唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

10年目の告白。

 唐沢俊一氏と町山智浩氏のバトルは依然継続中だが、町山氏に「『新・UFO入門』幻冬舎新書)で盗用された被害者に謝罪していない」と指摘された唐沢氏が自らの見解を滔滔と語り出したのには驚かされた。せっかく久々に商業誌に文章が掲載された(後日紹介予定)というのに、自分から蒸し返すとはなかなかに勇気のあるふるまいである。
 唐沢氏の説明は町山氏のTweetからたどれるが、かなり長いので気になった部分だけ抜粋する。

その1
その2
その3

同時に、精神的苦痛を与えたことへの謝罪金の支払い用意があることを伝えました(金額は上記弁護士さんによる設定額)。しかし、相手はその提案を拒否し、「訴訟の準備をさせていただきます」という内容のメールをよこして後、連絡が途絶えました。

相手側には何度も、直接の連絡、実際に面会しての謝罪の意思を伝えましたが、すべて拒否されています。本名すら教えてもらっていません。謝罪をしなかった、のではなく、「謝罪することを拒否されて」いたんですよ。

……これが9年前(!)のことです。いくら民事訴訟には提訴期限がないとはいえ、今からではどこの裁判所でも受理してはくれないでしょう。心情的には悔いが残るとはいえ、法律的にはこの問題は事実上終了しています。相手側がなぜ提訴しなかったかはわかりませんが、何か事情があったのでしょう。


 このように唐沢氏は説明されているが、この説明は氏の過去の言動並びに行動と齟齬をきたしていると言わざるを得ない。なお、唐沢氏は「9年前(!)」と書いているが、『新・UFO入門』は2007年5月発売なので事件から今年でちょうど10年目になる。
 その1。2007年12月発売の『社会派くんがゆく! 復活編』(アスペクト)に収録されたコラムでは、盗用された被害者に「謝罪のレベルを大きく超えた範囲の要求」をされたと書いていたのに、今回はそれがなく、ただ謝罪を断られた、とあるだけである。何故トーンダウンするのか? 加えて言えば、唐沢氏はこのコラムの中で被害者をクレーマー扱いしているが、被害者の言い分は大きく異なっている(漫棚通信ブログ版)。
 その2。2010年4月に唐沢氏が当時懇意にしていた劇団あぁルナティックシアターの掲示板で唐沢氏の諸疑惑を追及する書き込みが殺到して、何故か唐沢氏もそれにいちいち対応するので炎上していたところに、盗用の被害者である「漫棚通信」の管理人氏が唐沢氏に問いかける書き込みをしたところ、何故か唐沢氏はその書き込みには対応することもなく、さらにはこれまた何故かその書き込みは削除されてしまった。詳しい経緯については2010年4月8日および4月9日のブログを参照してほしいが、削除されてしまった「漫棚通信」氏の書き込みを再掲しておく。

呆れたことをおっしゃる
唐沢俊一さま。ごぶさたしています。交渉ごとは幻冬舎にまかせたらしいがそれは本当か、というメールをさしあげて以来ですね。あのときはなぜかお返事を頂けませんでした。唐沢さまは「むこうの方から、人を間に立てての意見交換をシャットアウトされてしまった」と書かれていますが、幻冬舎からの最終メールには以下のようなものでした。「この点につきご同意いただけない場合には、弊社と致しましては、これ以上漫棚通信様との交渉を継続することは困難となりますので、当初弊社がご提案させていただいた以下の解決案のみを履行させていただくことと致します」 これはわたしからのシャットアウトになるのでしょうか。

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2010/04/07 19:41 | 漫棚通信

二重投稿失礼
前エントリのコメント欄との二重投稿で失礼します。
唐沢俊一さま。ごぶさたしています。交渉ごとは幻冬舎にまかせたらしいがそれは本当か、というメールをさしあげて以来ですね。あのときはなぜかお返事を頂けませんでした。唐沢さまは前エントリのコメント欄で、漫棚通信が「人を間に立てての意見交換をシャットアウトされてしまった」と書かれていますが、幻冬舎からの最終メールは以下のようなものでした。「この点につきご同意いただけない場合には、弊社と致しましては、これ以上漫棚通信様との交渉を継続することは困難となりますので、当初弊社がご提案させていただいた以下の解決案のみを履行させていただくことと致します」 これはわたしからのシャットアウトになるのでしょうか。
唐沢さまや幻冬舎は、かつて漫棚通信が交渉経過を公開すれば法的に訴えると通告されていました。それなのに唐沢さま自身が現在、交渉経過についてこのように言及されているわけですが、これは不公平ではないでしょうか。わたしとしては検証のため双方のメール交渉を公開していただいてかまいませんし、わたしもいつでも公開する用意があります。

