新橋・フォー・ザ・デヴィル。
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今回は『ラジオライフ』6月号掲載の『唐沢俊一のトンデモ都市伝説探偵団』「伝説その6/幻の新橋駅から広がる鉄道伝説」を取り上げる。
本文に入る前に唐沢俊一のプロフィールを見て笑ってしまった。
1958年、北海道生まれ。作家・コラムニスト。2010年6月12日に日本橋劇場(東京都中央区)で開催されるトンデモ本大賞の構成台本書きなう。盛りだくさんすぎる内容をギュッと押し込む。
twitter以外で「なう」を使われるとどうも違和感が。ちなみに「トンデモ本大賞」のチケットは既に買ってありますが、そこでは直接議論をするつもりはありませんので。
では本題。カラサワ探偵長の発言は赤字、少年探偵すばるの発言は青字で表記している。
汽笛一声新橋を〜♪というわけで日本の鉄道の起点、東京都港区にある新橋駅・烏森口に展示されているSLです!
鉄道において「起点」というのは路線の始まりを指す言葉なので、この使い方は不適切。「鉄道発祥の地」などが妥当だろう。
確かに日本の鉄道は1872年に新橋〜横浜間に初めて通じた。だが、実はその時の新橋駅というのは、汐留にあった汐留駅だったのだ。その後、大正時代になってターミナル駅の機能が東京駅に移るとこの駅は貨物車用にしか使われなくなり、近くにあった烏森駅を新橋駅と改称して、元の新橋駅は汐留駅という名前になった
ややこしいなあ。なるほど、それで今の新橋駅には汐留口とか烏森口とかいう名前が残っているんだ
鉄道の歴史の始まりの頃の混乱の名残だな。(後略)
JR新橋駅の改札口には他に日比谷口と銀座口があるが、それも「混乱の名残」なのだろうか。
この後、「新橋駅の地下には幻のホームがある」という話になる。都市伝説としてはわりと定番のものらしい。
(前略)1934年に東京地下鉄道が、1939年に東京高速鉄道が、それぞれ地下鉄を引いて新橋駅を作ったんですよね
そう。その時、先発の東京地下鉄道が、後発の東京高速鉄道に意地悪をして、自分たちの作った駅を使わせなかった。ところが、東京高速鉄道の経営者が会社乗っ取りのプロで“強盗慶太”と異名をとる五島慶太だったからたまらない。怒った五島はすぐに東京地下鉄道の株を買収して両社を統合、東京地下鉄道の駅を使うことにした。そのため、高速鉄道側の駅はたった8か月しか使われない幻の駅となったのだ
この件に関しては、東京高速鉄道が設立される際に東京地下鉄道の経営者である早川徳次との間にトラブルがあったり、早川が反対したにもかかわらず五島慶太が強引に新橋駅への乗り入れを果たそうとしたなどといったさまざまな経緯があるので(詳しくは中村建治『メトロ誕生』を参照)、「意地悪」というのはあまりに短絡的な書き方である。そして、東京高速鉄道と東京地下鉄道は1941年に統合して営団地下鉄となり、五島は経営から離れている(だから、五島が両社を統合したわけではない)。
その後は、新橋駅の話題から離れて鉄道にまつわる都市伝説が取り上げられている。北松戸駅の怪談はいいとしても、チャールズ・ディケンズの『信号手』は都市伝説ではないよなあ。
しかし、この続きがちょっと問題なのだ。
…そうか? あれは「事故」なのか「事件」なのかわからないのが問題なのであって。いま現在、「日本で一番有名な鉄道事故」というと、JR福知山線の脱線事故になってしまうんじゃないかなあ。まだ記憶に新しいところだし。偶然にも今日で事故発生から5年目。
…それにしても、下山事件みたいなさんざん語られている事柄を持ち出されても新鮮味に欠けるというか。もちろん、切り口次第では面白くなるはずなのだが、唐沢俊一は松本清張『日本の黒い霧』にあるGHQ陰謀説や古畑種基の鑑定の話しかしていないので、「それは俺が中学の時に通過した場所だッッ!」と思ってしまった(烈さんはどうしてボクシングなんかやっているのか…)。自分はオクテな方なので早熟な人ならもっと早いかもしれないけれど。
これだけでもう既に精神的にヘナヘナになってしまっているのだが、締めの部分を読んで完全に参ってしまった。
死んでなお、チ●チ●やタ●のことで人がいい争う(原文ママ)事態になるとは、下山総裁も浮かばれないなあ
実際、浮かばれずに、綾瀬駅付近の線路をトボトボ歩いている総裁の幽霊が事件後、目撃されているみたいです
ひょっとして、落としてしまったタ●を探して歩いているのかもしれないぞ…
うーん、怖がった方がいいのか、探偵長の下品さにツッコミを入れた方がいいのか、分からなくなっちゃった!
伏せ字は原文通りだが…、この人は小学生か。そもそも遺体の局部に生活反応があったことが問題になったわけだから睾丸を落としちゃいないだろうに。こんな話は飲み会でやってほしい。横にいたらすかさず帽子をはたき落としますが。
…しかし、鉄道に関係した都市伝説なら他にも面白いものがあると思うけどなあ。トンネルの中で何かが見えたとか飛び込み自殺にまつわる話とか。「オタク第一世代」なら『ウルトラQ』の『あけてくれ!』をネタにするとかね。アラサーの自分は『ウルトラマン80』の『まぼろしの街』推しで。メガギラスじゃなくてメカギラス。
ついでに疑問を書いておく。今回のコラムには「参考文献」が明記されているのだが(たとえば、北松戸駅の怪談は平野威馬雄『お化けの住所録』がモトネタ)、その中に
という本がある。これだけを読めば「そういう単行本があるのだろう」と思うはずなのだが、実はこれは雑誌なのである(レイルホビーズを参照)。正確に書くと、『鉄道ジャーナル』1974年10月号で「日本の心臓 東京の鉄道 第一部」という特集が組まれていて、翌11月号で特集第二部が組まれているというわけである。どうして単行本だと誤解される書き方をしたのか気になるところだ。…よもや実物に当たらずに書いているということもないと信じたいけど。
曲が中断し、ミック・ジャガーが観客に呼びかけている。
ガンズのも。
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