「日本トンデモ本大賞2011」レポート。
・タコシェで冬コミの新刊「唐沢俊一検証本VOL.4」の通販を受け付けています。また、既刊『唐沢俊一検証本VOL.1』、『唐沢俊一検証本VOL.2』、『トンデモない「昭和ニッポン怪人伝」の世界』、『唐沢俊一検証本VOL.3』、『唐沢俊一検証本VOL.0』も通販受付中です。タコシェの店頭でも販売しています。
・初めての方は「唐沢俊一まとめwiki」、「唐沢俊一P&G博覧会」をごらんになることをおすすめします。
・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方、唐沢俊一に関連したイベントに興味のある方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。
karasawagasepakuri@yahoo.co.jp
・芦原太郎氏のTwitterより。
はっきりと「行かない」とツイートしてるのに「どうして自分にやらかそうとするのか全く理解できません」と平気で嘘を吐く唐沢俊一アンチの発言。昨年のトラップ騒動といい、どこまでコミケ準備会に迷惑を掛ければ気が済むのか。
あなたが「行かない」と言おうと関係ありません。あなたが「唐沢俊一検証blog」に対して「やらかす」と発言していることが問題なのです。問題点を理解できていないのか、「卑怯」にも言い逃れしようとしているのか、どちらなんでしょうか。コミケ準備会に迷惑をかけたくないのであれば、他のサークルに迷惑をかけるような発言は慎むべきです。
別のツイートから。
私の秘密をコミケで暴露すると断言してる猫八はこのblog主と行動を共にしている。だからこそ私は問題視してるのに。猫八とは切れたとか今回は呼んでませんとblogで宣言してるんなら、私から触れる事はないんだが。
猫遊軒猫八さんとは去年の10月以来連絡をとっていません。当ブログなり猫八さんの動向を調べれば、最近は「行動を共にしている」ことがないとすぐにわかるはずです。猫八さんご自身がイベント開催を断念した経緯を書かれていて、以下のアドレスから見られるはずです(なお、ここでの猫八さんのツイートには自分の認識と異なる点があることをおことわりしておく)。これはあなたの言葉を借りれば「少しググればわかる事」です。確認を怠って無関係な人間を攻撃したことを反省してください。責任を転嫁するのは「卑怯」ですよ。
最後にもうひとつのツイート。
唐沢俊一アンチのblogのコメント欄に書き込もうかと思ったが、以前に私の名前を語ってコメントしてる輩がいる事を知り断念。本当に卑怯者の集団だよ。恥ずかしくないのかね?
それはあなたに反論する気があればどうにでもなることです。ブログにコメントするのが嫌なのなら、当方までメールを寄越すなりtwitterで反論するなりどうぞご自由になさってください。
すぐに相手を「卑怯者」と呼ぶ芦原氏の行動にまったく誠意が見られないことを面白く思いますが、卑怯者を相手にする時の最善の方法は誠実に対応することである、とアドバイスしておきます。現に自分はそのように振舞おうとしています。
本題。昨日行われた「日本トンデモ本大賞2011」のレポートを書く。実は前売り券を買いそびれてしまったので、行くべきか少し迷ったのだが、会場で先行販売される唐沢俊一の新刊『スコ怖スポット・東京日帰り旅行ガイド』(ごま書房新社)が欲しいので出かけることにした。今年の会場は「銀座ブロッサム」。ブロッサムよりはマリンが(以下略)。
さて、今回自分はオールバック&黒のシャツ・黒のネクタイ・黒のスラックス、という全身黒ずくめ(一応唐沢リスペクト)で出かけたのだが、去年のように唐沢本人が売り子をやっていたらなんだか気まずいなあ、と思い、サングラスも着用することにした。そんな『マックス・ヘッドルーム』っぽいというかニセ札を燃やしてタバコに火をつけそうなパンチのある格好で会場まで赴いたら、あっさり当日券を買えて一安心。すぐさま物販コーナーに行き唐沢の新刊を購入。唐沢はいなかったが、佐藤歩嬢らしき女の子がいた。ちなみに、唐沢俊一スレッド@2ちゃんねる一般書籍板には次のような報告が来ていた。
