唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

「唐沢俊一トンデモ本大賞」レポートなど。

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・初めての方は「唐沢俊一まとめwiki」「唐沢俊一P&G博覧会」をごらんになることをおすすめします。
・当ブログにコメントされる場合には誹謗中傷および個人を特定しうる情報の掲載はおやめください。守られない場合には厳正に対処する可能性があります。
・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方、唐沢俊一に関する情報をご存知の方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。
karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


「唐沢俊一」を名乗るアカウントTwitterに出現。本人かどうかは不明。


●「唐沢俊一トンデモ本大賞」のレポートを書く前に「検証する気持ちをすっかり失ってしまっていた」理由を簡単に説明しておく。理由は大きく分けて2つある。
 ひとつは「唐沢問題に結論を出してしまったから」である。夏コミで出す同人誌で「最後の本なんだからそれなりに考えをまとめておかなくては」と総論らしきものを書いてしまったのがいけなかった。答えを出してしまったせいでこれ以上検証を続ける意味を見失ってしまったのだ。

「我ながら身も蓋もない考えにたどりついてしまったものだ」
「3年かけて調べなくてもそれくらいすぐにわかるだろ」

などといろいろと感慨はあるものの、この結論は今後検証を続けても動かないと思う。いずれこのブログでも問題を総括する時が来るので、そこであらためて説明したい。
 もうひとつは「気力がなくなったから」である。「唐沢俊一トンデモ本大賞」用に過去の検証を振り返っていたら「こんなにトラブルがあったのか!」と驚いてしまったというか、自分がいかに面倒な目に遭っていたのかを再確認してしまった。まあ、トラブルに巻き込まれたのは自己責任と思うようにしているが、相手方の対応がアレなことが多いのにガッカリしてしまったのだ。かつて『唐沢俊一検証本VOL.2』の第4章「個人的な体験」で唐沢俊一を検証する理由について説明したことがあったが、その中でこのように書いた。P.87より。

 ぼくも唐沢俊一に対して「愛」はなくても「敬意」は持とうと思う。盗用やガセビアをくりかえしたことは許せないことだが、唐沢は「オタク」として振舞ってきた人であり、長くライターとして活動してきた人なのであって、ぼくもどこかで唐沢の影響を受けていないとも限らないのだ。そういった人間に対しては、たとえ最低限のものであっても「敬意」を持ってしかるべきだろう。そうでないと、きっとどこかで間違いを犯してしまう。

 そして今、自分は唐沢俊一や彼の関係者に対して敬意を持ち続けることに自信がなくなってしまっている。同時にそれなりに尊敬していた人(唐沢俊一ではない)にこれ以上幻滅したくない、とも思う。読者の方々に泣き言を言うなんて情けないが、それが正直な気持ちだ。
 ただ幸いなことに、唐沢問題の検証はほぼ終わりかけているので、なんとか最後までやりとげたいと思うし、中途半端に投げ出さないことが一度検証を始めた人間に課せられた責任だとも思う。総括の流れも自分の中でまとまりつつあるので、なるべく早くそこまで持っていきたい。…さすがにこれ以上大ネタは出ない、と信じたいけれども。それから「まだあのネタをやってないよ!」というご指摘があればよろしくお願いします。


●では「唐沢俊一トンデモ本大賞」のレポートを。
 暑さと水分不足から来る頭痛に悩まされながら昼過ぎにビッグサイトを後にすることに。

「あ、やべえ。唐沢さんのブースの前を通ったらダメだ」

 顔バレしてるからなあ、いかんいかん、俺を見たらスタッフが神経を病んでしまう、と寸前でなんとか回避に成功したものの、唐沢俊一のことばかり頭にあったせいか、「と学会」のブースの前を堂々と通ってしまった。さすがに唐沢帽は脱いでいたが、向こうにも自分の顔を知っている人はいたかもしれないので冷や冷やものだ。どうして俺はコミケの度に眠田直を目撃するのだろう、と不思議に思いつつ会場から立ち去った。「と学会」に近寄らないようにしてても何故か見かけるんだよなあ。


