HのあとにはIがある。
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昨夜23時50分からTBS系列で放送された『ジュニアラマタの世界ウィット遺産』に唐沢俊一がコメンテーターの一人として出ていた。番組を見る限りでは『世界一受けたい授業』や『スクール革命!』の時と同様にスタッフが集めてきたネタを読み上げているという感じだった。他のコメンテーターも用意された原稿を読み上げているのがありありとわかってしまったのがせつなかった。そのせいで前日に『IPPONグランプリ』で善戦していた有吉弘行(「野球賭博」には大笑いした)も精彩を欠いていたので、いつの間にかちょうど裏で放送していた『ゴッドタン』の方を本格的に観てしまった。「ゲーセワニュース」を観ていると、「ちょっといい話を読み上げるだけの番組」と「TVではギリギリの下世話な話をしゃべり倒す番組」とでは面白さにあまりにも差があることをひしひしと感じた。有吉もケンコバも『ゴッドタン』に出ておけばよかったのに。
そして、いつも通り唐沢俊一のしゃべりは早口で聞き取りづらい。『オタク論2!』(創出版)の中でテレビ局の人間に「唐沢さんは癒し系のキャラですね」と言われた話が出てくるのだが、あんなにせわしなくしゃべる癒し系はいないだろう。…まあ、作り手としては文化人に癒し系のキャラクターを求めているということなんだろうけど。
番組内での唐沢の発言は以下の通り。
・有吉弘行が紹介した「幼稚園児にも容赦ないオリバー・カーン」のエピソードについて「最後に寄付しなかったらシャレにならないよね」と突っ込む。
・ケンドーコバヤシが紹介したエピソードにちなんで毒蝮三太夫が立川談志にいたずらをした話を紹介。
・アガサ・クリスティが考古学者と結婚した理由について紹介。
・光浦靖子が紹介したエピソードにちなんで飛行機の座席にまつわるエピソードを紹介。
・宮崎哲弥が紹介した淡河定範が織田信長軍を撃退したエピソードにちなんで、日露戦争まで日本の馬は去勢されていなかったという話を紹介。
ちなみに、自分は番組の冒頭を見逃してしまったのだが、「価格.com」には次のようにある。
また唐沢俊一がアメリカの刑務所で不満を持った囚人たちに対して刑務所の所長がマイケル・ジャクソンの「BAD」をかけ踊らせ、不満を発散させ暴動などが起こらなかったというエピソードを話していた。
…でも、アガサ・クリスティの話は有名だよなあ。あと、毒蝮三太夫が談志師匠にいたずらをした話は唐沢の話術がマズかったせいか、かなりスベり気味だった。なんとか頑張って盛り上げようとしている千原ジュニアを見て、唐沢を『人志松本のすべらない話』に出したらどうなるだろう?と思わず妄想。
しかし、一番問題なのは「飛行機の座席にまつわるエピソード」である。まず唐沢のコメントを文章に起こしてみることにする。なお、唐沢の話をそのまま起こすとわかりづらいので、便宜上ある程度整理していることをあらかじめお断りしておく。
飛行機に乗っていた方は、自分の座席の番号というのは、ローマ字とそれから数字の組み合わせでなってますよね。あの、それでその、あの、窓際からABCというのと。大きいジャンボジェットになるとGぐらいまであるんですよ。これがですね、9席かと思ったら実は8席なんです。4、4で。じゃあ、なんでそのじゃあ、「G」って9までなのかというと、実は「I」っていう、ローマ字の「I」っていうのが、これ「1」と間違えられやすいので、それは外して「H」と「G」になってるんですね。
ところがね、新婚の夫婦がいたそうなんです。そしてこう見たら、その「I」が抜けてるって知らないから、あの、旦那さんが「H」で奥さんが「G」だと。つまり、その間に人がひとりいると思ったんですよね。それでもうびっくりしちゃって、せっかく新婚旅行なのに二人並んで座れないなんて、っていうんで、あわててアテンダントのところに行って、「すいません、「I」はないんですか?」と聞いたときに、そのアテンダントさんが「「I」はふたりの間にございます」。