257 :無名草子さん:2011/06/11(土) 20:43:34.36
トンデモ本大賞、と学会物販ブースは大行列なのに、唐沢先生のブース
は閑古鳥。「これから本人がサインしまーす」との呼び込みがあり、本人がブースに現れるが、だれも寄ってこないありさま。ちょっと可哀想になってしまった。大賞の方はおもしろかったですよ
あー、サインを貰えるなら欲しかったな。面白いことにこの書き込みがあった後に唐沢スレで不思議な現象が起こっている。
258 :無名草子さん:2011/06/11(土) 20:54:17.57
>>257
ガセ乙
260 :無名草子さん:2011/06/11(土) 20:57:26.32
>>257
ガセ乙
263 :無名草子さん:2011/06/11(土) 21:00:00.15
>>257
ガセ乙
268 :無名草子さん:2011/06/11(土) 21:06:43.59
>>257
ガセ乙
…逆効果なんじゃないの? 昨日あたりから盛り上がっている様子。
自席でパラパラめくっていた『スコ怖』の中に早速ミスを発見して暗澹たる思いにとらわれていると、いつものように面白いのか寒いのかわからない稗田おんまゆらの前説(カメラマンのノリツッコミつき)がはじまり、そのまま「トンデモ本大賞」が開演した。司会は三沢光晴をリスペクトして緑色の格好をした立川談之助師匠とバイラスのコスプレをした声のお二人。
20世紀FOXと『モンティ・パイソン』のオープニングを合体させたような映像が流れた後、「と学会」幹部によるこれまでの「と学会」の歩みを語るコーナーは始まった。参加者は山本弘・唐沢俊一・藤倉珊・皆神龍太郎・眠田直の各氏で、体調不良で欠席した永瀬唯の席には「や」と書かれた紙が貼られ(もうひとつ空いた席は岡田斗司夫?)、志水一夫の席には遺影が飾られた。オープニングからの流れを考えると、誰かが志水氏の骨壺を蹴っ飛ばすんじゃないか?と心配してしまったが、さすがにそこまではやらなかった。
1991年のSF大会に合わせて結成された「と学会」(それで今年が20周年)の歴史を振り返り、1995年に行われた会合の写真が紹介されたのだが、在りし日の(死んでないけど)岡田斗司夫がとてもいい笑顔をしていた。20年にもわたって一緒に活動してきた仲間たちが話し合う姿は、彼らの行動に賛同できるかどうかは別としても、それなりにいいものだと思った。
今年は「トンデモ本大賞」の審査が既に終わっている(4月25日の記事を参照)ため、「と学会エクストラ・エクストラ」と題した豪華ゲストによる演し物が披露された。最初に登場したのは高須克弥院長と西原理恵子の名コンビ(聞き手は瀧川鯉朝師匠)。高須院長が自らの肉体を改造していく模様を記録した映像が場内に流されたのだが、脂肪を吸引したり顔の皮膚を取ったり顔面に金属製の糸を入れるなどショッキングなシーンの連続で、自分の隣に座っていた女性客は終始俯いていた(ロフトプラスワンで上映された際には救急車が出動したらしい)。高須院長はさすがにプロフェッショナルで、自らの脂肪吸引手術を観ながら「これはもっと吸引できたので、やりかたが甘いですね」とダメ出ししていた。手術の最中に自分の顔面を手鏡でチェックする院長を西原理恵子は「覇王別姫」と呼んでいたが、確かにそう呼びたくなるほどキマッていた。
続いて桃井はるこが登場し、「思い出の秋葉原」について語りだした(聞き手は『トンデモ本の大世界』を編集した桜井氏)。要するに、「自分の記憶では確かにあったはずなのに他の誰も覚えていない店」の話なのだが、これが滅法面白かった。自分も「○○が建つ前には××があったよな」と昔の故郷の街並みを思い出すのが好きなせいもある。具体的に出た話としては、
「シントク電気のポイントカードをたくさん貯めていたのにいきなり店が潰れたせいで無駄になってしまった」
「“NEW DAYS”がある場所にあった“バルーン”というハンバーガーショップの店員がおじさんばかりだった」
「日通のビルのガラスめがけて忍者のおもちゃを投げつけて遊ぶ外国人が休日には必ずいた」
