唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

007/ホメオパシー

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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


杏子がかわいいから久々に更新してみる。


「くだらな日記」で唐沢俊一先生の内的世界史」がまとめられている。面白いからそのうち自分も何かまとめてみよう。
 唐沢俊一の弱点のひとつに「歴史が苦手」というのがあって、初単行本の『ようこそ、カラサワ薬局へ』(徳間書店)でもクスリ関係の記述はそれなりなのに(詳しい人が読めばさらにミスが見つかる可能性はある)、クスリの歴史を説明する章はボロボロになってしまっていた。古本をよく扱っていたから歴史は得意なように思われているかもしれないが、それは誤解である。得手不得手があるのは仕方のないことだが、歴史が苦手な人が社会批評らしきことをやったりするのはマズかった、と今にして思う。


「高須克弥オフィシャルブログ」で「と学会」の例会の模様が紹介されている。写真には唐沢俊一らしき人物も写っている。高須院長は「と学会」の「名誉会員」になったらしい。

と学会は
奇妙な学説や人物を
観察し
からかって遊ぶ
バードウオッチングみたいな
マニアックな集まり

 そういう人たちが今や「観察」や「からかい」の対象となっているのだから面白い。



唐沢俊一の夏コミの新刊『裏亭mixi雑文集』P.18〜P.19に「ホメオティーニ」という文章が収録されている。ホメオパシーマティーニを愛好する人には「一脈相通ずる」ものがある、という内容である。

 ホメオパシーというのは、信奉者によると、水の中に溶かした成分が薄ければ薄いほど効果があるという。希釈をくりかえし、元の成分が1分子も残らないようにするという。それはもう、薄めるという語意を逸脱しているのではないかと思うのだが。


 そして、マティーニの愛好家にはベルモットの量をできるだけ少なくしようとした人が多いとして、チャーチルクラーク・ゲーブルの例を紹介している(ウィキペディアを参照)。また、ウィキペディアには載っていないが、オーソン・ウェルズが「ベルモットの銘柄を頭に思い浮かべながらジンを飲んだ」という話も紹介している。唐沢はこれらのエピソードを丸谷才一のエッセイで知ったらしい。


 ということは、ホメオパシーマティーニの愛好家に「一脈相通ずる」ものがあるとするならば、ホメオパシーが「薄ければ薄いほど効果がある」としているように、マティーニの愛好家は「ベルモットをできるだけ少なくした方がかえってベルモットの良さが引き立つ」という風な発想をしているのだろうか。ふだん酒をあまり飲まない自分はそう思ったのだが、続きを読んで混乱してしまった。

 ホメオパシー思想の根本には、神が創造したもうた人間の自己治癒力を信じず、健康を薬品で左右することへの嫌悪感がある。ならば病気に関係するものの摂取を一切拒否すればいいのだが、人間、病状を改善する物質をとりたがるのは、犬や猫が体調が悪いときに庭の草を食べて治そうとするのと同じく生存本能としてある欲求である。
 そこでその間をとり、薬効成分の全く含まれていない物質をレメディーと称して摂取するという考え方が現れる。


 ジンのストレート飲みが底辺階級労働者の飲み方として軽蔑せられ、カクテルこそ上流人士の飲み物、とされていた時代、それでも強い酒が飲みたいんだよう(原文ママ)、という飲ん兵衛たちが、ベルモット含有が少ないマティーニが通のマティーニ、という理屈をひねくりだし、さまざまに理由をこじつけてジンのストレートを飲んでいたのは、ホメオパシー一派の人たちの理屈とそう差異はないように思うのである。


 …いや、今でもドライ・マティーニを好きな人はいるだろうに。ジェームズ・ボンドも「それでも強い酒を飲みたいんだよう」と思っていたのだろうか(ボンドが飲んだのはウォッカ入りのマティーニ)。あと、レメディーの説明がヘンで(日本ホメオパシー医学協会公式サイトを参照)、「ホメオパシー一派の人たちの理屈」を理解していないのではないか?と疑わしくなってしまう。そうなれば、この「ホメオティーニ」という文章そのものも疑わしくなってしまうのだが。
 なお、唐沢俊一は『トンデモ本の世界R』(太田出版)でホメオパシー本にツッコミを入れているが、意外にもホメオパシーに肯定的である(「トンデモない一行知識の世界2」を参照)。もっとも、健康が悪化しても病院に行かずに自己流で治そうとして結局入院することになった経緯を記憶している人間にとってはさほど意外でもなかったりする。



 「今度ドライ・マティーニを飲みに行こう」と思いつつさらに読み進めると、次のようにあった。

 私も20代の頃はカクテルバーに日参してハマったものだが、最近は滅多に飲まない。酒はストレートが一番!
 どうせ底辺階級であるわけだし。


 カクテルバーに通っていた件については「裏モノ日記」2007年2月26日を参照。同日の日記には学生時代に文学研究会に入っていたという情報もある。
 なお、「裏モノ日記」を少し調べたところ、2009〜2010年に唐沢俊一「マッコリのソーダ割り」を飲んでいる旨の記述がしばしば出てくるが、最近ではストレートを好むようになっている、と考えれば筋は通るので突っ込まない。
 唐沢俊一には、身体に気をつけながら楽しくお酒を飲んでほしいものだ。




魔法少女まどか☆マギカ 佐倉 杏子 (1/10スケール PVC塗装済み完成品)

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ブスの壁

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ホメオパシーin Japan―基本36レメディー (由井寅子のホメオパシーガイドブック1)

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トンデモ本の世界R

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