唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

月に負け犬。

タコシェ冬コミの新刊「唐沢俊一検証本VOL.4」の通販を受け付けています。また、既刊『唐沢俊一検証本VOL.1』『唐沢俊一検証本VOL.2』『トンデモない「昭和ニッポン怪人伝」の世界』『唐沢俊一検証本VOL.3』『唐沢俊一検証本VOL.0』も通販受付中です。タコシェの店頭でも販売しています。
・初めての方は「唐沢俊一まとめwiki」「唐沢俊一P&G博覧会」をごらんになることをおすすめします。
・当ブログにコメントされる場合には誹謗中傷および個人を特定しうる情報の掲載はおやめください。守られない場合には厳正に対処する可能性があります。
・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方、唐沢俊一に関する情報をご存知の方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。
・8月14日の夜に都内某所で唐沢俊一問題に関連したイベントを開催します。参加希望者は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。
karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


8月14日の夜に都内某所で「唐沢俊一トンデモ本大賞」を開催します。参加を希望される方は下のメールアドレスまでお申し込みください。「唐沢俊一トンデモ本大賞」の候補作の推薦も受け付けています。みなさんにとって最も記憶に残っている唐沢俊一の本を教えてください。イベント参加者には『カラサワマン』『カラサワセブン』の全話エピソードガイドをお渡しします。

karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


 コスミック出版8月の新刊リストにも『トンデモ震災デマの世界(仮題)』は載っていない。…それにしても、ごま書房新社VMにしても、唐沢の近刊が予定されているぶんがく社にしても、公式サイトの更新がストップしているのは何故なのか。


 今回で唐沢俊一『スコ怖スポット・東京日帰り旅行ガイド』(ごま書房新社VMの書き下ろし分の紹介も最後である。それでは、「スコ怖スポット20 中野」を見ていこう。この章では犬屋敷「あるいてネット」を参照)が紹介されているのだが、生類憐みの令が出された理由として以下のような説を紹介している。P.154〜P.155より。

カラサワ探偵長  (前略)実は犬をことさら大事にしたのは、食習慣の違いだという説もある


すばる  食習慣?


カラサワ探偵長  そう。綱吉の正室である信子は京都の左大臣鷹司卿の娘だったし、側室の寿光院、清心院などもみな京都から江戸へ下向した公卿の娘たちだ。彼女たちが、まだ戦国時代の気風が残っている野蛮な江戸に来てみて、びっくりしたのが江戸の庶民が犬を食べていることだった

カラサワ探偵長  犬食文化のない京都からやってきた信子たちには、これが大変気味悪かった。だから綱吉に言って犬を大事にするような法律を作らせた、と言う


すばる  京都の人って今でも東京の食べ物を下品だとか言いますからね


カラサワ探偵長  綱吉の側室で、唯一綱吉の子を生んだお伝の方は下級武士の娘だから、父が犬鍋を食べるところも見ていたかもしれないし、自分も食べたかもしれない。おまけに綱吉の母である桂昌院は高麗人(朝鮮民族)の出であるとする資料まである。犬食文化の本場だ。この桂昌院・お伝一派と、信子・寿光院の京都派は対立していたようだ。犬を保護して食べさせないようにしたのは京都派の嫌がらせという説も根拠がないわけではない


  …うーむ。いろいろと疑問がある。まず、信子たちはどこで庶民の食事を見たのか? 将軍の御台所がそんな簡単に江戸城の外に出られるとは思えないし、かといって城の中で庶民が犬を食べていたというのも…。次に、お伝の方や桂昌院が犬食を好んでいたわけではないということも気になる。「下級武士の娘だったから」「高麗人の出という説があるから」犬を食べていたかもしれない、ってそんな話が通るのだろうか。細かい話をすると、「信子」「お伝の方」「寿光院」「清心院」という名称の不統一が気持ち悪い。それに、信子たちがどうやって綱吉に生類憐みの令を出させたのかもわからない。これが「根拠がないわけではない」となるのなら、世の中のほとんどの話には根拠があることになってしまう。


 混乱したまま読み進めていくと、唐沢は「動物好きにも悪人はいる」例として「愛犬家連続殺人」を紹介しているのだが、「東京日帰り旅行ガイド」で埼玉の事件を紹介してどうする。さいたまさいたまー! そもそも犬屋敷のどこが「スコ怖スポット」なのか? このグダグダぶりが『スコ怖』をしめくくるにふさわしい章であったとは言える。



 P.159の「あとがき」で唐沢俊一は、

次はさらに歩を進めて、関東から関西、東北まで、スコ怖スポットをめぐって日本中を旅してみたいと思っています。

と書いているので第2弾にも期待したいところだ。また、「あとがき」には、

そして、単行本化に人力してくれた芝崎淳さん(以下略)

ともある。…ここで誤字かよ〜。念のために書いておくと、その後連絡はまったくありません。



 『スコ怖スポット・東京日帰り旅行ガイド』、本当にいろいろありすぎる本だった。連載時のミスが直ってなかったり、書き下ろし分に新たなガセがあったり、またもやパクリがあったり(7月14日の記事を参照)、ギャグがスベってたり。それだけでなく、ある場所を無理矢理「スコ怖」にしようとしてトンデモな理屈を語っているのは興味深かった。唐沢さんは墓からパワーを感じられる人だったのか(7月21日の記事を参照)。前から思っていたが、「と学会」の幹部だけどトンデモ体質だよなあ。唐沢俊一の現状がよく顕れた本だったと思うし、個人的にも忘れられない本になった。「唐沢俊一トンデモ本大賞」の本命かも。


 

月に負け犬

月に負け犬

スコ怖スポット―東京日帰り旅行ガイド

スコ怖スポット―東京日帰り旅行ガイド

冷たい熱帯魚 [Blu-ray]

冷たい熱帯魚 [Blu-ray]