どの話もディティールが素晴らしいのだが、個人的に一番ツボだったのは、
「角田無線のビルの4階か5階にDJ機材を売っている店があって、そこで黒人の店員が“100in1”を売っていた」
という話。このリアリティは作り話じゃ出せないなあ。…しかし、冗談でなしに、ちゃんと桃井はるこの話を聞いて記録しておいた方がいいと思う。これだって数十年経ったら立派な資料になるからね。言うなれば「秋葉原の春を愛す」かな。
休憩を挟んで「エクストラ・エクストラ」後半戦。まずは、皆神龍太郎vs矢追純一という重量級の試合が組まれたのだが、とにかく矢追氏がチャーミング。「オリバーくんはサル」ってあっさり断言しちゃったよ。トンデモ側に魅力的な人が多いのはどうしてなんだろ。矢追氏は現在「宇宙塾」を主宰されているとのことで、最後に「SEヒーリング」と称して、会場のみなさんの骨格の歪みを手を触れずに治していた。自分が見たところ(目をつぶってなきゃいけなかったのかな?)、矢追さんはひたすら手をグルグルしていただけだったけど、ヒーリング前より深く前屈できるようになった気もするような…。矢追さんを呼んだんだから次は五島勉を呼んでほしいなあ。今でもお元気なはずだが。
続いて、飯塚昭三さんのお話。聞き手は唐沢俊一。飯塚さんはご夫婦で「と学会」のファンとのことで、過去にも「トンデモ本大賞」に観客として来場されていたという。ダジャレを交えたトークは実に楽しかったのだが、「今の地球は征服する価値がなくなった」と悪の帝王の中の人に言われるのはつらいなあ。メトロン星人も『ウルトラマンマックス』でそう言ってたけど。飯塚さんにはまた悪の大ボスをやってほしいものです。
その後、「トンデモ本大賞2011」が大川隆法『宇宙人との対話』(幸福の科学出版)に決定したことが発表された。『メガメ』はダメだったか〜。引き続き今までの「トンデモ本大賞」受賞作の中から最高の作品を選ぶ「ベスト・オブ・ベスト」が行われた。坂本頼光のナレーション(音声の乱れあり)とともにこれまでの大賞受賞作全19作品が映像で紹介されたが、どれも凄いものばかり(歴代受賞作は「と学会」公式サイトを参照)。20作品全てを選考していると時間が足りないので、以下の5作品に絞って選考が行われた。
・三上晃『植物は警告する』(たま出版)(第2回受賞作)
・武田了円『世界の支配者は本当にユダヤか』(第一企画出版)(第5回受賞作)
・松平龍樹『発情期 ブルマ検査』(二見書房)(第6回受賞作)
・副島隆彦『人類の月面着陸は無かったろう論』(徳間書店)(第14回受賞作)
・枡谷猛『人類の黙示録』(文芸社)(第16回受賞作)
これらの作品を山本会長が紹介しながら、明木茂夫・開田あや・川口友万・原田実・光デパート・本郷ゆき緒の各氏が論評し、来場者の投票によって「ベスト・オブ・ベスト」が決定される次第である。各作品は大賞を取っただけあって既に定評があるわけだが、当ブログでも簡単に紹介しておくことにする。
・『植物は警告する』
PCのフロッピー差込口に500円玉の写真を突っ込んだ写真が有名だが、この他にも「太陽は熱くない」「太陽は純金の塊だ」というユニークな説(植物さんがそう言っている)が書かれている。タイムリーなネタとして、「原発で作られた電気には放射能が含まれていて、その電気を使うとガンやエイズになる」という話もあるとのこと。
・『世界の支配者は本当にユダヤか』
「ニャントロ星人」ですね。紙幣に隠されたメッセージの解読が凄まじいので、『やりすぎ都市伝説』でもやってほしいものだと思った。この他にも、皇族や政治家などの著名人を「人相が悪い」と罵倒しているのに、何故かアグネス・チャンの人相を褒めているという考えさせられるくだりもあった。
面白かったのは、「東大生にはニャントロ星人が多い」「入試問題に難問奇問が多い理由」というくだりで、高学歴者へのコンプレックスが人をトンデモに走らせるのかも、と思った。トンデモの定番である「相対性理論は間違っている」も似たようなものだが、唐沢俊一のアカデミズム批判もやっぱり同じようなものなので、気をつけた方がいいだろう。
