Don't be Cruella. - 唐沢俊一検証blog

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　『唐沢俊一のキッチュの花園』（メディアワークス）P.112〜116に掲載されている「わが悪女・妖女遍歴」は唐沢が愛した悪女キャラが数多く紹介されている文章だが、細かいミスが目立つ。
　たとえば、『空飛ぶロッキーくん』のブルウィンクルの名前が思い出せていなかったり、『怪鳥人間バットマン』を『怪鳥人』と相変わらず誤って表記していたり（「トンデモない一行知識の世界」を参照）、レイ・ハリーハウゼンのことを「あのハリー・ハウゼン御大」と表記していて、『SPA!』でのコラムと同様の区切り方をしている。…特撮マニアはハリーハウゼンをそーゆー風に呼んでいたのかなあ？　ミュンヒハウゼン男爵は「ハウゼン男爵」？　
　とはいえ、これは些細なミスともいえるのだが、残念ながら大きなミスも存在する。P.116より。

ディズニー映画の悪女としては、『101匹わんちゃん大行進』のクルエラ・ザ・デビルが有名で、実写版ではメリル・ストリープが楽しげに演じていたが、気品の点で、やはり『白雪姫』の継母にはかなわない。

　『101匹わんちゃん大行進』の実写版『101』『102』でクルエラ・ド・ヴィル（Cruella de Vil）を演じたのはグレン・クローズ。

　この文章の中で、唐沢俊一は自らの「悪女好き」をアピールしつつ、「近頃の若い者」の嗜好にも物申している。P.112、116より。

　女性キャラというと、最近のマンガやアニメファンの好むところは瞳きらきら、笑顔愛くるしく、純真で人を疑うことを知らないウブな子だけど、好奇心だけはいっぱいなの、だってもう子供じゃないんだもん、というようなところだと勝手に想像するが、私などに言わせれば、そういうガキのような女性像から、そろそろ日本人は脱皮するべきではあるまいかと思える。

　最近の若いオトコどもは、年上の女にひかれるということはないのだろうか。悪女の吐く細長パイプのタバコの煙にまどわされ、人生なかば踏み外して、初めてオトコはオトナになれると思うのだが。

　そう言われると、「じゃあ、唐沢俊一は実際に悪女にハマったことがあるのか？」と思ってしまう。ソルボンヌK子を「悪女」と呼ぶのは気の毒だし、近年唐沢が好意を寄せた何人かの女性もやはり「悪女」とは呼べない。その女性たちや、唐沢が浪人時代からつきあっていた（「捕獲していた」とも言っている）ガールフレンドの話からも（2010年2月5日の記事を参照）、唐沢が「悪女」「じゃじゃ馬」タイプを好きなようには見えないのだ。…というか、唐沢が披露しているエロトリビアがことごとく童貞テイストになったり、モテ話に登場する女の子が「知らない！」「一大決心してきたのよ」といったラブコメチックなセリフを吐いたりするあたり、相当オクテな自分でも「こいつ慣れてないな」と思えてしまう。言うなれば、友達が財布からコンドームを取り出してモテ自慢をしていたところ、そのコンドームが財布にだいぶ長いことしまわれていたらしいのについうっかり気づいてしまったかのような気分、である。…よくわからないたとえになってしまったけれど。
　この話に限らず、唐沢や岡田斗司夫が「萌え」に対して冷笑的な態度を取りつつ、あけすけな下ネタを話しているのは興味深いところである。山本弘会長や唐沢なをきが女の子キャラへの思い入れをしばしば語っていることを考えると、「萌え」を理解できるか（しようとするか）どうかは、世代的な問題ではなく個人的な問題なのかもしれない、という気はしている。