 新宿まで出て妹2人(もう1人と合流した)と簡単な食事をとった後、イベントが始まる18時まで一人で街をブラブラ歩く。「頭痛い。ビール飲んで寝たい」とメソメソしながら西口のビックカメラで買い物したついでに福引をすると、「当たり出ましたー」と盛大に鐘を鳴らされた。カランカラーン。…やっぱり、俺、持ってるわ。景品の「一生友達でいてあげる券」はいつ使おう(もう最終回だなんて寂しい)。


 ノンキにそんなことをしていたものだから、会場に着いたのはギリギリだった。古賀さん、baudrateRAさん、そして14名の参加者の方は既に到着されていたので内心かなり焦る。慌ただしく手続きをして準備を済ませた後、18時15分から「唐沢俊一トンデモ本大賞」がスタート。イベントが始まると何故か頭痛が収まったのには助かった。緊張したせいだろうか。


 古賀さんとの事前の打ち合わせでは「前半1時間で“『新・UFO入門』での盗用発覚からこれまでの流れ”を説明して、後半1時間で“唐沢俊一トンデモ本大賞”をしよう」とまことにザックリとしたスケジュールを立てていたのだが、去年のイベントと同様に時間がとても足りない。2007年6月から4年間の出来事にすぎないのにどれだけ濃密なんだろうかと。順を追って説明すると2、3時間はかかるから次回はもっとコンパクトにまとめる工夫をする必要があるなあ。…いや、次回はありませんよ?
 それから、「唐沢俊一の個人史」については事前の打ち合わせでカットすることに決めてあったのだが、やっぱりこれも取り上げたかった。次回は「青学卒業問題」とか「ドンファン問題」について議論したいものだ。…いや、だから、次回はないんだって
 古賀さんの説明に合わせて、自分から好き勝手に思い出話や打ち明け話を付け加えていったのだが、どのあたりの展開をアツく感じるかは人それぞれだろう。個人的には唐沢問題の中では比較的地味に見える2010年の流れが凄いと思う。連載が4本無くなったり村崎百郎が亡くなっているのに地味に見えるのが逆に凄いというか。まさに激動の1750日!(には少し足りない)


 あっという間に1時間経ってしまったので、押し気味で「唐沢俊一トンデモ本大賞」の候補作の発表に移った。 候補作は以下の通り。


・『トンデモ一行知識の世界』(大和書房/ちくま文庫)→baudrateRAさん推薦

・『奇人怪人偏愛記』(楽工社)→藤岡真さん推薦

・『唐沢俊一の雑学王』(廣済堂出版)→藤岡真さん推薦

・『新・UFO入門』(幻冬舎新書)→古賀さん推薦

・『博覧強記の仕事術』(アスペクト)→kensyouhan推薦

・『スコ怖スポット・東京日帰り旅行ガイド』(ごま書房新社VM)→kensyouhan推薦


岡田斗司夫編『国際おたく大学』(光文社)→古賀さん推薦

・『トンデモ本の大世界』(アスペクト)→baudrateRAさん推薦


 これらの候補作がいかにトンデモないかを推薦者が自ら発表していく形式である。藤岡さんから推薦された作品については自分(kensyouhan)が代理して発表させてもらいました。

 ブログは3年続けてきたものの、人前で説明をするのは勝手が違うので結構とまどってしまった。本の概要をいちいち説明していくよりは、本家「日本トンデモ本大賞」みたいに「本の中のトンデモな部分」をそのまま紹介した方が自分には合っているような気がした。たとえば、『唐沢俊一の雑学王』の「初詣=セックスの代理行為」(P.18)、「花火見物は濃厚な前戯」(P.34)というネタや、『博覧強記の仕事術』の秋葉原のオタクの話などは参加者の反応もよかったように感じた。本家「トンデモ本大賞」を3回も生で観覧しておいてよかったと思うが、『雑学王』のエロガセビアがいちいち童貞チックなのが不思議なので、「唐沢さんは童貞なんでしょうか?」と言ったら「さすがに違うでしょう」とたしなめられてしまった。あと、『博覧強記の仕事術』のオビに書かれた

