唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

ウチの神さんがね…。

pronto pronto?』Vol.15に掲載されている『トリビア名誉教授唐沢俊一のビジネス課外授業。』Vol.15より。

 昭和30年代、日本に家庭用テレビブームが起り(原文ママ)各メーカーの開発競争がし烈(原文ママ)になった。当時の松下電器の会議で、新製品のテレビのデザインが他社のものに似ていると言われた開発部の人間が、「機能が同じなのですから、デザインも似るのは仕方ありません」と反論すると、松下幸之助は「今、世界の人間は26億人おる。みんな似たような生活をしとるが、顔はひとりひとり違うで」と言った。担当者はその言葉に感銘を受け、デザインをやり直す決意をしたという。

 この話のモトネタは「PHP総合研究所」の公式サイトに掲載されている。

 昭和30年ごろ、テレビの新製品を出すに先立って、役員会が開かれた。テレビ事業部の担当者が、5、6台のテレビを持ちこみ、検討が始まった。みな新しいデザインの新製品である。重役の1人が、1台のテレビを見るなり言った。
「なんや、このブタみたいなデザイン!」
 担当者にも言い分がある。
「テレビというのはブラウン管がありますから、それに制約されて、あとはつまみと若干の飾りだけで、どうしても同じようなデザインになってしまいます」
 聞いていた幸之助が、ふいにこんなことを言い出した。
「地球の人口は今何人や」
「……」
「25、6億人おるのと違うか。それがみな、違った顔をしてるわな。これだけの同じような大きさの中で、部品もみな同じやけど、顔はみんな違うで。神さんはうまいことデザインしはるな」
“神さんのデザイン”という言葉に、頭を殴られたようなショックと恥ずかしさを覚えて事業部に戻った担当者は、さっそく改めての検討を開始した。

…内容はほぼ同じなんだけど話の面白さが全然違う。特に「神さんのデザイン」というキーワードを外しているのはいただけない。しかも「みんな似たような生活しとるが」って余計な言葉を付け加えているし。日本人に限っても「みんな似たような生活」をしているとは思えないのだが。それにしても、松下幸之助がしゃべったことをそのまま書いたかのように装っているのは一体どういうつもりなんだろう。なお、松下幸之助についての唐沢のガセビア安岡孝一先生が指摘している。


 もうひとつ『トリビア名誉教授唐沢俊一のビジネス課外授業。』Vol.15から。

 天津市のニュースサイト“津報網”によると、IT化の著しい最近の中国ビジネス業界で、自然な笑顔を作れなくなっているビジネスマンたちが急増しているという。パソコンに向かっての仕事はワンパターンのキー操作が繰り返されることが多く、これを続けていることによって脳が疲労し、顔の表情を作る神経がマヒしてしまうという。この症状を中国では“電脳臉(パソコン顔)”と読んでいるとのこと。

 この話のモトネタは、「レコードチャイナ」2008年10月6日の記事。「電脳臉(パソコン顔)」という翻訳が同じなんだから見ているのは間違いない。記事の中には「脳の疲労」だけでなく「ストレス」も自然な笑顔が出来なくなる要因だと書かれているが、唐沢はそれをスルーしてしまっている。なお、オリジナルの記事はこれ。「海外のサイトもちゃんとチェックしている」と語っていた(詳しくは10月8日の記事を参照)唐沢俊一ならオリジナルの記事もきっと読んでいるはずだよね?…しかし、この場合、ニュースソースは「津報網」ではなく「天津日報」にした方がいいように思うのだが(ちゃんと本紙にも掲載された記事なんだし)。

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