唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

ゴールデン・イヤーズ。

唐沢俊一氏が『週刊新潮』の名物コラム「東京情報」の中の人なのではないか? という話は以前何回か取り上げたが(その1その2)、たまたま読んでいた花田紀凱・門田隆将『『週刊文春』と『週刊新潮』―闘うメディアの全内幕―』(PHP新書)で、以前の「東京情報」は「編集部でいろいろな意見を識者から聞いて、それをあるエッセイストが仕上げる形式でした」と、かつて『週刊新潮』の編集部に在籍していた門田氏が証言しているのを見つけた。現在の「東京情報」も同じ形式ならば、唐沢氏もそのような「識者」のひとりにあたるのだろう。唐沢氏のTwitterのプロフィールには「某週刊誌に匿名連載中」とあるが、唐沢氏のツイートを見る限りでは担当編集者に電話で話をしているだけで、自ら文章を書いているようには見えないので、果たしてそれを「連載」と呼べるか疑問がないわけではない。ブログ主は更新をサボっている間も「東京情報」のチェックは毎週欠かしていなかったが(というかこれに限らず唐沢氏のウォッチは継続していた)、毎回毎回ほとんど面白味のない内容なので当ブログで取り上げる意味はないと考えている。以前はもうちょっとツッコミ甲斐があったんだけど(その1その2)、今は本当に無味乾燥。ただ、「どう考えてもこれを書いているのは日本人だろ」と確信はしている。せめてもう少し外国人らしく見せる努力はしてほしい。
 ちなみに、現在発売中の『週刊新潮』で唐沢氏は例の『笑ってはいけない』の黒塗りの一件にコメントしているのだが、その記事で呉智英氏もコメントしていたので、「どっちか一人いればいいんじゃないの?」と思った。どっちを残すべきかは自分の口からはとても言えないが。なお、ブログ休止中にも唐沢氏は『週刊新潮』に何度となくコメントしているので、それらはまたの機会に紹介したい。正確に言えば最近『週刊新潮』以外でコメントしているのを見かけないんですけどね…(どこかで唐沢氏のコメントを見つけた場合には当ブログまでお知らせください)。


・本題。昨年10月に『と学会25thイヤーズ!』東京キララ社から発売された。と学会の単行本を出した出版社はこれで実に12社*1になる。後藤修もビックリな渡り鳥っぷりである。あるいは小沢鋭仁。前著『日韓中トンデモ本の世界』(サイゾー)から3年ぶりの新刊になるが、Youtubeで配信された発売記念トークイベントで唐沢俊一氏が「そんなに面白いトンデモ本が出なくなった」と語っていたのが、新刊がなかなか出なかった理由になるのだろうか。もちろん、それは建前に過ぎず、これまでトンデモ本を一人で選定していた山本弘氏の脱退が一番大きな理由であることはなんとなく察しが付く。とはいえ、山本氏の後を継いだ人たちは新たなトンデモを探す努力と気力が足りないんじゃないの? とは思う。UFOとかユダヤ陰謀論にこだわる必要は無いし、『発情期ブルマ検査』をトンデモ本大賞に選んでいる時点でもう既になんでもありになっている。世の中にはいくらでも面白そうなネタはありそうなものなのだけど。たとえば唐沢俊一検証とか。でもこれも旬を過ぎた感はある。
 唐沢氏は『と学会25thイヤーズ!』で巻頭の言葉と「空飛ぶ女性器」というコラム、それから皆神龍太郎氏と渡辺圭NHKプロデューサーの対談の聞き手をそれぞれ担当している。巻頭の言葉を担当するあたり、やはり現在のと学会のトップは唐沢氏であるように思える。あるいは皆神氏とのツートップか。
 さて、唐沢氏のコラム「空飛ぶ女性器」だが、実はこのコラム、2015年12月発行の『と学会誌36』からの転載である。若干修正されているものの特に内容に変わりはない。『と学会誌』に載った唐沢氏のコラムがと学会の商業本にそのまま転載されたケースは過去にもあるのだが、「唐沢さんには長い文章を書く体力と気力が残っていないのではないか」というブログ主の危惧がいよいよ高まってしまったのは否定できない。チェックが追い付かないくらい文章を発表してほしいものだけど(できれば商業誌で)。
 で、「空飛ぶ女性器」の内容というのは、「UFOは女性の象徴である」という仮説からアダムスキー型UFOのデザインがセクシーであると主張している。『と学会25thイヤーズ!』P.174より。

 横から見た時の頭頂部分が女性の乳房の形状をそっくり模している(乳頭まで備えている)ことばかりでなく、いわゆるメカメカしさを排して柔らかい曲線がソフトなイメージを醸し出している、下部の着陸ギアと呼ばれる3個の半球はどうだ。最初にアダムスキーが撮影した(と、されている)写真においては、3個の半球は、そのそれぞれを頂点とした逆三角形を描くようになっている。そして、シンボル学においては、逆三角形が女性器を表す象徴であることは自明とされるのである。

