唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

「日本トンデモ本大賞2009」レポート。

 mailinglistさんの日記をリンク集に追加しました。


 というわけで、「トンデモ本大賞2009」に行ってきた。『すべてのオタクは小説家になれる!』(以下『すべオタ』)がノミネートされたとあっては行かねばなるまい(『すべオタ』については3月11日の記事を参照)。ただ、結構な騒ぎになったのに(詳しくは5月29日の記事を参照)唐沢俊一と大内明日香女史はあっさりと仲直りした様子。まあ、おめでたいことではあるが、「トンデモ本大賞を盛り上げるためのヤラセだったのでは?」という疑惑も唐沢俊一スレッド@2ちゃんねる一般書籍板で囁かれていたりする。しかし、それは有り得ないことである。何故なら天然にはヤラセはできないからだ(唐沢も大内女史も「わざとやっている」と言いたがる天然だもんなあ)。その代わり、天然同士が絡んだときにゴッドアングルが降臨することがあるということなのだろう。今後も2人から目が離せませんね。…唐沢の文章が「芳醇」なら水道水は神酒(ネクタル)だと思うけど。

 さて、今回も例によって髪型をオールバックにして行ったのだが、別段入口で止められることもなくすんなり会場へ。髪型と服装がこころもち『リベリオン』のクリスチャン・ベールっぽかったから「やべぇ、ガンカタやられっぞ?」と思われたのかもしれない。それは俺の妄想なのかもしれない。…しかし、会場に入ってすぐに感じたのは、
「ここはアウェイだ」
ということだった。ミャンマーの格闘技といえばラウェイだが、自分にとっては豊島公会堂はアウェイだったのだ。…「と学会」にあまりいい感情を持っていないということもあるのだが(むろんファンには罪はない)、実際この手の集まりに行った経験があまりないのだ。「なにがあるのか知らないが オタクはひとりで行くものさ」というモットーのもとに今まで生きてきたからなあ。「友達がいないんじゃ?」とか心無い声は都合よく聞こえないフリをすることに。
 座席についてパンフレットをチェックすると、『すべオタ』はちゃんとノミネートされていた。そして、山本弘会長のあいさつが載っていた。

日本トンデモ本大賞へようこそ!
世の中には常識を超えたトンデモない物件があふれかえってます。それらを無視したり排斥したりするのではなく、ウォッチングし、楽しみ、共存していこうというのが、我が「と学会」のスタンスです。今年はどんな発表があるでしょうか。僕たちといっしょに、おおいに笑いながら、知らなかった世界をちょっぴり学んでお帰りください。

唐沢俊一という「トンデモない物件」を無視しているじゃん。「共存」はものすごくしているけど。
 なんだかなあ、と思いつつ物販リストを見て「トンデモない」ことに気づく。『すべオタ』がリストに載っているのだ
 えーっ!?それじゃあ、唐沢と大内女史は一体なんのためにケンカしていたのか。すぐさま物販コーナーへダッシュ。すると…、
 やっぱりありませんでしたーゴチバトル風)。そりゃそうだろうけども。しかし、これはどう考えればいいんだろうなあ。パンフレットを作った段階では売るつもりだったけどその後で何故かひっくりかえった、そう考えるのが一番筋が通る。それにしても、大内女史と衝突した女性スタッフって誰なんだろう。物販コーナーで頭にアンテナを立てた女の人がいると思ったらアナログマのコスプレをした開田あやさんだったけど、まさか開田さんじゃないだろうしなあ。

