギミノリって意外と知られていたのか、という驚きもある。ちなみに、唐沢氏と親しい芦辺拓氏もTwitterでこのコマに触れている。まさか…。



 とりあえずこんなところだろうか。簡単にまとめれば「複数の盗用疑惑に加えて、記述に間違いが多く、オタクとしての知識も疑わしい」といった感じ。もっといいように言ってあげたいけど残念ながら自分に嘘はつけない。唐沢氏が盗用の釈明をしなければこんな文章を書かなくても済んだんだけどね。


本当は検証を総括する同人誌のタイトルにしたかったけどまあいいや。