唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

嘘、そして沈黙。

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・初めての方は「唐沢俊一まとめwiki」「唐沢俊一P&G博覧会」をごらんになることをおすすめします。
・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方、唐沢俊一に関連したイベントに興味のある方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。

karasawagasepakuri@yahoo


 唐沢俊一が自身のサイトで「時には沈黙を」という文章を発表している。

震災による原発問題。
いろいろ思いはありますが、この件に関しては
発生以来、表だっては口を閉ざすことにしています。

何故かというと、わからないことがあまりに多すぎるから。
私ゃ原発の専門家でも何でもない。
原発に関する裏モノチックなネタならいくらもありますが
そんなもの、今この時期に書いたって不謹慎のそしりを受ける
以外、なんの得にもなりはしません。

雑学屋のニーズは、平時にあるものです。
こういう時に知ったかぶりを振りかざすものではありません。
ましてや私は雑学の魅力はアヤシゲなところにある、という
のが基本スタンスの人間です。そういう人間の出る幕かどうかは
心得ているつもりです。

 「わからないこと」についてあれこれ言わない方がいいというのは平常時でも非常時でも同じなのではないか。なんで非常時に限定するのか。普段から「知ったかぶり」していれば信用を失くすのは当然の話だ。…っていうか、「雑学」と「知ったかぶり」って違うと思うし、唐沢は「知ったか」だったの?
 それでもって、相変わらず「雑学の魅力はアヤシゲなところにある」とか言ってるけど、唐沢俊一の雑学がガセだらけなのは、基本的なリサーチをしていないせいであって、はっきり言えば怠慢なだけである。『唐沢俊一検証本』のVOL.2とVOL.4でガセビアの数々をまとめているので、興味のある方は参照していただきたい。

問題は、ある程度、一般大衆よりは情報強者であり、マスコミに
名前も知られている、つまりオピニオン・リーダーになるべき
人たちに、今回の件で、情報とも言えない単なる感想・感情のタレ流しを
行っている人たちが多いことです。中には、あきらかにデマとわかる
悪意ある情報を、故意に流している著名人も何人か見かけました。
普段であれば、エンタテインメントの世界では誇張やウソも必要性があります。
しかし、それと今回を同一視するのは問題です。
こういう人たちは、自分の情報強者ぶりをアピールすることで
キャラクターを作り上げている。いきおい、マスコミがまだ報じて
いない情報を必死で探そうとする。その結果、今回のような場合、デマ情報
にひっかかる可能性も極めて高い、いわばがけっぷちでの商売を
やっているわけなのですが、長く続けていると、本人にその自覚が無く
なってしまうものなんですね。

 その「著名人」というのは一体誰のことなのやら。はっきり名前を挙げてみればいいのに。
 「普段であれば、エンタテインメントの世界では誇張やウソも必要性があります」の「エンタテインメント」は何を指しているのか。twitterやワイドショー・週刊誌でのコメントは「エンタテインメント」じゃないしなあ。結局、間違いをした場合に備えて予防線を張っているだけなんろうけど。
 「こういう人たちは」以下は見事に自己批評になっているが、唐沢本人に自覚があるのかどうかは不明。唐沢は「情報強者ぶりをアピール」しようとして大変なことになっちゃっているわけだ。

そして、たとえその情報が真実だとしても、事情が事情です。その発表が
与えるパニック、風評被害を思えば、私はその発表を敢て控えることも
マスコミ人の義務なのではないか、と思うのです。
風評被害は抑え切れないにしろ、自分がその元凶となることは
可能な限り避けることが。

 たくさんのガセビアを流してきた元凶であり、伊藤剛さんに関するデマ(『唐沢俊一検証本VOL.4』を参照)の元凶でもある人がそのように言うとなんだか含蓄があるような気がしますね。
 しかし、真実であっても発表を控えるべきというのは凄い話だ。ライターの言うことか? 一般人から言わせてもらえば、都合の悪い情報こそ真っ先に流してほしいものだけど。とはいえ、唐沢俊一はもともと事実を重んじる人ではない。『トンデモ一行知識の世界』(ちくま文庫)P.33より。

しかし、間違いを間違いだからといって無下に排斥するのは人間の文化を貧しいものにしてしまう。事実、などというのは世界中の人間のうち数パーセントが知っていればいいことではないか?