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2010/04/07 20:24 | 漫棚通信


 これまでの、そして今回の唐沢氏の主張とも全然話が違うじゃないか、と思うが、それ以上に、この掲示板の炎上騒ぎのおかげで、今回新たに飛び出した「謝罪したかったのに向こうが応じてくれない」という釈明が成立しなくなってしまう、という点こそが重大な問題である。謝りたかったのならこの時こそ謝る絶好のチャンスだっただろう。何故スルーするのか? 説明するたびに内容が変わるのは困ったものだが、もっとも、この書き込みを見る限り、「漫棚通信」氏は唐沢氏との接触をかたくなに拒んでいるわけでもなさそうなので、本心から謝りたいのであれば、唐沢氏は今からでも「漫棚通信」氏に謝ったらいいのではないか。



※追記
 「あぁルナティックシアター」の掲示板の件について唐沢氏がtwitterで反論されている(その1その2)。

この件に関しては、私は掲示板の書き込み者に対し、「ここは劇団の掲示板であり、公演に関係ない書き込みは他のみなさんの迷惑になるので対応はできません」とお答えしております。私ヘの個人メールをお待ちしておりましたが、いただけませんでした。

また弁護士さんからは「相手側が訴訟の意思を取り下げていない以上、個人的対応はしないように」と言われており、漫棚通信さんにも、今後は編集部を通じてのみのやり取りにさせていただきますと申し出ております。なんにせよ、あそこでの対応はできませんでした。

 何かメールを送ってこなかった「漫棚通信」氏が悪いかのような物言いが気になるが(それに弁護士さんは「外部にこの話題をしないように」とは注意しなかったのだろうか?)、それはともかくとして、今となってはこの騒動が訴訟に発展する可能性はきわめて低いのだから、くりかえしになるが本心から謝りたいのであれば今からでもTwitterでもご自分のサイトででも謝ればいいと思う。唐沢氏は直接の謝罪にこだわっているようだが、ネット上のものであってもそれで十分だと思う。




 他にも、唐沢氏は町山氏に「盗用」を「無断引用」と言い換えるなと批判されて、反論している(当該tweet)。

そこらも、ちゃんと弁護士さんには確認済みなんですけどね。その程度では盗用の意思の立証にはならない、と。第一、私の手元には原作の絵物語があり(それは相手側にも証明して納得済み)、数ページのあらすじ紹介なら盗用するより自分でまとめた方が早く、盗用する理由がない。

 他人の文章を出典を示すことなくかつ自らの文章と区別できないかたちで発表した時点で引用は成立せず「盗用」になる(弁護士さんは著作権法32条1項等を挙げて説明されたのだろうか?)。唐沢氏は「盗用」という言葉がお嫌いなようだが「無断引用」というのは町山氏も言う通りおかしな言葉なので、ならば「著作権侵害」とでも呼んだらいいと思う。それから「盗用するより自分でまとめた方が早く、盗用する理由がない」とも言っているが、そんな簡単な手間さえ惜しんでよそのブログからコピペしたとも考えられるので、残念ながら説得力のない反論と言わざるを得ない。ただ、ブログ主は唐沢氏が故意で盗用したのではないと言うのであればそれを疑うつもりはない。氏が過失でやってしまったと言うのであれば、それはその通りなのだろう。個人的には故意でなく過失でやった方が怖い話になってしまう気もするのだが、あまり深く考えないようにする。


 正直な感想を言わせてもらえば「まだこの話をやるんだなあ」と思ってしまった。もしかすると唐沢氏が自分から話したことで今回初めてあの騒動を知る人もいるのかもしれない。このブログでもあらためて一から経緯を説明する必要もあるだろうか。



※ 「漫棚通信」氏の書き込みを追記しました。


社会派くんがゆく 復活編

社会派くんがゆく 復活編