唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

唐沢俊一のネタの使い回し・その2

最初に『唐沢先生の雑学授業』P.125〜128
「シワとり美容に猛毒のボツリヌス菌を顔に注射する方法がある」というトリビア(なお、例によっておぐりゆかのセリフは割愛)。

いや、ボツリヌス菌は消化器から全身に毒素が回って起こるんでね。筋肉に直接注射しても全身には広がらないし、数ヶ月で菌自体が筋肉中に吸収されてしまって消滅するから全く害はない。
(中略)
最初は美容じゃなくて、顔のひきつりを止めるために使ったんだ。ボツリヌス菌の毒素であるボトックスという成分には、筋肉を麻痺させる作用があってな。このためにボツリヌス中毒になると、呼吸して息を吸うための筋肉が弛緩といってダランとしてしまい動かなくなって、呼吸困難に陥って死亡する。ところがね、この、筋肉の弛緩状態を引き起こすという作用に注目した人がいたわけだ。顔面神経痛や、頬のピクピクしたひきつりが止まらなくなる、チックと言われる症状などを治すのに、このボツリヌス菌を注射して、その弛緩作用で硬直を解かせるんだね。
(中略)
ところでこの療法が有名になると、そうやって筋肉の緊張が解けるのなら、シワもとれるのではないか、と思いついたひとがいるんだな。カナダのある医師が、筋肉をマヒさせてシワをなくすことを思いついたんだ。
目尻や口元のシワというのは、もともと、そのあたりの筋肉の動きが活発で、その動きに引っ張られて皮膚が伸びてしまうのが原因だ。なら、そこらへんの筋肉をマヒさせて動かないようにすれば、シワもなくなるだろう、という考えだな。
ちなみにボツリヌス菌多汗症にも効果があることがわかって、最近ではワキガの治療にもよく使われるそうだ。

次に『史上最強のムダ知識』P.94〜95
「顔のシワをとるため、猛毒のボツリヌス菌を注射する美容法がある」というトリビア

食中毒を引き起こす、ボツリヌス菌の毒素には、筋弛緩を引き起こす作用がある。
そこで、顔のシワの回りに、ボツリヌス菌を直接注射し、筋肉をマヒさせてシワをなくす、という美容法を、カナダの医師が考えついた。
そもそも目尻や口元というのは、筋肉の動きが活発で、その動きに引っ張られて皮膚が伸びてしまう。それがシワの原因である。ならば、その付近の筋肉をマヒさせて動かなくすれば、シワもなくなるだろうという発想だ。
ちなみにボツリヌス菌を、筋肉に直接注射しても、全身には広がらず、数ヶ月で筋肉中に吸収されて消滅するので、全く害はない(そのため顔面神経痛などの治療にも使われる)。
ボツリヌス菌は、多汗症にも効果があることがわかっており、最近ではワキガの治療にも、よく使われるらしい。

 この使いまわしでも、やっぱりネタが劣化している。『雑学授業』ではボツリヌス菌が最初は治療目的に使われたことが書かれていたのに、『ムダ知識』ではカッコ内で触れるのみ。いきなり美容のために使用されたと誤解を招きかねない。そもそも、ボツリヌス菌は斜視を治療するために研究されていたのだけど。