…これでもだいぶわかりやすくしてます。「あの」とか「その」とか言いすぎ。
しかし、文章にしてみるとデタラメさがよくわかるな。ひとつひとつ指摘していこう。まず、「ローマ字」より「アルファベット」と言った方がいいのでは? 間違いではないんだけどね。次に、ジャンボジェットの座席は横一列に10席(窓際に3席ずつ、中央に4席)。つまり、座席番号はアルファベットだと「A」から「K」まで(「I」を除く)ということになる。
そして、ここからが正直怖いのだけど、唐沢俊一はどうして「Gぐらいまである」から「9席かと思った」のか? 「G」はアルファベットで7番目の文字だよ。さらに、「I」を抜かして「H」と「G」、と連呼しているのも理解できない。「I」を抜かしたら「H」と「J」になることはいまどき幼稚園児でもわかることだ。「G」と「H」の間に「I」があるわけがない。…テレビ出演でテンパってしまったからって、アルファベットの順番を忘れるのはヒドすぎる。
こんな有様でもスタジオでは「いい話」としてまとめられていたのだが(そうするしかないんだろうけど)、視聴者は正直である。2ちゃんねるの実況よりレスを抜粋する。
120 :渡る世間は名無しばかり:2010/10/07(木) 00:21:25.06 ID:2dvA8f27
GHじゃなくて、HJだべ?
127 :渡る世間は名無しばかり:2010/10/07(木) 00:21:52.61 id:cGNkGud/
GとHの間にIはないんだけど
128 :渡る世間は名無しばかり:2010/10/07(木) 00:21:55.08 ID:+viXI2iB
HのあとにはI(愛)がある
129 :渡る世間は名無しばかり:2010/10/07(木) 00:21:58.00 id:QJ3kslaK
GHじゃなくてHJだよな
132 :渡る世間は名無しばかり:2010/10/07(木) 00:22:06.34 id:knaiLocV
GじゃなくてJじゃないのか
145 :渡る世間は名無しばかり:2010/10/07(木) 00:23:44.73 id:k6TMILQl
4席4席だったら最初からIいらなくない?
ABCD EFGH になるから
ごらんの通り突っ込まれまくりである。
ただ、この番組は唐沢俊一が担当した部分以外にもヘンなところが多かった。「小森和子はジェームス・ディーンに憧れて芸能界に入った」とか言ってたし。
個人的には、アメリカの女子ソフトボールでホームランを打った選手が途中でケガをして走れなくなり、仲間に抱えられてホームインした「美談」が気になった。
…この話を聞いたら、日本のプロ野球ファンならジムタイルと彦野利勝のことを思い出すはずだ。いずれもホームランを打ったバッターが代走を出されたケースである(しかも彦野の場合はサヨナラホームランだった)。だから、「美談」とは到底思えないんだよなあ。まあ、その点、町山智浩さんはさすがである。ジムタイルと彦野のケースをおさえつつ単なる「美談」にしていない。
日本のテレビ番組50年以上の歴史の中で、アルファベットの順番を間違えたのは唐沢俊一ひとりしかいない。
野球ファンの血が騒いで思わず近藤唯之っぽく書いてみた。子供の頃に『プロ野球大百科』みたいな本で「苦痛にのたうちまわるジムタイル」の写真を見たんだよなあ(ちなみにジムタイルの代走は今では名打撃コーチとして知られている伊勢孝夫)。
それにしても、まさか「ワシントン殺人事件」を超えてくるとは…。間違いもさることながら、話術の拙さも凄かった。文章で伝えるのは限界があるけど、見ていて気の毒になってしまうくらいだった。あんなにあがった人を久々に見たよ。最後の馬の話では少し落ち着いていたのがせめてもの救いだけど、残念ながらテレビには向いていないと言わざるを得ない。向いてなさすぎて逆にもっとテレビで観たいと思ってしまうほどだ。
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