唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

Don't Let It Bring 油断。

『唐沢俊一検証本VOL.1』、通販受付中です。タコシェの店頭でも販売中です。
・『映画秘宝』11月号で『唐沢俊一検証本VOL.1』が紹介されました!


松沢呉一さんからの情報。

唐沢俊一検証本 Vol.1』も動き続けていて、残部は百冊を切ってます。冬コミの際にはVol.2の販売開始とともに、増刷ってことになるのでしょう。そうなれば3刷ですよ。すごいなあ。

 ということは1ヶ月で200冊売れたことになる。お買い上げいただいたみなさん、本当にありがとうございます。コミケで売った分と初版の通販で売った分を合わせると、もうすぐ『博覧強記の仕事術』の実売(500部という噂)を超えるかな。新刊の印刷代もこれでなんとかなるかなあ(どうも当初考えていたよりも多めに刷らないといけないような)。冬コミ(現在当落待ち)には新刊2冊(「検証本」VOL.2、『トンデモ「昭和ニッポン怪人伝」』)と合わせて、新しく刷ったVOL.1も若干数持っていくつもり。もし冬コミに落ちた場合でも新刊を作って年末にはタコシェに置いてもらうことにします。もちろん唐沢俊一にも冬コミで直接手渡しで献本しますよ。なお、タコシェショップから通販で『検証本』を購入される場合には、『エロスの原風景』、『コミックマヴォ』VOL.2も一緒に購入されると送料がお得です。
 

 では本題。『社会派くんがゆく!』最新号で、唐沢俊一唐沢なをきマンガノゲンバ』取材拒否事件についてこんなことを言っている。

唐沢 あれだけ大きい組織になると、ピンキリでいろいろあらあな。某評論家が知ったかぶりの分析をしていたけど、オレに言わせりゃ葦の髄から覗いているだけのいいかげんな感想に過ぎなかった。

 この「某評論家」が誰のことなのか気になるよね。実は唐沢俊一mixiの日記の中でこのことに触れていて、mixi内に、なをきとNHKの例の件について、ある人物が講演でそれについて話していたレポートがあった」としたうえで、その人物をかなり厳しく批判している。さて、この評論家が誰なのかというと…、どうも岡田斗司夫のことらしい。現に岡田斗司夫ロフトプラスワンでの「ひとり夜話」で『マンガノゲンバ』取材拒否事件について語っているのだ(冒険野郎マクガイヤー@はてなを参照)。他にも「彼のシステム論は耳にタコができるほど聞いた」とあるから(そしてその「システム論」をメチャクチャにやっつけている)、やっぱり岡田斗司夫のことなんだろうなあ。まあ、他に『マンガノゲンバ』取材拒否事件について「知ったかぶりの分析」を講演でしていた評論家がいるかもしれないので(ご存知の方はお知らせ下さい)、一応断定は避けておこう。

唐沢 (前略)……ただ言うとね、 NHKに限らず、テレビ各局、不景気のせいで最近、制作体制がタイトになってきてね。普通、ドキュメンタリー番組を作る場合は、とにかくカメラを回して、 その撮りためた素材のフィルムなりテープなりの中からテーマを抽出して構成を考えるものなんだけど、それでは時間がかかりすぎるからって、最初から構成を決め打ちして作るやり方を上から要求されるようになってきたんだ。それが一番、手間と金の節約になるから。なんとなく、テレビ業界不況も今回のトラブルの原因のひとつのような気がする。NHKも国営放送ならではの、時間をかけた作りこみができなくなってきたんだ。これは不況によるシステムの変更の犠牲と言えると思う。

 この「不況が原因」とする分析については、藤岡真さんが当ブログ9月18日のコメント欄で疑問を述べられているので参照していただきたい。「構成を決め打ちして作るやり方」をしたらかえってコストがかかるのではないだろうか。

唐沢 もうひとつ、この件が大ごとになったのは、今、地デジ化推進の流れでNHKも大規模な編成変えが進んできていて、アニメ・マンガ関係のオタク番組を減らしていこうという動きがあるらしい。今回の件についても、NHK内部の上の人間が「ほら見ろ、オタク番組はこういうトラブルがあるから排除すべきだ」と、現場からの要求を抑圧する大義名分を与えるためなんじゃないかって。

