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唐沢俊一・ソルボンヌK子『カルトの泉』(ミリオン出版)第1話「ライフスペースミイラ遺体事件」には疑問がある。また、「無限回廊」からパクっているんじゃないか?と思うのである(「無限回廊」からのパクリについては10月14日の記事を参照)。
まず、ひっかかるのは、ライフスペースの事件だけではなく、加江田塾の事件も一緒に扱っているのが共通していること(『カルトの泉』では塾の名前は伏せられている)。新興宗教が関係したミイラ化事件は他にもあるのだが(たとえば、これ)。ただし、二つの事件は時期も近かったせいもあって、一緒に扱っているサイトは他にもあるので、これだけで決め付けることは出来ない。
だが、次に挙げる点はどうだろう。『カルトの泉』P.12
シャクティとはヒンズー教のシバ神の力や生命力のことで/パットとは種子のことだったが…
唐沢「パット…英語の意味は「軽く叩く」」
K子「マヌケ〜」
次に「無限回廊」。
「シャクティパット」の「シャクティ」とは、ヒンズー教の破壊と創造の象徴であるシバ神の力(あるいは、女性の持つ神秘的生命力)、「パット」は種子のことだったが、高橋は「パット」を英語の「軽く叩く」の儀(原文ママ)と考え、頭を軽く叩いて病気を治す儀式として行なった(原文ママ)。
「無限回廊」のモトネタは参考文献として挙げられている『明治・大正・昭和・平成 事件・犯罪大事典 』(東京法経学院出版)P.846にある(筆者は菅田正昭氏)。
問題のシャクティパットのシャクティとは、ヒンズー教の破壊と創造の象徴であるシバ神の力(あるいは女性の持つ神秘的生命力)、パットは種子のことだったが、高橋前代表はパットを英語の「軽く叩く」の義だと考えたらしく、頭を軽く叩いて病気を治す儀式として行った。
「シャクティパット」の「パット」が「種子」を意味する、としているところは実はほとんど見かけない。ウィキペディアもこの通りである。
「Shakti」は「エネルギー」、「pat」は「軽く叩くこと」と意訳される。
じゃあ、唐沢も『明治・大正・昭和・平成 事件・犯罪大事典 』を参考にしているのかというと、『カルトの泉』の参考文献には挙げられていない。『カルトの泉』の参考文献で、ライフスペース事件の参考にしたらしいのは「週刊文春」1999年11月25日号だけだが、そのP.27では「シャクティパット」はこのように説明されている。
詳しくは後述するが、平成六年頃からライフスペースは、「グル高橋弘二がシャクティパット(注・頭を叩いて“気"を送り込むこと)を施す」と称し、百万円単位の料金のセミナーを盛んに催すようになる。
「パット」が「種子」を意味するとは書かれていないのだ(国会図書館で確認したので間違いない)。そうなると、唐沢俊一が一体どこからこのネタを仕入れたのか気になるところだ。
「ライフスペースミイラ遺体事件」は、「無限回廊」にはないネタも盛り込まれているため盗用とは言い難い。しかし、構成が似通っていること、そして「シャクティパット」の件もあるため、やはり「無限回廊」の名を挙げて「参考にさせていただきました」と一言書いておくべきだと思う。『カルトの泉』の巻末にはこのように書かれている。
※本書の作成に際して、新聞・週刊誌による当時の報道記事や、事件について記述された多くの文献を参考にさせていただきました。
これだけで済むと思っているとしたら、おかしいですよ!唐沢さん!
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