唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

友がみなわれよりえらく見ゆる日よ。

マンガ買ひ来て 俺の嫁と親しむ


 『日本オタク大賞2004』(扶桑社)の中で、唐沢俊一が次のような発言をしている。P.216より。

(前略)それこそミスター高橋の本にさ、ターザン山本とか吉田豪とか大槻ケンヂとかがみんな涙を流してこれに抗議する本を出したことがあったけど、バカでないか、お前らはってね(笑)。マジメにやってたと思ってたのか、アレを。

 「涙を流してこれに抗議する本」というのは、おそらくターザン山本『プロレスファンよ感情武装せよ!』(新紀元社)のことなのだろうが、ちゃんと読んでいないことが丸分かりである。
 だいたい、ターザンも吉田豪オーケンも『流血の魔術 最強の演技』に対してそんなに怒っていないのだ。ターザンは『週刊プロレス』編集長時代に「プロレスの試合に真剣勝負はひとつもありませんよ。全部、シナリオがあって、勝ち負けも決まっているんです」と語っていたことを岩上安身に暴露されているし(『プロレスファンよ感情武装せよ!』の中でターザンは岩上に対してよくわからない反論をしているが)、吉田豪ミスター高橋の本が出たことによってプロレスの内幕について書きやすくなったと歓迎している。また、オーケン「うすうすはやっぱりと思っていたことだしね」と特にショックは受けていない。…一体誰が「涙を流してこれに抗議している」のか。あと、I編集長こと井上義啓はこのようなことを言っている。

(前略)これをねえ、ハッキリ言ってねえ、驚くヤツもおるだろうけど、大抵の人間は知っているんだよ。

 だから、「プロレスは真剣勝負でない」という暴露そのものよりも、ミスター高橋という新日本プロレスでレフェリーとして活躍していた人物が暴露したことの方が衝撃的だったのではないか?と思う(吉田豪オーケンミスター高橋の「キャラ」を面白がっている)。暴露自体は昔からあったことだしね。
 プロレスファンをバカにしたいのなら別に構わないが、本も読んでいないくせにあれこれ言う唐沢は別の意味でバカだろう。

 ちなみに、「裏モノ日記」2001年12月29日には次のようなことが書かれている。

私が好きでよく引用する本に群雄出版社の『激突! 馬場派vs.猪木派』というの(1983)があるが、その中で馬場派が、猪木派をしょせんは理論武装したミーハー、と言い切っていたのが、その当時、猪木的・新日的プロレスに、どこか割り切れないものを感じていた私に膝を叩かせたものだった。ガチンコ勝負なんて、マジにやればとても人にショーとして見せられるものではなくなる(K1をガチンコだと興奮している連中にもそれは言いたい)。所詮は猪木派のプロレスだって、ガチンコを標榜したショーに過ぎないのではないか。このミスター高橋の本は、長いことの私のその疑問を氷解させてくれた名著であった。前記群雄出版の本の中にあった、馬場派 の、猪木派に対する
「プロレスとはそんなに偉いものなのか」
 という問いかけこそ、私がこれまで、ありとあらゆる分野に向けて発し続けたものである。
「ミステリとはそんなに偉いものなのか」
「SFとはそんなに偉いものなのか」
「映画とはそんなに偉いものなのか」
 落語とは、怪獣とは、文学とは、アニメとは、哲学とは、マンガとは、国家とは、エトセトラ、エトセトラ。そこから見えてくる、新しい地平こそを、これからのプロレス(いや、そればかりでなく、上記各分野の)ファンたちには語ってもらいたい。

 「○○とはそんなに偉いものなのか」って要するにイチャモンだよね。よく自慢気に言えるなあ。「ガンダム論争」はまさに「怪獣映画とはそんなに偉いものなのか」「ガンダムとはそんなに偉いものなのか」という話だったけど、本当にヒドかった。唐沢は別に「新しい地平」を開いているわけでもないんだし。「ガチンコ勝負なんて、マジにやればとても人にショーとして見せられるものではなくなる」というのは格闘技で膠着してしまう試合がよくあることを考えると別に得意気になるほどの言い草ではない(膠着した試合=凡戦というわけではないのだが)。K-1だって「ちょっとヘンじゃないか?」と突っ込む人はファンの中にも多いしなあ。だいたい、プロレスでもミステリでもSFでも、ファンというものはそのジャンルが「偉い」から好きになるわけじゃないし、普通のファンでも唐沢よりよっぽどレベルの高い話をしているのだけど。正直、検証を始めてから唐沢がいかにウスいのかを知ってビックリしているのだ。唐沢俊一「雑学とはそんなに偉いものなのか」「演劇とはそんなに偉いものなのか」と思いながら活動を続けていて楽しいのかな? まあ、止めるつもりもないので、これからもどんどん「○○とはそんなに偉いものなのか」という問いかけを発し続けてください。「○○とはそんなに偉いものなのか」と言っているうちは、自分が一番偉くなったみたいで気持ちいいんだろうしね。


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一握の砂・悲しき玩具―石川啄木歌集 (新潮文庫)

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日本オタク大賞2004

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現代思想2002年2月臨時増刊号 総特集=プロレス

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流血の魔術 最強の演技 (講談社+α文庫)

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