燃える盗魂。
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『社会派くんがゆく! 維新編』(アスペクト)の唐沢俊一のプロフィール欄に
とあるけど、これも無くなったのだろうか。まあ、唐沢なをきはお兄さんと一緒に仕事したくな…ゲフンゲフン! い、いや、多忙そうだからねえ。
池部良の「追討」に関しては既に藤岡真さんが検証されているが、自分もひとつ付け加えておく。
唐沢の「追討」より。
……この人には実はご迷惑をかけて(?)いる。
潮健児氏の自伝『星を喰った男』を上梓するとき、帯に潮さんが『残侠伝』で共演して親しくしてくれた池部さんの言葉が欲しい、と言うので、電話してお願いをした。電話口に出た池部さんは
「潮ちゃんのためなら書きますよ」
とおっしゃってくれたが、清川虹子さんが
「良ちゃんともあろう人にわざわざ書いてもらうなんて失礼だわ。あなた
書いて、名前だけお借りしなさいな」
とおっしゃり、仕方なく私が代筆、というかゴーストで書いた。ちょっと
面白く書いてやろうと“最近の役者は役者のようなものでしかない”みたいなことを書いてしまい(私も若かった)、書いてからどうか、と思ったのだが、潮さん自身がその文章を持って池部さんのお宅に伺い、見せたら、池部さんは苦笑して
「面白いじゃない」
と言っておられたとか。若気の至り、お許しくださいと泉下に祈るしかない。
ところが、『文筆業サバイバル塾VOL.5』P.19で唐沢は次のように発言している。
で、たとえ文章の本文を書いても、「あとがきまでゴーストライターが書かなきゃいけないのか?」と言いますと、書きます。さっき言った潮健児の『星を喰った男』の帯の文は池部良さんが書いているということになっているんですけれども、あれも池部良さんに「お願いします」と言ったら、「うん、いいよいいよ」「いつごろまでに文章をお願いできますか?」「君、書いといて」と。だから名前だけですね。
池部良から直接代筆を頼まれたことになっているのだ。なんで「追討」では清川虹子のせいにしてるんだろ。ちなみに唐沢が代筆した池部良の推薦の言葉は以下の通り。
およそ今日このころほど、本物のプロとしてのキャリアを積んだ“映画俳優”が必要とされているときはないだろう。テレビやビデオで常時、“映画俳優らしきもの”がひとびとの目に触れている時代にこういうことを言うのはヘソ曲がりのようにも聞こえるだろうが……。この本をぜひ一読していただきたい。プロの俳優とはどういう修業を積んできた人物か、またどういう多彩な経験を自分の肥やしとしてきた人物かがわかる筈である。潮ちゃん、お互い、まだ若い。共に再び映画の黄金時代を作っていこうじゃないか。
では本題。今回は『パチスロ必勝ガイドNEO』2011年2月号に掲載されている唐沢俊一のコラム『エンサイスロペディア』第45回「アントニオ猪木」を取り上げる。『昭和ニッポン怪人伝』(大和書房)の「馬場と猪木」の章はボロボロだったけれど、今回は大丈夫なのだろうか?
“人を動物に例えたら”というゲームがあるが、それで行けばアントニオ猪木という男はサメで決まりだろう。相手が何であれ食らいついていくその攻撃性もあるが、なにより、“泳ぎ続けていないと死んでしまう”というあたり、まさに猪木には(原文ママ)そういう部分でサメと同質である。
サメといってもジンベエザメやコバンザメがいるしなあ。あとこんな動画も。
死んではいないらしい。
で、この後、猪木の紹介が始まるのだが、まずビックリすることに、このコラムでは猪木の一連の異種格闘技戦について全く触れられていない。つまり、モハメド・アリもウイレム・ルスカもアクラム・ペールワンもなし! …ただ、唐沢は今回80年代以降に絞って話をしているらしいから、その点は大目に見れるかも…、あ、それでも、ウイリー・ウイリアムスに触れていないのはヘンだな…。
早くもモヤモヤした気分になってしまったが、本文を紹介していこう。
筆者の世代だと、80年代の第2次プロレスブームの騒ぎをまだ明確に記憶している。あの当時、猪木率いる新日本プロレスのスタッフ陣は、「プロレス・ブームなんじゃない、“新日本プロレス・ブーム”なんですよ」
と言っていた。
上記の発言は「燃える闘魂 アントニオ猪木ホームページ」から引いてきたものと思われる。それにしても、唐沢の世代にしてみれば、猪木の異種格闘技戦はショックだったと思うので、どうしてスルーしているのかますますわからなくなる。