今、求められるのは、情報再構成能力である

という惹句が発表する前に目に入ってきて噴いてしまった。…確かに唐沢さんの「情報再構成能力」は凄い。


 候補作の中で『スコ怖』に関しては本の内容だけでなく自分がエラい目に遭ったことなど複雑な背景についても語った(もちろん大事なところは伏せた)。実は結構根の深い話なんですよ、ええ。本の内容ではなく本をめぐる現象のトンデモなさを語ったあたりはある意味唐沢俊一的なスタンスと言えなくもない、と自己フォロー。ただ、古賀さんの尻馬に乗って「『スコ怖』は面白くない」と連呼しすぎたのは反省している。

 もうひとつ反省しているのは、「唐沢俊一トンデモ本大賞」の後で「これから唐沢俊一はどうなるのか」というミニコーナーがあったのだが、その話に入ろうとしたときに、


「えー、それでは、唐沢さんの将来…ぷっ…について考えてみたいと……」


と思わず噴き出してしまったことだ。まったく、唐沢俊一の将来を考えることのどこが可笑しいというのか。1か月前の自分に説教してやりたい。芝崎淳氏だって「出版ラッシュが来る」ってメールで書いてたんだぞ。

 進行がグダグダだったせいで「唐沢俊一トンデモ本大賞」の投票に入ったのは残り15分になってからだった。参加者の方にひとりひとり大賞を挙げてもらったのだが、みなさんがコメントする時間を用意できなくて非常に申し訳なく思う。イベントの参加者は1票、メール・ブログへのコメント・コミケ会場での希望者による投票などイベント外での投票を0.5票として計算したところ、以下のような結果になった。


第7位  『トンデモ一行知識の世界』  0.5票
      『奇人怪人偏愛記』
      朝日新聞』での一連の書評


第5位  『実録! サイコさんの手紙』(宝島社)  1票
      『復讐医バロン』(学習研究社


第4位  『博覧強記の仕事術』     1.5票


第3位   『国際おたく大学』     3票


第2位   『スコ怖スポット・東京日帰り旅行ガイド』  6.5票



第1位  『新・UFO入門』   7.5票


 ……というわけで栄えある(?)「唐沢俊一トンデモ本大賞」は『新・UFO入門』に決定しました。おめでとうございまーす! 唐沢俊一さんと幻冬舎に何か贈るべきだろうか。
会場での投票では『新・UFO入門』と『スコ怖』が同点で並んでいたので、イベント外での投票が勝負の分かれ目となった。投票してくださったみなさんに感謝します。上位3冊がみんなトラブルを起こしているというのは流石というべきなのか。個人的には「朝日」の書評というのがツボ。


※訂正  『実録! サイコさんからの手紙』の書名を誤っていました。四海鏡さんのご指摘に感謝します。


 会場の使用時間が切れるギリギリだったので、大賞が決定すると慌てて後片付けをして参加者の皆さんから入場料をいただいて、そのまま解散した。打ち上げなど一切なし!という不親切設計だったが、それでも来てくれたみなさんには心から感謝したい。第2回はないからまさしく一期一会というやつである。本当にありがとうございました。
 解散後は古賀さんとbaudrateRAさんと一緒に新宿駅まで歩きながらいろいろと話をしたが、「もし今ここに隕石が落ちてきたら唐沢問題の検証はどうなるのだろう」とふと思った。


「ククク、これで終わったと思うな。俺を倒してもまたいつか第2、第3の検証班が…」


いや、そんなには出ないと思うよ。それに藤岡さんがいるしね。


 猫遊軒猫八さんから唐沢俊一に関係するイベントへの出演依頼を受けてから随分と長い時間が経った。最初の話が立ち消えになってしまった後も、イベントの話が一度出た以上はなんとか形にしたい、とずっと考えていたが、今回ようやく自分の中での最低限の基準をクリアーしたイベントを行うことが出来て安心している。唐沢俊一をめぐる諸問題の検証は多くの方からの協力がなければとても続けて来られなかったが、イベントで参加者の方と直接顔を合わせたことで自分がたくさんの人々に支えられていることをあらためて実感した。自分は本当に幸せ者だと思う。「唐沢俊一検証blog」での唐沢問題の検証は残り少なくなってきたが、もうしばらくおつきあいしてくださるようお願いします。


スコ怖スポット―東京日帰り旅行ガイド

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