『立川流騒動記』は年明け発売予定。
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10月20日に行われた「『立川流騒動記』プレ出版LIVE」の模様が昨晩USTREAMで放映されていた。今回はその中から気になった点を紹介していく。なお、視聴しながらメモを取っていたが、文章内で取り上げている発言は必ずしも正確ではないおそれがあることをあらかじめお断りしておく。
●イベントの前半は談之助師匠のトークと落語(「目黒のさんま」)。出囃子は『スパルタンX』。本来は「出版記念イベント」になるはずだったのが、執筆が進まなかったために「プレ出版LIVE」になったとのこと。今回のイベントでは立川流よりも明大の落研時代の話が大半を占めていたが、有名人が多数登場する面白いネタがもりだくさんだったので本の内容にも期待が持てそうだ。
●後半は師匠と本の「プロデューサー」である唐沢俊一とのトーク。この本は4年越しの企画だったとのことで、複数の大手の出版社が談之助師匠にネームバリューがないことを理由に企画を断ったことに唐沢は憤慨していた。本が出ればそれらの出版社が見直すんじゃないか?と期待している様子でもあった。
特にアスペクトから断られた話は興味深かった。以前唐沢俊一は立川談笑と一緒に『超落語!』をアスペクトから出していて、唐沢の話によると本の評判もよかったということなので、アスペクトが『立川流騒動記』の企画を断ったのは確かに気になるところだ。アスペクトの社長さんが唐沢俊一を気に入っているという話も聞いたことがあるし。
で、唐沢俊一が言うには、アスペクトは村崎百郎の事件のせいで腰が引けてしまい、「『立川流騒動記』の著者も襲われはしないか?」と断ってきたのだという。…じゃあ、『村崎百郎の本』はどうなるんだ? その理屈ならばあの本に参加した人だって危なくはないか。理解に苦しむ話である。
…しかし、ずっと不思議に思っているのだが、『立川流騒動記』の「プロデューサー」ってどういう役割なのだろうか? 談之助師匠はご自分で原稿を書かれているようだから唐沢俊一が構成するわけでもないのだろうし。出版社に企画を持ち込むのがプロデューサーの役割なのだろうか。ただ、唐沢俊一のP&Gを警戒している出版社も当然あるだろうから、「プロデュース」がよくない方向に働くこともあるのではないか、と心配にならないでもない。
●唐沢俊一が「朝日新聞」の書評委員だった頃の話。立川談春『赤めだか』(扶桑社)が書評委員会の対象になったときに、「落語といえば唐沢さんだよね」と振られそうになったのだが(これも凄い話だが)、唐沢は「あの本に書かれているのはウソだらけだから」と断ったらしい。その後、他の書評委員が『赤めだか』を「青春物語の佳作」として絶賛していたので、唐沢は「「朝日」の書評委員も大したことねえなと思った」と言っていた。…久々に超特大のブーメランを見た。「アフリカという国」と書いたり、任期中に不祥事を起こして謹慎していた人に言われたくないって。唐沢俊一の「朝日新聞」書評委員時代の数々の問題行動については2010年8月28日の記事を参照。
なお、唐沢が『赤めだか』の書評を担当したのは「奥泉とかいう作家」と言っていたので、「ははあ、奥泉光か」と思って調べてみたが、実際に書評を書いたのは重松清(「朝日新聞」2008年6月24日)。
●唐沢俊一と談之助師匠は近年の「落語ブーム」について長いこと語っていて、これは本の中でも詳しく書いてもらいたいものだが、唐沢が言うには「落語ブーム」はかつての「演劇ブーム」とよく似ていて、イッセー尾形の一人芝居のように「見ていると頭が良くなるような気がする」ところも同じなのだという。…まさか、唐沢俊一青年がイッセーにハマった理由がここで解明されるとは。
●唐沢俊一は落語家との交際についてもいくつかのエピソードを語っていたが、毒蝮三太夫が談志師匠を駅のホームで突き飛ばした話を気に入ってるらしく『ジュニアラマタの世界ウィット遺産』に続いて披露していた。ただ、このエピソードについて唐沢は「TBSのヘンな番組で“いい話をしてくれ”と頼まれたから、この話をしゃべったら“それはいい話とは違う”と言われた」と言っていた。本放送を見ていた人間に言わせてもらえば、あの話はだいぶスベっていたからなあ(話術にも問題があったような)。まあ、「HのあとにはIがある」のインパクトがあまりにも強烈なんだけど(2010年10月7日の記事を参照)。あと、ネット配信されているんだから発言には気を付けた方がいいのでは?とおせっかいなことを考えたり。俺みたいにブログに書いちゃう人もいるしね。
…ともあれ、『立川流騒動記』は年明け早々にぶんがく社から出るらしいので期待して待とう。唐沢俊一は「2ちゃんねるで“ぶんがく社が潰れた”という情報が流れていたけど、あれはデマだから」と言っていたが、唐沢スレ@一般書籍板でそんな話出てたっけ。ぶんがく社の公式サイトがつながらなくなっているので不安ではある。
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