唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

愛のcodaわり人物伝。

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 唐沢俊一は2006年9月にNHK教育テレビで放映された『私のこだわり人物伝』円谷英二について語っていた。番組の内容はテキストとしてNHK出版から発売されていたのだが、今回はそのテキストから。P.105より。

 映画のゴジラシリーズが「メカゴジラの逆襲」(一九七五)でいちど区切りがつけられ、テレビのウルトラシリーズもやがて中断を余儀なくされる。その後、子どもたちには怪獣ものを見る機会がほとんどなくなってしまいました。
 怪獣映画に今から新たに向き合うとなれば、たとえていえば歌舞伎や能のように、見るための訓練、馴れ、教養が必要です。怪獣が二本足で立ち上がるのも“様式”ならば、光線や毒ガスを武器にして敵と戦うのも“お約束”です。それが共有できなければ、映画を楽しむことはできません。そうした“様式”を説明し、わかりやすい作品から見せてあげなければ、とたんに子どもにはそっぽを向かれます。
 子どもたちはきっと疑問に思うはずです。身長五十メートルという巨大な生き物が実際にありうるのか、なぜ火を吐くのか、なぜ人間は手も足も出ないのか、撃退のためになぜもっと効果的な攻撃をしないのか……。私たちの世代から見ればヤボな疑問なのですが、身近なところに怪獣映画がなかった子どもたちには無理ないことなのかもしれません。

 これは自分の経験からすれば全くのウソである。昭和の『ゴジラ』シリーズ、第2期『ウルトラ』シリーズが中断した後に生まれた自分でも特撮にバッチリハマったもんね。『ウルトラマン80』(祝!DVD発売)、『仮面ライダー(スカイライダー)』、『太陽戦隊サンバルカン』あたりは完全に直撃。今の子供だって大して事情は変わらないんじゃないかなあ。特撮番組の劇場版を観に映画館に行くと、主題歌を熱唱している子供が必ずいて微笑ましくなる。そういえば、自分も『凶気の桜』で窪塚洋介仮面ライダーV3に変身したとき(ウソじゃないよ)に暗闇の中で「♪あーかーいーあかーいー」と主題歌をこっそり口ずさんだものだけど。
 …っていうか、なんで「怪獣映画」を特別扱いするんだろう。等身大ヒーローものや戦隊ものだって「お約束」はあるんだけど。「なんで5人で1人の怪人をボコボコにするの?」「なんで怪人を倒したら巨大化するの?」「あの世界の警察や軍隊は何をやってるの?」とかひっかかる人はいるんじゃないかと。ただ、自分が子供の頃は、その手の「お約束」に突っ込みを入れる友達はいなかったけどなあ。毒ガスを武器にするヒーローがいるのかどうかは疑問だけど。『武装錬金』の毒島を思わず連想。
 それと、根本的に問題だと思うのは、唐沢俊一「再放送」の存在を忘れていること。だから実は新作が作られなくなっても「怪獣ものを見る機会」はあったわけなんだけどね。唐沢の話は全体的にリアリティがなさすぎる。本当に昔子供だったの?

 興味深いのは、唐沢俊一が怪獣映画を「歌舞伎や能」になぞらえていることで、オタク文化を伝統文化に結び付けて考えようとする欲望を感じさせる。『私のこだわり人物伝』の別のところで、円谷英二のミニチュア特撮を根付職人と比較して論じているのも同じことなのだろう。NHKでオタクを論じるためにはそういった権威付けも必要なのかもしれない。


一時期検証のBGMとしてヘビーローテーションで流していた。

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