唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

古本城のジンボウチョウ一家。

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・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方、唐沢俊一に関連したイベントに興味のある方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。

karasawagasepakuri@yahoo


 唐沢俊一のサイトに今年の『日本トンデモ本大賞』に関するお知らせがある。

20周年記念として、6月に行われるトンデモ本大賞授賞式は
この20年の間に出たトンデモ本の中からベスト・オブ・ベスト
を選ぶ、特別大会となります。

 えーと、この時期に総決算的なイベントをするということは…、いや、なんでもない。高島学みたいになっても困る。
 それにしても、そういうことなら『トンデモ本大賞』に行って、唐沢俊一の著書の中で最高にトンデモな本に票を投じてきたほうがいいのだろうか。それをやるのなら、「唐沢俊一の著書の中で最高にトンデモな本」を決めなきゃいけないんだけど、実は「唐沢俊一検証イベント」で決めたかったんだよな…。イベント、やっぱりやろうかな。



 本題。『男の隠れ家』2005年6月号東京ウォーカー』2005年5月10日号でそれぞれ神保町特集が組まれていて、その両方に唐沢俊一が登場してコメントを出している。当時、流行っていたのだろうか。
 まず最初に『男の隠れ家』の方を紹介する。タイトルは「神保町は古書マニアの心を知る街」。

 僕が学生時代から20年も通っているのは「源喜堂」。アメリカ文化の香りがするワクワクする店だよね。今の裏神保町も勢いがあるよ。通るたびに「おっ」という発見がある。
 例えば、「キントト文庫」なんて、短い間にしょっちゅう移転しているしね。だけどそのたびに「よくもまあ、こんなに似合う雰囲気の場所ばっかり見つけるもんだなあ」と思って、感心するんだよ(笑)。
 新しい古書店でたまに「この本のここが超お勧め!」とか、懇切丁寧に解説した目録を出すところがある。そう言うところは、まあすぐに消えるね。目録は、シンプルで無味乾燥なのが一番。そこから自分の知識と勘だけを頼りに目当ての一冊を拾い出すのが、古書マニアのプライドであり生きがいなんだから。
 僕も、雑然と並んでいる本の背表紙に「呼ばれている」オーラを感じることがある。そういう本は、間違いなく“当たり”。でも最低週に一度は古書店通いをしていないと、そのオーラは見えないんだよね……。

 言っていることはカッコいいんだけど、唐沢は最近古書店に通っていないようだから「オーラ」が見えなくなっているのでは?と心配になる。本も捨てちゃったわけだし。
 実は『男の隠れ家』のインタビューは本文以外に問題があって、いつものようにへの字口をして『源喜堂書店』の袋を抱えて立っている唐沢俊一の写真が非常に胡散臭い、というのもあるのだが、プロフィールが次のようになっている。

唐沢俊一(からさわ・しゅんいち)
1958年、北海道札幌生まれ。カルト本評論家として活躍。著書は『古本市血笑旅』『脳天気教養図鑑』『トンデモ本の逆襲』など多数。

 唐沢俊一に『古本市血笑旅』という著書はない。『古本市血笑旅』は『脳天気教養図鑑』に収録された唐沢商会のマンガである。そして、『トンデモ本の逆襲』はと学会の編著であり、唐沢は寄稿者の一人に過ぎない。…つまり、『男の隠れ家』のプロフィールでは唐沢俊一の単著が紹介されていないうえに、神保町特集であるにもかかわらず『古本マニア雑学ノート』がスルーされているというまことに不思議な事態が起こっているのだ。…どうして唐沢にオファーを出したんだろ。


 続いて『東京ウォーカー』のインタビューを紹介する。タイトルは「神保町にこの人あり」。「中野などの中央線沿線から起こった流れが神保町で定着する」という発言も本当かどうかわからないが、それはともかく、このインタビューは出だしから気になる部分がある。

 4歳で神保町デビューしてますから筋金入りですよ。

 読み出すなり「え?」となった。唐沢俊一は『古本マニア雑学ノート』(幻冬舎文庫)の中で小学校3・4年生の時に父親に連れられて初めて古本屋に行ったと書いているのだ。じゃあ、この「神保町デビュー」というのは一体何なのか。
 調べてみると、唐沢俊一『近くへ行きたい』(講談社)P.57に次のような記述があった。

 ここに私が初めて足を踏み入れたのは、今から三十九年前、五歳のときである。東京に里帰りした母(私の母は東京から田舎へ嫁入りした)が、私を神田に連れていき、マンガの本を買ってくれた。
「ほら、ずっと向こうまで全部本屋さんなのよ、凄いでしょう」
 と、母が言ったのを覚えている。もっとも、そのときは、それから三十九年たって、まだこの街に通いつめているだろうなどとは、思いもしなかったけれど。

 …これが「神保町デビュー」で、この一事で「筋金入り」になるのか(年齢が違っているのは面倒なので流す)。…じゃあ、お茶の水小学校の生徒は「筋金入り」どころかもはや「神」的な存在になるのだろうし、唐沢の論法でいけば、自分も唐沢と同じく地方出身の地方育ちだけど、幼少時に新宿の伊勢丹で迷子になったことがあるから、新宿については「筋金入り」になるな。…恥ずかしいから絶対にそんなことは言ったりしないけどね! 
 …いや、「大学生の頃から通っていますから筋金入りですね」と言っておけばよかったと思うんだけど。何故「神保町デビュー」も混ぜたのか。

住所も神保町からの利便性と距離感を考えて阿佐ヶ谷や渋谷にしたんです。逢坂剛さんのように神保町に事務所を構えたら、私破産しますね(笑)。

 おや、逢坂剛に言及している(2009年3月7日の記事を参照)。…しかし、神保町に事務所があるせいで破産するのならば、阿佐ヶ谷や渋谷に住んでいても破産すると思うんだけど。阿佐ヶ谷にしろ渋谷にしろ、本当に好きなのであれば神保町まで毎日でも行けてしまう距離なのだから、あまり意味の無いことだと思う。破産しないようセーブしているのに「利便性」を考えるのもヘンだしなあ。そして、結局、大学を青学にした理由もわからないままだ(2009年2月9日の記事を参照)。唐沢俊一が青学に通っていた当時、半蔵門線はまだ神保町まで通っていなかったんだから。


 「筋金入り」には本当に恥ずかしくなった。他人が言っていることなのに何故。



本家の方でありそうなネタになってしまった。

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脳天気教養図鑑 (幻冬舎文庫)

脳天気教養図鑑 (幻冬舎文庫)

古本マニア雑学ノート (幻冬舎文庫)

古本マニア雑学ノート (幻冬舎文庫)

近くへ行きたい

近くへ行きたい