スキャンダラス・プロデュース。

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●『SPA!』今週号（5月15日号）掲載の坪内祐三・福田和也の対談で唐沢俊一の名前が出てきたので、一応紹介しておく。同誌P.135より。

坪内　　野田さん（引用者註　現首相）はオレの1歳上だけど、オレたちは第一次オタク世代なんだよ。岡田斗司夫にしても唐沢俊一にしても、オタク評論家ってオレと同じ1958年生まれだから。その世代が今、政治の中心になってるんだよね。その中で、前原さんや石破さんはオタク指数が高いけど、野田さんはオタク指数が低いのに「オレもオタクだぜ」って言いたいんだろうね。でもね、オタクって、本来は尊敬なんかされないんだよ。

福田　　そう。軽蔑されるからいいんだよね。

　補足しておくと、坪内は野田首相が小橋建太に激励の手紙を送ったことについて怒っている（その理由は『SPA!』を参照されたい）。しかし、『東京スポーツ』でのインタビュー（Yahoo!「みんなの政治」を参照）を見る限り、野田首相は結構なプロレスマニアのようにも見える。首相に対抗して谷垣総裁もマスクをかぶってマイバッハ谷垣に変身してはどうか。
　それと、福田の「軽蔑されるからいい」という発言は「オタク＝エリート理論」の裏返しのようで正直違和感がある。なお、この連続対談では過去に岡田斗司夫の発言が話題になったことがあるが、それについては2010年10月16日の記事を参照。

●唐沢俊一が最近になって演劇鑑賞を頻繁にしているのは、演劇に軸足を移すことになって勉強する必要に迫られているのだろうか？と思っている。とはいえ、唐沢の観劇日記には関心が持てないのだが、「オクトの樹」の観劇日記の中にヘンなところがあったので指摘しておく。

ドラマの基本は、主役にありとあらゆる心的葛藤を与える要素を
投げ与えることにある。
「理想の君主」はよき主人公足り得ない。
シェイクスピアは、パトロンであったリチャード一世へのヨイショの
ために『マクベス』を書いたが、そこで主人公にしたのは、リチャード
の祖先である善良なバンクォーではなく、そのバンクォーを殺害する
悪漢・マクベスの方であった。これが芝居の“ヒネリ”というもの
である。この芝居に欠けているのはこのヒネリで、あまりにストレート
すぎるのである。

　2人の生没年は…、

　シェークスピア＝1564〜1616
　リチャード1世＝1159〜1199

　全然時代が違う。おそらくジェームズ1世と間違えたのではないか？と思うが、あるいはシェークスピアの代表作のひとつである『リチャード三世』と混同したのかもしれない。

●「つぶやき日記」更新。何故か「4月1日〜7日」になっているが…。今回の日記では食事の献立が詳細に書かれているので、「カラシュンの食卓」さんが久々に検証してくれればなあ、とリクエストしてみる。
　それにしても、唐沢俊一の「反・反原発」は相変わらずである。

７日
原発停止を受けてみんな節電をやろう、という掛け声。。戦前の「パーマネントはやめませう」を連想するのは私だけ？
原発止まって安心と言っている人は原発由来の電気は汚染されてると思っているのかね？危険なのは放射性物質であって、それが残っている限り事故があれば危険なことに変わりなく、変わりないのに電力が不足する可能性は増え、あまつさえ火力発電で大気は汚染される。いいことねえじゃねえかよ。

　「原発由来の電気は汚染されている」という主張は栄えある「第2回日本トンデモ本大賞」を受賞した三上晃『植物は警告する』がモトネタだろうか（2011年6月12日の記事を参照）。三上以外にもそのような主張をしている人がいるのか知らないが、どうも唐沢の中では「反原発」と「トンデモ」を結び付けたい心理があるのではないか？と再び思わざるを得ない。
　しかし、「いいことねえじゃねえかよ」という部分には現在の唐沢のやけっぱちな気分がよく出ているかのようだ。原発再稼働反対に反対したいのであれば（「原発再稼働に賛成」ではない点に注意）、原発の危険性の低さを論証すればいいのであって、何も感情的になる必要はないし、相手をバカにする必要もない。しかし、この文章を読む限り、唐沢は原発が動いても止まっても安心できないようなので、心底気の毒に思う。
　ついでに書いておくと、山本弘会長がブログで書かれていた福島産の野菜に関するエントリーは全体的には良い文章だが、それでも「そうヒステリックにわめく方もおられるかもしれない」などと無駄に攻撃的/挑発的なくだりもあって、つまらないところで損をしているなあ、と思わず溜息をついてしまう。もっとも、会長はいつもこんな感じなので「やってるやってる」と個人的には微笑ましく思ったりもする。いずれにしても、意味もなく感情的になったり皮肉や挑発と取られる表現は慎んだ方がいい、と自戒を込めつつ書いておく。

　もうひとつ。

１日
http://togetter.com/li/296600?#｢放射能　ﾊﾞｽ事故｣で検索したらこんな感じ - Togetterをチェックしました（詳細）
塩谷瞬も二股は放射能のせい、と言っちゃえば賛同者が出たかもしれぬ。
舞台をプロデュースしている立場からホンネを言えば、誰かオレの芝居の俳優も二股やってマスコミに追いかけられないかな、とみんな密かに思っているだろう。また、そう思わないようなご清潔な人間はプロデューサーに向かない（笑）。

　舞台に出演している役者よりもプロデューサーである唐沢俊一の方がずっとスキャンダラスな存在である、という点をどう考えたらいいのだろう。7月の公演に合わせてまた盗用すれば観客を増やせるかもしれない、とか？
　とはいえ、マジレスしてしまうと、役者がスキャンダルを起こせば観客は増えるかもしれないが、それ以上にマスコミやスポンサーへの対応に追われるデメリットの方が大きいのではないだろうか。プロデューサーも対応に追われて結果的に肝心の舞台がおろそかになってしまうおそれがあるが、さて唐沢俊一はそこまで考えているのかどうか。…いや、スキャンダルを当て込むなら今からでも遅くないからそれこそ塩谷瞬を起用すればいい。ハリケンレッドをプロデュースできるなんてオタク冥利に尽きるというものだ。

カラオケのレパートリー晒しはあと何回イケるのだろうか。