 その後、9年間使ってきたメガネが壊れたり3日経っても寝違えが治っていなかったりしつついよいよ開演。まず「と学会EXTRA」と称する発表が行われたので簡単に紹介。
光デパート氏による「ノストラダムスの大予言」研究発表。「アンゴルモアの大王=六本木ヒルズ」という解釈なのだが、本当に何にでもこじつけられるんだなあ。もっと強引にやった方がよかったかも。
新田五郎氏によるマンガの紹介。『シベリア超特急FINAL』のマイク水野がカッコ良すぎだったり、『ナンパ術』がしょうもなかったりしたのだが、でも、あれくらいのマンガならよくあるのでは?という印象。発表がモタモタしている感もあり。
・きだてたく氏によるエロ文房具の紹介。要するにこんなのである。実にしょうもなくてよかった。
皆神龍太郎氏によるレポート。フリーメーソンの本部に行ったり遠野に行ってカッパを目撃(ちゃんと写真に写っている)したりしているのだが、実際に現地に行ったことを写真つきで紹介するのはインパクトがある。当ブログも現地レポートの際には写真を取り入れようか。
唐沢俊一による「トンデモ本」の紹介秋山正美『ひとりぼっちの性生活―孤独に生きる日々のために 』(第二書房)を紹介したのだが、この本については「裏モノ日記」2001年10月15日で取り上げている。どうして今またやろうと思ったのだろうか。デビッド・キャラダイン(合掌)の話をしたかったからなのだろうか。本の内容はオナニーというテーマをすごくマジメに取り上げているもので、そのために今読んでみるとかえって可笑しいということである。しかし、まあ、唐沢俊一は舞台に立つのが好きなようだ。立川談志のモノマネもしていたし(似ているのかどうなのか)。なお、『ひとりぼっちの性生活』の姉妹編として『ひとりぼっちの愛情―孤独な女性の性生活』というのもあるらしい。…こっちの方が興味あるな。
明木茂夫教授による中国ネタ。…実はこの発表は今回のイベントの収穫のひとつだった。つまり、教育現場で中国の人名や地名について日本語読みだけでなく中国語読みも併記するよう強制されるようになっているという話で、「毛沢東」は「もうたくとう」だけでなく「マオ・ツートン」と読み仮名を振らなければいけなくなっているというのだ(なお「マオ・ツートン」は一般的な読み方に従った)。そんな状況になっていたとは全く知らなかったのでビックリしてしまった。明木先生も「アジアの絆を破壊する」と怒っていたけど、そもそも現地の読み方に完璧に合わせられるわけがないし(日本における英語圏の人名の読み方だって現地の発音に忠実なわけではない)、この動きが広まっていったら大変なことになる。『三国志』なんかどうなるんだろう。
・酒井和彦氏による変なミネラルウォーターとグアムの変なロウソクの話。なぜグレートマジンガーなのか。昨日はガミアQが出てきてとてもよかった。おまえだけが最強のKnight。


 ここまで観てとりあえずの感想。まず「会場の雰囲気が出来上がっている」。お客さんは本当にちょっとしたことでもよく笑うのだ。といっても、アルタの客と同じわけではなくて、「と学会」の何たるかを知っているからこそ笑っているという感じ。自分のような一見さんにはとてもつらい状況だ。
 もうひとつには「と学会に入ろうかな」と思った。…と言っても寝返ろうと思ったわけではない(金額によっては相談に応じます)。観客の前で発表をやってみたくなったのだ。平沢唯が『翼をください』の演奏を聴いて「私にも出来るかも」と思ったのと同じようなものである。以前冗談で書いた「唐沢俊一検証live」をやってもいいんだけど、唐沢の惨状をよく知らない人にこそ紹介したいし。それに、唐沢俊一は「トンデモ本大賞」の演出と構成を担当しているから、そこで発表したら余計に面白くなると思ったのだ。…まあ、『すべオタ』がらみの騒動を見る限りは無理そうだけど。いずれにしても、イベントの開催に少し前向きになったことは事実。


 で、いよいよ「トンデモ本大賞」の候補作の紹介である。立川談之助師匠に「日本のルイス・キャロル」と紹介されて山本弘会長が登場。パネリストとして唐沢俊一も登場(他に藤倉珊眠田直など)。候補作は『すべオタ』以外に、池川明『胎内記憶』(角川SSC新書)、佐野雄二『聖書は日本神話の続きだった!』(ハギシン書房)、船瀬俊介『新・知ってはいけない!?』(徳間書店)。候補作が4つというのはどうなんだろう。毎年そんなにトンデモ本が出るわけじゃないんだろうけど。
 
