唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

中野区ゴジラ。

唐沢 唐沢 唐沢とメカ唐沢
岡田 岡田 岡田とメカ岡田
なをき なをき なをきとメカなをき
パクリ パクリ パクリとメカパクリとパクリとパクリ

(※ 「唐沢」は「カラサー」と発音したほうが歌いやすい)


●来週12月4日日本テレビ系列で放送される『スクール革命!』唐沢俊一が「先生」として登場する模様(もうひとりの「先生」はFUJIWARA藤本敏史)。テーマは「巨大! 特大! デカいもの!」。最近はよく出演しているのでおめでたい限り。レギュラーを目指してほしい。


なみきたかし氏のツイートより(その1その2)。

@kokogaga 僕は公平ではありませんが、彼は「投稿家にすぎない」ということはありません。受付のこちら側に何度もいたし、メインかどうか別にしてスタッフでもありましたね。編集を手伝ってもらうより文章を(投稿の形で掲載されても実際は投稿ではなく)書いてもらう方をお願いしました

唐沢俊一氏はスタッフのような、でないような」というコメントをしてから荻窪北口のいきつけのダイニングバーに行ったら本人がいたのでびっくり!「俺の縄張りを荒らすな」と言って仲良くした次第。今度芝居に僕の役をくれと、デビューをお願いしておきました。拍手を浴びたいもんです。


 なみき氏が仰っているのは、おそらく『FILM1/24』第32号のことだと思う(2009年12月23日2010年2月16日の記事をそれぞれ参照)。「唐沢俊一の投稿がふたつも載っているのか」と少し驚いたものだけど、なみき氏に頼まれて文章を書いたのだとしたら、それも納得できる。唐沢俊一が「アニドウ」での仕事を具体的に話しているのは、上映会でのモギリ(『脳天気教養図鑑』)と川本喜八郎の写真集の発送の手伝い(『トンデモ創世記』)くらいなのだが、写真集を発送した話は「裏モノ日記」で何故か何度も出てきている(2010年10月22日2008年2月14日)。よっぽど印象に残っているのか持ちネタ不足なのか。それにしても、なみき氏の言い回しは妙に意味深。


●前回に続いて、SPA!に掲載された唐沢俊一の文章を紹介する。今回は1993年7月28日号の特集「この復活に異議あり!」に掲載されたメカゴジラの復活に異議を唱えた文章(同号P.42〜43)を紹介する。『ゴジラvsメカゴジラ』の公開(1993年12月)に合わせたものだろう。
 本文に入る前にプロフィールを紹介しておこう。

58年生まれ。学生時代から映画評論、作家、漫画原作者として活躍。9月にはその集大成として『潮健児自伝・星を喰った男』を刊行予定。

 この「学生時代」から活動していたというのがいつも謎なんだよなあ。自分が確認した限りでは、唐沢俊一がプロとして初めてメディアに登場したのは平凡パンチ』1987年8月27日号なのだが(唐沢なをきのマンガ『暗黒街の決闘』の原作を担当)。それ以前にもどこかで仕事してたのかねえ。
 あと、この『星を喰った男』はバンダイから出た単行本のことだが、潮健児の書いた原稿を編集しても、「映画評論」や「漫画原作」の集大成になるのだろうか。


 では本文を紹介していく。

 有徳の高僧が死んで、その徳の効験で生き返ったが、生き返ったその僧はかつての徳などどこへやら、再び死ぬまでずっと、うすぼんやりとしたまま、文字通り生きる屍でしかなかったという伝説を以前読んだことがあります。メカゴジラに代表される今のゴジラ怪獣こそまさにこの高僧だと、こればかりは私ばかりではないほとんどのファンが少なからず内心感じていることではないでしょうか。
 だいたい、ワタシは今から10年も前に某情報誌で「過去をして眠らしめよ。そしてその土の上に新しい花をこそ咲かせよ」と、ゴジラの復活に反対を主張したことがあるんです。当時ワタシはまだ学生でしたが、これはその後プロを巻き込んでの大論争となり、『東京ゴジラ団』なるファン組織から脅迫状まがいの手紙まで舞い込んできました。「ゴジラこそ神である。おまえに怪獣を語を(原文ママ)資格はない」と激越な調子で書いてありました。東京ゴジラ団というのは、香山滋の原作では確かゴジラを神と信仰する狂信者集団で、最後は当のゴジラに踏み潰されてしまう連中のことだったと記憶しています。

 見てお分かりの通り、『ぴあ』での「ガンダム論争」について語っている。唐沢俊一が『ゴジラ』の復活について否定的だったのはその通りだが、「プロを巻き込んでの大論争」というのは大袈裟な話である(詳しい事情は2008年11月18日の記事から7回に分けて論じている)。唐沢青年は途中からゴジラ』そっちのけで『ガンダム』を否定するのに躍起になっちゃったわけだし。