 今回の一件が大ごとになったのは唐沢なをき夫人のよしこさんがブログで暴露したからなんだけど、それも「NHK内部の上の人間」のしわざなのだろうか? まあ、唐沢俊一の「ともだち」にNHKでオタク番組を担当している弓削哲矢ディレクターがいるんだけど。

唐沢 ホント、その通りなんだよ。我々の世代も「いい年してくだらないものを」って周囲から散々白い目で見られながら、意地になってこっそりと『ヤマト』とか見てきたからこそ、本当に濃密な思春期を過ごしてきたわけで。

 「自分はヤマトのファンじゃない」って過去に言っていることはどう考えれば。

唐沢 親は選べないんだし、それじゃどんな才能のある人間でも、親がヤクザだというだけで認めてもらえないのかってことになっちゃうもんね。これはネット時代以降に顕著なのかもしれないけど、「こんな汚れた家の人間がまともであるわけがない」とか言い出す奴があまりにも多すぎる。人間捨ててるよね、この言い方は。ものすごい差別思想じゃない。

 ネットではそのような意見が目につくだけであって、「ネット時代」になって「差別思想」が広まったということでもないと思うのだけど。

唐沢 しかしのりピーにしろエリカ様にしろ、ここまで世間から叩かれるってのは凄いね。叩いている奴ら、お前ら彼女たちに何か迷惑かけられたのか、って感じで(笑)。これって、国全体が犯罪や不道徳に対し怒っていて、清廉な精神で結構なことと思えるかも知れないけど、実は全く逆なんだよね。実は怒っている奴らは、単に芸能人たちが、自分たちより恵まれた経済状況にあって、しかも道徳律から自由だということに嫉妬しているに過ぎない。本来なら、もともとドラッグなどと親和性の強い芸能人より、さっきの弁護士会の副会長の事件の方がはるかに問題になってしかるべきなんだ。そこまでシャブが拡散・浸透しているってことなんだから。ところが、そういうところに世間の興味は全くいかない。シャブに限らず、世間に顔を売っているタレントが罪を犯してそれを叩くのが、最も快楽装置として適しているからだよな。叩かれることを仕事と考えりゃ、こりゃ願ってもない宣伝効果だよね。首になったエリカ様にも、いま大手プロダクションからのスカウトが引く手あまただというし、のりピーにも、億単位のギャラでヘアヌードの話が来ているらしい。ある意味、ウハウハじゃね? 結局、怒りをぶつけていくら罵ったって、芸能界じゃそれは人気のバロメーターにしかならんってことよ。


 唐沢俊一は盗用して被害者に迷惑をかけているから酒井法子沢尻エリカ以下なんだろうけど。しかし、毎回毎回「ネットで有名人を叩く連中は嫉妬している」ってよく飽きもせずに言うなあ。唐沢も出版社から「引く手あまた」ならいいんだけどね。

唐沢 たぶん、あれだけ大ヒットを飛ばした成功者であっても、決して幸せではなかったと思うんだ、臼井さんは。だから単なる事故死と括るには、ちょっといろいろ考えちゃうんだよね。でも腹が立つのがさ、事件性はないってニュースであれだけさんざん言ってるのに「下品なマンガ描いているヤツが死んだ。ざまァ。メシがうまい」とか、ニュースのコメント欄に書いてる奴がかなりいたんだよ。普段ならただのバカだってスルーしたいところだけど、このときばかりは本当に嫌な気分になった。


村崎 そりゃ、人々がストレス解消で2ちゃんに鬼畜コメント書き込む心境と同じで、人間が何かの事象に反応する思考過程において、刹那的に思い浮かぶ断片的な感想の一部を脊髄反射で書いてるだけでしょ。ストレスをかかえて生きる現代人なら、むしろ健全な「精神の排泄浄化行為」なんじゃないの?