 こういう人が「流言のメカニズム」を語っても虚しい。

確かにわれわれには知る権利がある。しかし、それを理解する知識・
能力はあるのだろうか? 知った上で理性ある行動をとれる自制心が
備わっているのだろうか? そう思ってしまうんですね。

 まあ、確かに唐沢俊一には「知識・能力」「自制心」があるかどうか疑問だ。しかし、震災後の状況を考えると、日本人の大多数には「自制心」が備わっていると見てもいいのではないか。それはそうと、「われわれ」って誰のこと? みんながみんな自分と同じだと思ってもらっては困る。
 

ニュースへのコメントなどを読むと、安心情報を語っている専門家を
御用学者、と決めつけて非難している人が多い。
私は、マスコミに出る学者は御用学者でないといけないと思って
います。
それを信じるかどうかは個人の自由として、マスコミ情報の混乱は
災害時に大きな混乱を引き起こす可能性がある。
統一されていない、さまざまな意見の乱立は受け取る側が混乱します。
何よりも原発付近の、身動きのとれない被災者たちの心の安定をこそ
考えて、非常時の情報は流すべきなのです。

 この理屈だとやっぱり「被災者たちの心の安定」を乱すような発表は謹むべき、となってしまうよなあ。いわゆる「大本営発表」を正当化しているようにも思える。デマや風評被害を恐れてコメント自体を制限しようとするのは本末転倒にも程があると思うが。

サブカル・オタク周辺系のライターのみなさん、文科系アカデミシャンの
みなさん、その他原発放射能問題が専門でないマスコミ文化人のみなさん。

われわれは多弁が商売的な特性です。
専門外のことに関してもつい、イッチョカミしたくなるおしゃべりが実に
多い(自戒ももちろん込めてますよ!)。
しかし、今回は、実際に被災地で、不安にふるえ、理由ないもの
であっても安心できる言葉が欲しい、と切実に思っている人々が
大勢います。
いま少しの間、この問題については、われわれは沈黙しませんか。

現場にいる専門家たちの、必死の努力を見守ることに専念しませんか。
われわれの“日常”であるところの、アニメやマンガや猟奇殺人事件や
SFX映画や、そういった事象への発言に専念しませんか。

それが、われわれ“不要不急の文物の楽しみ”を商売にしている
ものの、ある種の矜持であるようにも思うのです。

 それを言うなら、まず自分から黙ったらいいよ。「古い本」でも「古い映画」でも見てれば落ち着くと思うし、他人にあれこれ言う必要もない。あと、山本弘会長にも何か言ってください。盗用を認めず被害者を中傷した人間が「矜持」と発言したのは、なかなか優秀なギャグだと思った。来年こそ「R-1ぐらんぷり」に出たらいい(1月7日の記事を参照)。
 今までも薄々感じていたことだが、震災後メッセージらしきものを立て続けに発表している(唐沢さんってそんなキャラだったっけ?)唐沢俊一「日常」を崩している、と判断せざるを得ない。「裏モノ日記」を中断してまで取り組んでいた「新しいプロジェクト」はどうなったのか。
 パニックに陥っているのか、ハイになっているのかは知らないが、とにかく言葉を発していなければやってられない精神状態になっているのは確実である(「追討」も精神の安定を保つための作業だったのだろうか)。被災した人々を何度もタテにしているところを見ると、パニックに陥っていると見るべきなのかもしれない。「安心できる言葉が欲しい、と切実に思っている」のは被災者ではなく唐沢本人なのではないか。…一体何が不安なのかなあ。
 そして、「震災」について語るのが問題なら、「猟奇殺人事件」だって多くの人々を不安にさせる事象なのだから、やはり沈黙すべきなのでは?と思うけれど。あと、震災に関しては岡田斗司夫も唐沢とよく似た対応をとっている(アルファルファモザイクTogetter)。仲直りのチャンス?


 唐沢俊一個人が不安でしょうがないだけなのに、「われわれ」「サブカル・オタク周辺系のライターのみなさん」などと一般化してお節介なことを言うのはやめてほしい(ある意味八つ当たりだ)。湯浅比呂美も「お節介な男の子ってバカみたい」と言ってたしね。緒花が縁石の上を歩いているのを見て「あ、乃絵だ」と思ってしまったが。…俺は少し「日常」を崩した方がいいのかも。
 ともあれ、あんまり慌てられると唐沢俊一への評価をさらに下げざるを得なくなるので、少しは骨のあるところも見せて欲しい。あ、そうそう。そろそろ花見に行った方がいいですよ。


嘘、そして沈黙 (扶桑社ミステリー)

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ハナノイロ

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