早く終わらないかな。
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次回から本格的に更新を再開して、今度こそ検証を終わらせたいところだが、その前に小ネタをいくつか取り上げておく。
●立川談之助『立川流騒動記』(ぶんがく社)は今週29日発売予定。唐沢俊一唯一の連載である『漫画についての怪談(アヤシイハナシ)』が掲載されるはずの『幽』最新号は来週7月2日発売予定。こういう感じに新しいネタが出てくるとやる気もなんとなく湧いてくるというもの。
唐沢俊一は「つぶやき日記」6月12日分で、
ぶんがく社S社長から電話。『騒動記』評判、取次の編集に凄い評判で、コレハ売レマスと太鼓判捺されたとのこと。各書店への取次からの注文票もFAXしてもらったが、なるほど、細かい字で「本書中の談志語録」というのがぎっしり書いてある。読み込んでくれたんだねえ。
と書いているが、注文票の中の「本書の内容」が途中で切れているのは謎。「なにしろ、……とはいえ」事件みたい。ともあれ、本自体には期待しています。
●大谷昭宏が心斎橋の通り魔殺人事件について「現場がオタクの町として知られる日本橋に近い」などとTVでコメントしたことが話題となった(livedoorニュース)。
無理に他の事件と関連づけなくてもいいのにね。
大谷は以前「フィギュア萌え族」なる言葉を作って批判されたことがあって、唐沢俊一は『社会派くんがゆく! 維新編』(アスペクト)収録のコラムで、大谷を批判したオタクたちを逆に批判していた(2010年12月21日の記事を参照)。
若い世代に抵抗無く受け入れられる文化人像というのは、そういう世間を「怖い」と言い、「間違っている」と言い、世間に対して異を唱えることの正しさと大切さを説くタイプだろう。そんな文化人に私もなりたいものだと思う。しかし、今、問題になっているコトは、その無駄な正しさをつらぬくことで個々人のプライドを満足させて済むような問題ではない。これだけ苦労して、やっと世間に認知されかけてきた、フィギュアをはじめとするオタク文化というものに対する、無用な誤解やバッシングを、出来るだけ事を荒立てずに回避するということだろう。それにより、発言の場も能力もなく、ただ、自分の好きなフィギュアを集め、萌えることでしか自分のアイデンティティを確保できない、弱いオタクたち(この“弱い”はオタク全般にかかる形容ではない。念のため)を守ることが、何よりの急務だろう。その目的のためには、強いオタクたちに最も求められるのは、いたずらに事を荒立てるのではなく、一過性のオタクバッシングに対して、
「今は耐えろ、大丈夫、世間というものの最大の弱点は飽きっぽさと記憶力の無さだ。嵐はそういつまでも続かない」
と励ますことなのではないか。
こういう性格をオタクという人々が有する以上、正攻法の戦いはこちらに利がない。有効な戦法はただ一つ、ゲリラしかない。地下にもぐれ。こっそり隠れて、地道に密かに、自分たちの萌えを満足させろ。表ではそしらぬフリをしろ。そして、風を読め。吹きすさぶ向かい風のときは腰をかがめろ。追い風になってはじめて、帆を広げろ。現実はドラマではない。見栄えのする表沙汰の戦いばかりが戦いではない。一歩一歩、地道に自分たちの足場を広げろ。そして未来を信じろ。
「反原発」派への揶揄を繰り返している現在の唐沢を見ていると、この辺の発言はなかなか味わい深い。
●『SPA!』6月26日号の特集「[電波ハウス]の住人を直撃」の中で唐沢俊一が清野とおる氏と対談している。気になった唐沢の発言を紹介しておこう。同誌P.40、41より。
僕の周囲にもときどき電波っぽくなる人たちがいるんですけど、それって不思議とクリエイター志向の人に多いんですよ。例えば、作家や漫画家、芸人などになりたいけど、うまく世に出られなかったり、世間から賞賛を受けられなかったりするタイプとか。
その想像力とかモチベーションが社会のニーズに合う形に働けばいいんだけど、なぜか方向性をちょっと間違えてしまう。そして、社会のシステムに自分がそぐわないから、「自分システム」を作って、その中で個性を表現していこうとするんですよね。
なるほどなるほど。
●『コミックビーム』7月号掲載の唐沢なをき『まんが極道』第75話は、編集部に押しかけては抗議をくりかえす老漫画家のおはなしで、「老害」シリーズ(2月22日の記事を参照)はいよいよ快調だなあ、と思わざるを得なかったが、何より秀逸なのは「早く死なないかな」というタイトル。…これって「不幸な晩年」ってやつ? ギミノリ第3弾はあるのだろうか。
今回の『ビーム』では桜玉吉『ゴジラさん』も若干唐沢俊一検証に関係があるような気が(2008年11月6日の記事を参照)。最後のちゃぶ台返しに笑いながらも納得してしまった。
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