 最初に『胎内記憶』の紹介。これはタイトルそのまま赤ん坊が胎内にいたときのことを覚えているという内容なのだが、「精子卵子にも魂がある」「母親のヘソにフォトンのセンサーがある」「ダウジングを応用する」といったある意味「トンデモ」のオンパレードといった感じ。すかさず唐沢俊一が「水子供養ならぬ精子供養をやればいいのでは」と下ネタに持ち込んでウケを取ったのは流石であった。
 そしていよいよ『すべオタ』である。山本会長のツッコミは以前mixiでやったものと同じなのだが、山本会長って文章と同じ調子でしゃべるんだなあと感心(マイクのせいか声が聞き取りづらいのはアレだけど)。観客が「オリジナリティがなくても作家になれる」「読者を虫だと思え」という部分でどよめいていたのが面白かった。『ストライクウィッチーズ』が出てくるところを紹介すればウケを取れたと思うけどなあ。…まあ、イベントをやるときに俺がやればいいか。
 しかし、「トンデモ本」の紹介は実際に会長の手元にある本(付箋がビッシリある)をプロジェクターで大写しにするやり方なのだが、いちいち該当箇所をめくって探すのでタルくなってしまう。もうちょっとやり方があるだろうに。このイベントの構成と演出をやっている人間が悪い
 会長の紹介が終わってパネリストが感想を述べる。最初に口を開いたのは唐沢俊一
「これはある意味今回最大の見ものでして…」
 自分から言っちゃったよ。で、この後実にしゃべるしゃべる。自分は東大で唐沢に直接質問したことがあるからなんとなくわかるのだが「唐沢は心にやましいことがあると饒舌になる」のだと思う。だいぶ気にしているんだろうね。しかし、それでも唐沢俊一はなかなか狡猾であった。 『すべオタ』がおかしいのを若桜木虔のせいにして大内女史を巧みに持ち上げる作戦をとったのである。
若桜木虔の小説は竜頭蛇尾どころか蛇頭蛇尾」
大内明日香という人は特殊な人でして、人によって調子をあわせちゃうのかな」
「自分の『文筆業サバイバル塾』は彼女に編集してもらったんだけど、『すべオタ』とは真逆の内容になっているから、大内明日香という人は言うなればプロ中のプロと言えるのかもしれない」

 いやあ、持ち上げる持ち上げる。なんなんだ、この2人のヨイショ合戦は。あ、発言に間違いがあれば「裏モノ日記」で訂正しておいてください。
 唐沢の「『すべオタ』がおかしいのは若桜木虔のせい」説に山本会長も同意してしまった。『すべオタ』を読むと、大内女史と若桜木氏がどこを担当しているのか区別がつかないので「おそらく若桜木虔が主導しているんだろう」とカンチガイするのはしょうがないのかもしれない。小説家でもない出版評論家が堂々と小説家になる方法を語るなんて有り得ないと考えても無理はないだろう。
 しかし、『すべオタ』の元になったネイキッドロフトのイベントの内容が収められた『「すべてのオタクは小説家になれる!」「マンガを読んで小説家になろう!」特別版』を読めばわかるが、会話の主導権を握っているのは大内女史である。若桜木氏は大内女史の問いかけに答えているだけに過ぎない。山本会長は「特別版」の存在を知らなかったのかな?こっちの方がずっとトンデモなんだけど(詳しくは3月14日の記事を参照)。唐沢俊一岡田斗司夫には「師匠探し」大作戦が有効だったのが笑える。
 他のパネリストのコメントも辛辣であった。 「これはいわゆる「釣り」かもしれないからトンデモ本じゃないのでは?」「この本のやり方で小説を書いても2作目の依頼は来ない」「前作と内容がほぼ同じ」。中でも小堤正人氏のコメントには笑わせてもらった。
「でも、実際のところ、業界には褒められて喜んじゃう人って多いんですよ。そういう人っていうのは自称クリエイターなんですけど」
 自分も「打ち合わせで絶賛された」「通行人に見られた」ことをいちいち日記で書き連ねている人をよーく知ってます。あれを見るたびに「褒められ慣れてないんだな…」と哀しくなるのだが。
 次に『聖書は日本神話の続きだった!』。ヤハウェイザナミノイコトだという根拠が、ヤハウェ=8(ヤ)8(は)ウェ=ははうぇ=母上、という語呂合わせだったので大笑い。凄いなあ。俺もトンデモ本を書いてみたい。
 最後に『新・知ってはいけない!?』。これは著者の名前を見れば内容がわかってしまう本だ。唐沢俊一の本もそうなりつつあるけれど。