 頭頂部分については一応わかるが、着陸ギアについてはどうだろう。英語版ウィキペディアにある画像を見てもここから女性器を連想するのは難しい気がする。これで女性器を連想していたら、重なり合った3つの円(freepik)を見たら鼻血を噴き出してしまうのではないか。こんな調子で複数の円を見るたびに女性器を連想していたら算数の図形問題や数学の集合問題なんかとても解けないと思う。俊一少年の学業成績を心配しつつ続きを見てみる。同書P.174より。

 それにしても、UFOが女性器の象徴とすると、これはえらいことになる。我々が生きたUFOエイジというのは、全世界の空をオ×ンコがキンキン飛び回っていた時代だった、ということになるのだ。フライング・ソーサーはフライング・プッシー、UFOというのはアンアイデンティファイド・フライング・オ×ンコの略だったわけである。

 伏字は原文通り。…このくだりを読んでいる時の俺はいまだかつてない真顔になってたんじゃないかなあ。「一体何を言ってるのこの人」という思いが頭の中を占めすぎて三浦隆司がミゲル・ローマンから最初にダウンを奪ったようなボディブローを撃てる気がしてくる(もちろん唐沢氏に撃つわけではない)。飲み屋で酔っぱらいながら聞かされてもつらいレベルの話を活字にするのはマジでやめてほしいです。

0:45から。あまりの凄さに生中継を見ていて叫んでしまった。


 そして、何故女性器が空を飛んでいたのかというと、核爆発によって生じるキノコ雲は男性の象徴であり、それを鎮めるために女性器を空に浮かせる必要があったのだ、として文章は締め括られる。…もう何がなんだか。UFOの分析というより猥談を読まされた気分になってしまったけど、と学会員のみなさんがこの唐沢氏の文章を読んでどう感じたかは気にならなくもない。まあ、唐沢さんは以前からエロスへの想像力が豊かすぎる人だったりする。「宇宙戦艦ヤマトは女性的」とか「スペシウム光線はスペルマから来ている」とか。しかも、おじさんの考えたエロというよりは男子中学生の考えたエロという感じ。うーん、お若い。

 『と学会25thイヤーズ!』に収録されたものでは、他に皆神龍太郎氏のコラム「と学会もお肌の曲り角」も気になった。と学会25年の歴史を振り返る内容なのだが、山本弘氏の脱退に触れつつも脱退の理由をスルーしているあたりに「大人だなあ」と感心させられた。そういえばAmazonの本書のレビュー「やはり山本さんが亡くなってから会が纏まりを欠いてしまってる感じがする。」とあったので仰天してしまった。死んでません! 死んでませんから! 異世界シャワー問題に熱心に取り組むくらいお元気ですから!(詳しくは前回の記事を参照されたい)
 さて、皆神氏のコラムは以下のように締め括られている。同書P.18より。

 結成当時は、みんな30代半ばで大変に生きが良かった。そんなと学会中枢のメンバーたちも、25年が経った今、還暦の声を聞くおじいさんとなった。そんなお肌が2回も曲ってしまったジイサンたちが、未だにと学会をやっているのである。そろそろ引退してもいんじゃねぇの(原文ママ)、とも正直、思う。
 と学会の将来を任せられるような、と学会の未来を背負って立つ若者よ、ぜひ来たれと呼びかけたい。
 一緒に「と」の道を、再び爆走しようではないか(どうせ大した未来はないとは思うけど、とりあえず面白ければいいんだよ)。

 こんなやけっぱちな呼びかけに応える人がいるのかどうか。せめてうわべだけでも楽しそうにしてくれないと。「すっごーい!」「たーのしー!」という風に(ブログを休んだおかげで流行りに完全に乗り遅れる)。こんなブログでも俺は楽しいからやっているわけだけど、書いている人が楽しくないと読む人も楽しくないんじゃないかなあ、とよくある理屈が思い浮かぶ。と学会は歴史的使命を既に終えているんじゃないか、と正直思うけど、他人がどう思おうが続けたければ続ければいいに決まっている。でも、どうせやるなら楽しくやったほうがいいので、唐沢氏もと学会も元気を出してがんばってほしい。


「ゴールデン・イヤーズ」で思い出すのはやっぱりこの映画のこのシーン。

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と学会25thイヤーズ!

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小沢鋭仁物語

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と学会誌36

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*1:洋泉社、イーハトーヴ出版、光文社、メディアワークス太田出版、扶桑社、楽工社、小学館アスペクト文芸社サイゾー東京キララ社