唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

唐沢なをき検証blog17.

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唐沢俊一11月12日のツイート

キャスティング関係の協力をあおぎに八幡山ワーサルシアターにて演劇のろま集団『はじまり、はじまり』を観劇。関西の声優学校出身の子たちがはじめた劇団だそうで、脚本も演出も演技も若いが、若さのかもしだすオーラの魅力には圧倒される。打ち上げに混ぜてもらい、アツく語ってしまったぜ。


 …これってギミノリっぽくね? と笑ってしまったが(2014年11月12日の記事を参照)、唐沢さんは劇団の子たちにおごっているのでたぶん違う。…いや、唐沢さんがギミノリであってたまるものか。


 さて、今日はコミックビーム』2016年1月号の発売日なので、近所の書店まで足を運んだ。この書店は雑誌に紐をかけていないので中身を確認できるのだが、『ビーム』を手に取ってパラパラめくっていると、P.457にある唐沢なをき『まんが家総進撃』の表紙に下のように書かれているのが目に飛び込んできた。

第26話  ヤングギミノリ

 そ……ッッ そうきたかァ〜ッッッ


 大笑いするのをこらえようとして腰が砕けそうになってしまった。「紺色のジャケットの下にアベンジャーズのTシャツを着た男が店頭で笑い転げてます!」と通報されたら一大事なので、慌てて購入して家に帰って読んでみた。


 内容はタイトル通り、若き日のギミノリ(33歳)のエピソードなのだが、P.458のハシラは下のように書かれている。

いずれは堂々たるオタク老害となるギミノリさんとその仲間たちが、まだ若く、未来が輝いていた頃。


 老害って言っちゃったよ。直球だよ! 石直球だよ!


  
 話は「今から20年くらい前……かな?」同人誌即売会から始まる。ギミノリとイヌヒコと20年後に無縁死することになるゾウタロウが話をしていると、年長のサークル参加者の悪口を言う流れになる。『ビーム』P.461より。

糞年寄り

古くさい漫画ばっかり描きやがって



そこへ行くと私たちはエラい


あいつらが死んだあともずーっとオタクをやっていられるんですからな!!


うらやましいか年寄りめ

エラい私たち


駄目な年寄り


年寄りの描く漫画は全部駄目



全部つまらない

 20年後の彼らが若いオタクたちを全否定して、自分たちを「エラい」と自画自賛しているのを考えるとなかなか意味深なくだりである。「老害」となる兆しは若い頃に既にあったとしか言えない。老害は一日にしてならず。


 この後、彼らはプロの漫画家になるために出版社に何度も持ち込みをしている友人を嘲笑い、

プロの漫画家なんて編集者のいいなりになって
読者に媚を売る男芸者にほかならないのだから

畢竟プロをめざすなんて漫画への愛が足りないということですな

ああ 私たちはプロなんてめざさない正しいオタク



自分の才能を金儲けに使わない清いオタク


などと珍論を吐く(P.463、464)。「ころしあえ〜!」と言いたくなるが、この手の「努力をしないクセに他者を見下す輩」は『まんが極道』でも登場しているので、唐沢なをきは昔悔しい思いをしたのかも、と思えてくる。



 さて、エラそうなことを言っていても生きていくためには働かなければならず、イヌヒコはコンビニでのバイト、ゾウタロウは交通整理のバイトに追われていた。一方、ギミノリは母親と同居しながら、創作活動にいそしんでいた。…どうやら彼はあえて働いていないようだ。

おいおいおい
傑作誕生じゃないですかこれ!



このまま描きさえすれば


私即売れっ子決定じゃないですか


とひとりで盛り上がるギミノリだったが(P.466)、「しかし、実際描かれることは決してないのだった。脳内傑作。」なる無情きわまりないナレーションがついている。



 そんな息子を見かねた母親が働き口を紹介しようとする。同誌P.468より。

どんな仕事だよ!?



コピーライター!?


広告デザイナー!?


それとも大学教授!? マンガ学科の

などと妄言を吐くギミノリを母は、

高校中退してるのに
大学教授なんてできるわけないだろ?


一刀両断する。

中退じゃない
自主卒業だ!!



あんな低レベルの学校
こっちから見切りをつけてやったのだ

 …もうやめて〜。お願いだからやめて〜。赤木さんがいてくれたら「いえばいうだけおまえの恥になる…」と諌めてくれるのに。その点で言えば、唐沢俊一の話もヒドかったりする(2009年10月16日の記事を参照)。



 この後、母親が紹介した仕事の内容と息子への忠告があまりにも凄絶なのだが、それについては『ビーム』本誌を実際に読んで確認してほしい。『漫画家超残酷物語』からの一連の作品の中でも一番キツい言葉かもしれない。お母さんが大事なことをちゃんと言ってくれていたのに、それが息子に全く届いていないのを考えるとやりきれなくなる。



 ちなみに、ギミノリは現在でも元気で、

これでも私
大学教授にならないかって勧められたこともあって

若い人たちとお酒を飲みながら自慢しているのだが(P.472)、「大学教授だった」というのは自慢になっても、「大学教授になっていたかも」というのは自慢になるのかどうか。ちなみに、P.472のハシラには次のように書かれている。

かつて馬鹿にした駄目な年寄りに、自分自身がなっていることなど、全く気づいていないのでした。

 またしても直球。いい年の取り方をしたいなあ。



 まさか前日譚をやってくるとは思わなかった。ヒット作のサブキャラクターが人気を得て、そのキャラを主役にした外伝が作られるのはよくあることだが、ギミちゃんは人気があるのだろうか。2ちゃん唐沢スレでは超人気者だけど。
 なお、過去のギミノリについては以下の記事でまとめているので、興味のある人は参照されたい。


 




その1
その2
その3
その4



ファッとして桃源郷

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天 新装版 2 (近代麻雀コミックス)

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