ちなみに、明木先生は、この本を読んでユダヤ陰謀論にハマったかつての教え子を、話を「お笑い」に持っていくことで説得したことがあるらしい。よりによってニャントロ星人でハマったのかあ。
・『発情期ブルマ検査』
『新世紀エヴァンゲリオン』ネタがあることで有名だが、登場人物が何故か異様にマニアックなエロ小説。そんなエロ小説を山本会長が紹介するのを聞いていると「俺は週末に何をやっているんだろ…」と思ってしまったのだが、開田あや女史によると「“トンデモ本大賞”受賞作の中では数少ない面白い本」とのこと。「トンデモ本」や「サイテー映画」は解説を見ると面白そうだけど、いざ実物に接するとつまらないのが大半だからなあ。それは唐沢俊一の本にも言えることだが。
なお、この本を書いた松平龍樹は「メガメ」で旋風を巻き起こした『メガネっ娘凌辱大戦』の作者でもあり、トンデモに縁がある人なのかもしれない。
・『人類の月面着陸はなかったろう論』
最近では福島第一原発を調査したことでも知られる副島隆彦の魅力にあふれた一冊。山本会長は副島の文章を「プロとは思えない」と酷評していたが、あのですね、「と学会」の会員の中にも文章に問題のある人が…。この他、副島の「自分のサイトの会員以外の人間に対し敵意をむきだしにする」「“あげあしとりをするな”と怒る」部分が笑いものにされていたが、ブーメランを連投している感は否めない。光デパート氏が「若本規夫に副島隆彦の文章を読んでもらおう」と提案していたが、実現したら面白いかも。
・『人類の黙示録』
日本の歴史は世界の歴史の雛型になっている、という本だが、論理展開が独特なので難解な本。なんとなく『境界線上のホライゾン』を連想したけれど。味のあるイラストが随所に挿入されていて、本郷ゆき緒女史が「トンデモ本の作者は情熱が有り余って自分でイラストを描いてしまう」と妙にはしゃいでいたが、「あー、そういえば、山本会長もご自分でイラストを…」と思ってしまった。トンデモを笑うのはつくづく難しいものだが、「来年から最終戦争が始まるんですね」というツッコミには笑った。
休憩に入る際に「ベスト・オブ・ベスト」を投票。自分は『新・UFO入門』に投票しておいた。まあ、ある意味記念碑的作品ではあるし、唐沢だけでなく「と学会」の問題点も浮き彫りになった本だしね。
遅い昼食をとり、会場に戻ると、ちょうど米粒写経の漫才が始まるところだった。自分はマニアックなネタには点数が辛いのだが(自分はブログでよくやってるくせに)、「女は紙かJPGに限る」という倉田英之の名言や東浩紀批判が飛び出す漫才ときたら支持せざるを得ない(別に“アンチ東”ではないけどね)。もっとも、他の場所でウケるかどうかとても心配。
そして、いよいよ集計結果の発表。第1位は『人類の月面着陸はなかったろう論』で、見事(?)「ベスト・オブ・ベスト」に輝いた。自分の票が反映されたかどうかはわからないが、去年はちゃんと入っていたから大丈夫だろう。集計結果をきちんとカウントできなかったけど、少なくとも400人は来ていた模様。
気になったのは、来年の「トンデモ本大賞」の開催決定は発表されたものの、会場がまだ未定だということで、これは一昨年や昨年とは違うパターンだ。まあ、大丈夫なんだろうけど。
今回の「トンデモ本大賞」の模様は、ニコニコ動画で6月19日(日曜日)20時から放映される予定なので、ぜひ御覧になってほしい。高須院長の手術シーンや米粒写経の漫才が流れるかどうかは微妙だが…。
自分は唐沢俊一を全否定するつもりはなくて、唐沢がいいことをすれば当然褒めるつもりだ(その機会がなかなかやってこないのが残念だが)。それと同じように、「と学会」に問題があるとしても、「トンデモ本大賞」が面白ければ「面白い」と言うだけである。自然に思い浮かんだ感想を鋳型に押し込めて変形させてしまうことは自分の流儀ではない。とはいえ、観覧していると「お前が言うな」という思いが時々こみあげてくるのが残念ではある。
さて、来年はどうしよう。
※追記 うsさんのご指摘を受けて訂正しました。
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