チェンジ01!
ガセのあるところ必ずあらわれ、パクリの行われるところ必ずゆく!
「トンデモ本大賞」の後で猫遊軒猫八さんと話したときに「池田駿介を“追討”しないでほしい…」とボヤいていたら不安が的中し、追討されてしまった。『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』のエンディングではお元気そうだったのに…とショックを受けているところに文字通り追い討ちを喰らった気分だ。
『帰ってきた……』では最後まで団次郎と主役・郷秀樹の役を争ったと
いうが、最終的に脇に回ることになったのは、顔と演技が、あまりに
正義っぽすぎたのが原因ではないだろうか。第二次特撮ブーム初期の特徴は
その前に一世を風靡していた(第一次特撮ブームを駆逐した)スポ根
ドラマを取り入れて、主人公が悩み、成長していく姿を描くことにあった
(『シルバー仮面』しかり『ミラーマン』しかり)。その傾向の最も顕著
であったのが『帰りマン』であるが、池田氏のあまりにさわやかなスポーツ
青年そのものの風貌は、そういう“悩み多き”ヒーローには似合わなかった。
池田氏は悩む郷秀樹や、悩むジローの頼れる“アニキ”だった。
兄貴という存在は太陽のようなものだ。誰もが太陽をありがたがるが、
しかし、太陽のことを語る人はあまりいない。はるかに暗い、月の
存在感に太陽はかなわない。『帰りマン』では西田健演じる意地悪キャラの
岸田隊員に、『キカイダー01』では志穂美悦子演じるビジンダーに、
話題性をさらわれてしまっていた。しかし、それでもなお、太陽が
なくてはわれわれは生きていけない。池田氏がこれだけ特徴ヒーロー
番組(原文ママ)に出演していたのは、その存在の必要性を誰もが認めていたからに
他ならない。
南隊員について語るなら『帰ってきたウルトラマン』第25話「ふるさと地球を去る」は外せないと思う。南隊員は子供の頃に「じゃみっ子」と呼ばれていじめられていたという過去が語られているのだ。そして、かつての自分と同じようにいじめられていた少年と出会って…という話なのだが、実はこのエピソードはかなり深い話なので実際にごらんになって欲しい(切通理作さんの『怪獣使いと少年』でも詳しく書かれている)。リスペクト市川森一。
それから、鏡京太郎が「“悩み多き”ヒーロー」というのはいいとしても(人間くさくて個人的には好きなキャラだ)、春日光二はあてはまるだろうか? 『シルバー仮面ジャイアント』第23話「東京を砂漠にしろ!」で少年に責められていたことくらいしか印象に残っていないけれど…。むしろ弟の光三(篠田三郎)の方がよく失敗していたような。ついでに書いておくと、池田駿介も『シルバー仮面』に出演している(春日ひとみの婚約者役)。さらに余談になってしまうが、岸田隊員といえば「郷秀樹に意地悪している」と思われがちだが、中盤以降は郷と普通に仲良くしていてあまりケンカしていない。序盤(グドンとツインテールあたり)のイメージが強すぎるのだろうか。西田健も「ドラマに出るといまだに岸田隊員のイメージを求められる」と言っていたけど。…っていうか、太陽と月のたとえがおかしくね? キカイダー01は太陽電池が動力源だけど。
…それにしても、具体的な話が『ゴレンジャー』しかないので(『水戸黄門』も一応そうか)、「本当に見ているのか?」とウスい自分から見ても疑問に思ってしまう。
池田さん本当にありがとうございました。
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