確かに、ジャイアント馬場率いる全日本プロレスが、十年一日のごとくに外人選手とのベルトの取りあいをしているのに比べ、新日本プロレスではやれ下克上だの革命だのと物騒な言葉が飛び交い、長州力、前田日明、高田延彦などという若手にどんどんスポットライトが当たっていった。はっきり言うと、一回でも見逃してしまうと、事の進展においてきぼりを食うほどにクルクルと状況が変転していった。ラッシャー木村率いる国際プロレス軍団が殴り込みをかけて、三対一のハンディマッチなどを仕掛けて猪木と対決したと思ったら、いつの間にか仲間割れし、木村の参謀格だったアニマル浜口が猪木に革命戦を仕掛けていた長州力とタッグを組んでいたり、若松市政率いるストロング・マシーン軍団が、あれよあれよという間に増殖して数が増えていったり。
…余計にモヤモヤしてきた。新日の説明としても猪木の説明としてもなんとも中途半端だ。まず、80年代の新日の説明として考えると、タイガーマスクをスルーしているのが致命的。『昭和ニッポン怪人伝』でもスルーしていたから、唐沢俊一の世界ではタイガーとUWFは存在していないのかもしれない。あと、長州と前田と高田を「若手」とひとくくりにしているのもひっかかるし、マシン軍団に触れるなら桜庭和志や「お前平田だろ!」にも触れてほしいし。それにビッグバン・ベイダーとかね。
加えて、80年代の猪木の説明として考えても、「舌出し失神事件」や「巌流島の決闘」が無いのはちょっとなあ…と思う。リアルタイムで知らない自分でもこれくらいは出てくるので、当時からのファンはもっと気になる点があるのでは。
当時やたらにあったプロレス雑誌や新聞の類がまた次から次へと情報を流し続け、われわれは完全に、猪木ジャンキー、新日本中毒患者となっていった感がある。ファン達は猪木の試合を見ていたのではない。常に戦い続け、話題を生み出し続ける猪木の生き方を見ていたのである。そして、猪木の生き方に自身を同調させていくことで、猪木を自分の人生の師としていった。ブームで日本中に生れた(原文ママ)のは猪木ファンではなかった。無数の“プチ猪木”たちであったのだった。こんなレスラーは後にも先にも猪木しかいない。
「プチ猪木」って春一番やアントキの猪木やアントニオ小猪木のことだろうか。確かに『アントニオ猪木自伝』(新潮文庫)は名著だけどね。水道橋博士が「聖書」と呼ぶのも分かる(「オトコの本棚」にあるエピソードには笑ってしまう)。
この後、猪木の生い立ちが書かれているが、ウィキペディアを読めば分かることしか書かれていないので省略。
結婚していた当時の倍賞美津子が猪木のプロレスを見て、なんでここまでしなきゃいけないのか、と泣きながら訴えたそうだが、猪木にとっては、プロレスは単なる職業ではない。自分の人生を変え、命を救った運命そのものなのである。その運命、猪木にとっては神が与えてくれた運命を逃さないためには、常にギリギリのところで、その運命の尻尾をつかんでいる必要があるのだろう。安住してしまっていては、運命はいつ逃げていくかわからない。
…どうしてこんな中身の無いことを長々と書いているのか、文章の締めを見てようやく理解できた。
スロットの勝負も、猪木と同じく常にチャレンジしていくことが求められる。猪木になりきったつもりで挑むことが明暗を分ける台だろう。
だからか。このオチに持っていくために運命がどうたらこうたらと書いていたのか。毎回毎回「いやー、スロットって本当にいいものですね」と書かなくてもいいのに。過去の発言を知っていると白々しい気持ちにさせられる。
今回の唐沢の「感情過多で事実関係の描写に乏しい文章」を読んでいて、似たような文章をどこかで読んだ覚えがあるな、と思ったのだが、ターザン山本の文章と似ているような気がする。外見だけでなく文章まで似ていたのか…(2008年11月26日の記事を参照)。ターザンは他人の発言を自分の主張としてそのまま書いてしまう癖があったようだけど、これもある意味ではパクリなのかも。
…いやー、ウスい。わかっていたとはいえビックリだ。なお、今号の『パチスロ必勝ガイドNEO』ではいくつか連載が終了しているが、『エンサイスロペディア』はなんとか乗り切った模様。
今回の記事で年内の検証は終了です。あとは冬コミ関係の告知をしていきます。
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