共感してください? - 唐沢俊一検証blog

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karasawagasepakuri@yahoo

　伊藤計劃『虐殺器官』（ハヤカワ文庫）を今頃になって読んで非常に感銘を受けたのだが（『モンティ・パイソン』ネタが多かったのもよかった）、「一行知識」と書いて「トリビア」とルビが振られていたのが気になってしまった。一般的な使用法なんだろうか。

　唐沢俊一関係の新刊情報。だいたいは「トンデモ本大賞前々月祭」のおさらいだけど。

　まず、『唐沢俊一のトンデモ都市伝説探偵団』の単行本化。でも、唐沢は自分の連載のタイトルを間違えているのだが。それから、『都市伝説探偵団』という本は既に存在している。

都市伝説探偵団

作者: アエラ都市伝説探偵団
出版社/メーカー: 朝日新聞社
発売日: 2005/06/16
メディア: 単行本
クリック: 17回
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　そもそも、見開き2ページ×全12回では単行本にするにはボリュームが明らかに不足しているので、かなり書き下ろさなくてはいけないし、連載時よりクオリティをあげないとキツいと思う。以下に連載時の検証を紹介しておく。

・第1回
「縄文人が古墳を造った」、「ボトルネック」の誤用など初回からパワー全開。

・第2回
早くも話題が都市伝説から離れる。

・第3回
穴守稲荷の由来、大鳥居が移転した年を間違える。

・第5回
「赤マント」と阿部定に関係はあるのか？

・第6回
下山事件は定番中の定番。

・第7回
秋葉原連続殺傷事件と平将門を強引に結びつける。

・第8回
日比谷まで行ったのにゴジラの話しかしていない。

・第9回
四谷怪談の定説をひっくりかえそうとして失敗。

・第11回
何故「東京湾は東京に住む者のルーツ」なのか。

　第4回と第10回は藤岡真さんが検証されているので、そちらをごらんになってください。

　もうひとつは、唐沢がプロデュースしたという立川談之助師匠の本がぶんがく社から出るらしい。自費出版ではなく企画出版とのことで、唐沢の「追討本」も同じくぶんがく社から出るようだ。
　これはいい企画だと思う。最近、立川流の落語家が相次いで本を出していて、立川キウイ『万年前座』（新潮社）、立川談幸『談志狂時代』（うなぎ書房）などは話題になっている。個人的にも興味はある。
　…ただ、唐沢俊一のプロデュースは必要あるのか？という疑問もある。どうせなら『超落語！』を出したアスペクトを紹介すればいいのに。そもそも「プロデュース」って何？　…まあ、こんなことを言ってると、『星を喰った男』の原稿を潮健児から取り上げようとした人（唐沢俊一談）みたいに罵倒されそうなので（トンデモない一行知識の世界OLDを参照）、やめておこう。いい本になればいいですね。

　唐沢なをき『怪獣王』（ぶんか社）の巻末で、本の製作に関係した人に対し謝辞が捧げられているのだが、その中に唐沢俊一の名前も出てくる（唐沢俊一は『怪獣王』の奥付で「企画協力」として名前が出ている）。この謝辞がなかなか興味深いので紹介しておく。『怪獣王』P.203より。

・唐沢俊一様

本書の原形となった企画（カルト・カルチャー・ブックスシリーズ）に誘ってくれた人です。2年がかりになりましたが、やっと完成しました。しかし何より感謝したいのは子供の頃、一緒にゴジラやウルトラマンを見て、ドキドキやワクワクを共有してくれたことです。あの濃密な時間は一生忘れません。どうもありがとう。

　いい文章だ。素直に感動してしまった。
　

　しかし、『怪獣王』にしろ『電脳なをさん』にしろ、唐沢なをきの本を読んでいると「わかる！　わかるよ！」と思うことがちょくちょくあるのに、お兄さんの本を読んでいてもそういうことがないのが不思議。単純に体質が合わないだけだとは思うが、自分がお兄さんに対しても「わかる！　わかるよ！」と思えていれば、検証の仕方も少しは違っていたのかもしれない、と検証が最終局面にさしかかった段階でしみじみしてしまった。