唐沢 そうなんだけど、“人が心に思うことは止められない”ってのは本音としてよくわかるよ。でもその思ったことを、こうもあけすけに表明できる神経って何なんだ。匿名なら何だって言えるし、言論の自由が保証されているんだから、何言ってもいいとでも思ってるのか(まあ、オレたちはそういう人間の本音のパターンを実名でなぞることで原稿料もらっているわけなんだが……)。

 この流れは面白い。だって、「鬼畜」であるはずの唐沢俊一がネット上の意見に対して「何言ってもいいとでも思ってるのか」と嘆いているんだもの。初期の『社会派くん』なら「ネット住人はいい子だねえ」とかからかって、より過激なことを言っていたと思うんだけど。そりゃ、村崎百郎にたしなめられるのも当然だし、正直なところ「お前が言うな」としか思えない。
 ただ、ネットの意見を嘆いている割りには臼井儀人のことを「決して幸せではなかったと思うんだ」と決め付けている唐沢俊一は、もしかすると臼井儀人の死を「メシウマ」と言っている奴よりタチが悪いのかもしれない。そういえば、あれだけプッシュしていた『オトナ帝国の逆襲』にも触れていない。

唐沢 だから、さっきの書き込みした人間も、一瞬、そういう人間として言ってはいけない垣根を超えて「メシウマ」とか書き込んでしまう油断、ってことかな。山とネットは気をつけないとな。……しかし、山登りする人たち見てると、少し安易な人が多いんじゃないかと心配にはなる。そういう神話的な残酷さも含めて、これはたまたま被害に遭ったのが人気漫画家だったというだけで、山登りが好きな人なら誰でもこういう目に遭う危険性は高いんだよ。

 唐沢俊一はネットに気をつけるべき。当方も検証しながら「少し安易な人」だと思っていつも心配してます。…いや、少しどころじゃないな。

唐沢 その神様の立場にはなりたくないよねえ。でも、犯された彼女も、基本的にはいまはポランスキーを許しているんだよ。トラウマにはなったけど、彼の映画はいまでも見たりするって。

 被害者のサマンサ・ゲイマーは「事件のことを忘れたい」と言っているのであって、ロマン・ポランスキーのことを許しているわけじゃない(詳しくはAFPBBニュースを参照)。

唐沢 ネットでつるんだって、自殺サイトを流行らせたり有名タレントのブログを炎上させたり、ロクなことにならないんだからね。中には良好な結びつきが生まれる場合もあるけど、ネット上のつながりの大方はロクな関係じゃないから。ネットだってケータイだって、仮に中性子爆弾が一個でも落ちたらまったく使えなくなるくらい、脆いものなんだし。

 ニフティの会議室で議長をやっていて訴えられた唐沢俊一はともかくとして、自分はブログを始めて「良好な結びつき」を得られたと思っている。しかし、ネットでつるんで失敗した人より現実でつるんで失敗した人の方が全然多いと思うんだけどなあ。唐沢俊一も自分と直接話したいならいつでも連絡をとってください。
 あと、なぜ「中性子爆弾」? そりゃあ、死んじゃえばネットもケータイも使えませんが。電獣ヴァヴェリが現れても使えなくなるんだろうけど。

村崎 いくらワープロソフトやイラストソフトが普及したところで、基本的に紙と鉛筆だけで何も描けないような奴は何も生み出せないってのと一緒で、ネットの空気ばっかり読んで他人の尻馬に乗らなきゃ何も発言できないようでは、見込み無しってこと。いま必要なのは、安易につながりを求めることより、必要とあらばいつでもつながりを断ち切ることのできる、自立した強い意志を育てようとする勇気だよ。


唐沢 だから現代人は、少しずつ自分の身の回りの情報網やネットワークを絶っていって、孤独になって自分を見直すための準備をすべきなんじゃないかな。そういう意味では語弊があるかもしれないけど、臼井さんの死に方ってのは、ある意味、カッコいい死に方だったと思うぜ。改めて冥福をお祈りしよう。

 不慮の事故死を「カッコいい死に方」と言うのは語弊がありすぎる。「何言ってもいいとでも思ってるのか」と言いたくなる。だいたい、知り合いに「演劇をやめて本業に打ち込め」と忠告されたのにそれを聞かなかった唐沢に孤独になることができるとは思えないし、唐沢の盗用をマトモに突っ込めないままズルズルと対談の連載を続けている村崎百郎は「つながりを断ち切る」ことができてないではないか。最後の最後でアイスラッガー並みの強力なブーメランを投げなくても。


 …自分としては指摘できるだけやってみたので、みなさんも『社会派くん』本文を読んで気づいた点があれば突っ込んでみてください。

アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ <SHM-CD>

アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ

キーホルダー アイスラッガー

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