 ここで休憩。投票用紙に記入を済ませる。もちろん『すべオタ』に投票。コメント欄が2つあったのでここにも記入しておく。
「『唐沢俊一のトンデモ事件簿』は間違いだらけの上に盗用もあるので、個人的には今年のトンデモ本大賞はこれで決まりです(はぁと」
唐沢俊一さんの近著はみんなトンデモなのでぜひ取り上げてください☆(ゝω・`) 」

…まあ、こんなものはマンティスのアックスに過ぎないとミーもアンダスタンしているけど、と学会の皆さんが自分たちもウォッチの対象になっていることをわかってもらえればそれでいい。

 中華からあげ定食を食べて戻ってきたら、坂本頼光氏の活弁に先立って唐沢俊一が前説をしていた。本当に舞台が好きなようだ。上手いかどうかはわからないけど。
 で、この坂本頼光氏の活弁が実に面白かった。「トンデモ」にあてはまるかどうかは疑問だが、斎藤寅次郎の『子宝騒動』が観られたのはよかったし、なんといっても『サザザさん』だ。詳しくは説明できないがw面白すぎ!『あらびき団』に出ているマリリンジョイと組んで欲しい。…しかし、『サザザさん』が一番面白い「トンデモ本大賞」というのもどうかと思うのだが。


 そして、いよいよ大賞の発表。皆神龍太郎氏が「大賞を取ると、と学会的に問題になる作品があって…」とか言っていたので思わず吹き出してしまう。…そうか、表面上は平静を装っていたがやっぱり問題になっていたんだ。あと、眠田直氏は楽屋でケータイでホークスの試合を観ていたとのこと。さすがは2ちゃん唐沢スレで最も愛されている人だ。
 結果は次の通りだった。まさに大接戦。

1位 『新・知ってはいけない!?』 141票
2位 『聖書は日本神話の続きだった!』 140票
3位 『胎内記憶』 109票
4位 『すべてのオタクは小説家になれる!』 83票
その他 9票

ということで惜しくも『すべオタ』は大賞を逃がしてしまった。俺のコメントも紹介されなかったし(当たり前)。しかし、船瀬俊介の本が大賞を獲るというのも当然すぎて面白くない。自分としてはトンデモ本らしい本がノミネートされていたので面白く感じたのだが、今回の大賞の感想を書いたブログをまわってみると「小粒だった」という意見がよく見受けられた。…思うに毎年「トンデモ本」は一定数出ていて、UFO本とかユダヤ陰謀論とか『買ってはいけない』みたいな本がなくなることはないわけだ。だから、「お約束」のネタをやろうと思えば毎年「トンデモ本大賞」をやることはできるのだろう。しかし、「お約束」のネタばかりをやっていると早晩マンネリに陥るわけで(もうなっているか?)、新たな切り口を見つける必要があるように思う。もしかすると、山本会長が今回『すべオタ』をノミネートしたのもそういう狙いがあったのかもしれない。『すべオタ』以外はみんな「お約束」的な内容だからね。
 あと、投票数をカウントしていて思ったのだが、トンデモ本大賞」に500人近い人が来ているわけなのだけど、これって多いのか少ないのか。「トンデモ本」にハマる人は今後も出続けるのだろうが、「と学会」ファンというのは今後どうなっていくのか。…「と学会」とはなんだったのか、ということについても改めて考えてみよう。過去形で語っている時点でアレだが。

 イベントが終わった後はジュンク堂書店の4階の喫茶店に下見に行ったり、mailingistさんにごはんをおごってもらったりしました。2時間くらいしゃべったらノドが痛くなってしまった。虚弱というかふだんいかにしゃべっていないかというか。


 結論としては、まあまあ楽しかったかなあ、というところで。『サザザさん』をやるなら来年も行きたい。『サザザさん』=プラモ、「トンデモ本大賞」=ビッグワンガム的な位置づけ。しかし、来年はどういう状況になっているか全く予想がつかないからなあ。それこそ観客でなく壇上で唐沢俊一ネタを発表しているかもしれない。それくらいのことは起こっても不思議じゃないほどに、唐沢俊一の検証は怒濤のごとき展開をみせているのである。

※追記 jimusiosakaさんのご指摘に基づき訂正しました。


※追記2 感情的になっている記述を一部削除しました(2012年10月20日)。


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