 それはともかく、ゴジラが復活したのはその論争から1年もたたぬうちであり、そしてあのザマです。さらに今度はメカゴジラまでも復活させようとしているようです。

 

 『ぴあ』での「ガンダム論争」は1980年12月から1981年8月にかけて行われたが、『ゴジラ』が公開されたのは1984年12月。…1年以上経ってますね。
 しかし、「あのザマ」かあ。いわゆる『平成ゴジラシリーズ』に批判的なマニアは少なくないのだろうけど(唐沢なをきも『少年キャプテン』で『ゴジラvsキングギドラ』について辛辣な感想マンガを描いていた)。

 由来、カルトというものは後継者を育てぬものなのです。育てようとしても教祖に完全を見る信者たちがそれを認めようとはしないでしょう。チャプリン原文ママ)、黒澤、みな一代限りの才能でした。ゴジラもまたしかりで、跡継ぎがいないのはいつまでも彼を眠らせようとしないマニアたちのせいなのです。

 クリエイターと架空のキャラクターを一緒にされても、と思うし、チャップリン黒澤明って「カルト」なのか?とも思う。
 さて、この記事を読んだ後に、同じく『SPA!1997年12月24日号の特集「97年ジャンル別裏ベストテン」で唐沢俊一が以下のようなコメントをしているのを見つけて思わず咳き込んでしまった。まったく、唐沢検証は命がけだぜ! 同号P.38より。

手塚治虫の名は名跡として代々継承していくべきだ。

 え〜っ。手塚治虫もまた「一代限りの才能」じゃないの? チャップリンや黒澤と何が違うんだ。


 話を戻す。

 初代ゴジラは戦後という概念をまだ引きずった、当時の世相の持つ不安を具象化した存在でした。20世紀末に生きる我々にはあの頃とはまったく違った恐怖があるはず。新しい世代を代表する怪獣は安易な復活怪獣ではなく、そこを土壌に生まれ出ねばならないのではないでしょうか。

 この辺は「ガンダム論争」と同じ意見である。もっとも、唐沢俊一は「ガンダム論争」の時点で初代『ゴジラ』を否定していて、その後も『唐沢俊一のトンデモ事件簿』(三才ブックス)で初代『ゴジラ』は脚本の出来は良くないが「見事な御霊信仰の映画」であるというかなりアクロバティックな擁護をしている(2008年11月6日の記事を参照)。
 『ゴジラ』をめぐるいくつかの文章を見ていくと、唐沢俊一の『ゴジラ』観はこの30年間さほど変わっていないように見える。にもかかわらず、否定から肯定へと評価が変わっているのが興味深い。中野昭慶監督を初めとした特撮関係者と人脈ができたせいなのか、最近になって「ゆるさ」がポジティブに評価されるようになったからなのか(「ダメ映画」「サイテー映画」といった具合に)。


 以下はおまけ。『史上最強のオタク座談会 回収』(音楽専科社)より、ハリウッド版『GODZILLAをめぐる岡田斗司夫山本弘会長のトークを紹介。同書P.10〜11。

岡田:でね、おまけに何が困ったかってね、あれ昔からSFファンが言うてる「ゴジラ作るんやったらこう作ったらええやん」っていう、そのままなんですよ。「着ぐるみはあかんで、もう!」とか「CGやらなあかんで」とか、「リアルにするんでアメリカか何かええんちゃう?」とか。池田憲章先生とかっていう特撮界の巨匠なんかは「いや、今ゴジラ作るんだったら、四つん這いでビルの中を這って、ヘリから逃げるというゴジラを入れるべきだ」とかね、そんなん昔からみんながね、「こうしたらええ、ええ」っていうのを全部やったんですよ。


山本:じゃあ、ひょっとして原案・池田憲章か(笑)?


岡田:あれ、SFファンですよ、原案。

岡田:僕とか山本さんみたいな古手のSFファンはね、あんまりボロクソ言われへんのですよ。昔の自分に返ってくるから。


山本:そうそう、だからある意味では見たかったゴジラかもしれない(笑)。


岡田:見たかったゴジラやけど、できてみたらこんなに貧相やった(笑)。「しもた!」と。「あかんわ、これ!」と。いや、ほんまにね、一言一句あのシナリオは、俺が高校や   大学の時に友達と言うてた事と、ピタリ同じですよ。ヤバイ(笑)!


 唐沢のみならず「時代に合わせた怪獣をクリエイトすべき」という考えがマニアの間ではあったのかもしれない。なお、対談を読む限り、岡田・山本は2人とも『平成ゴジラ』に否定的なように見える。



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