唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

虹のレシピにも著作権はある?

 カラオケで『アカツキの詩』を歌ったら、PVが流れるバージョンだったので、歌いながら涙ぐんでしまった。『アイアン・ジャイアント』っぽいロボは卑怯だって…。


きっこのブログに紹介していただきました。ありがとうございます。

数々の盗作疑惑が取りざたされている唐沢俊一氏(51)が、6月18日(木)19時からジュンク堂書店池袋本店で「オタクは大人になってからがおもしろい」というトークセッションを開催するが、1年以上、唐沢氏の盗作疑惑について詳細な検証を行なって来た「唐沢俊一検証blog」の運営者であるA氏がこのトークセッションに一般参加し、唐沢氏本人にこれまでの盗作について公開質問することが分かった。唐沢氏はこれまでにインターネット上の個人ブログやメルマガのエントリーを丸ごと書き写したような書籍を何冊も刊行し、該当ブログの運営者らと何度も問題を起こして来たが、その都度うやむやにして来た経緯がある。今回、多くの関係者がいる場で、これまでの唐沢氏の行為をこと細かに検証して来たA氏が公開質問することで、唐沢氏の本性が白日のもとに晒されることは必至であろう。インターネット上の著作権の問題も含め、A氏には多くのブロガーからの期待が寄せられている。(2009年5月30日)

…さすがに煽るのが上手いなあ。「A氏」もビックリ(星新一ショートショートの主人公みたいだ)。自分で蒔いた種とはいえ、事が重大になってきたので多少ビクビクしてきたのも事実だが、「いつまでも動揺していられないわよ」と平然さを装いつつ手にしたティーカップをカチャカチャいわせてます。トークセッションから帰るときに転んでパンツを見られたりしないか心配だ。…そういえば、中学のときに「縞パン」を穿いているのがバレて同級生にからかわれたことがあるな。俺は早すぎた萌えキャラだったのか。最近は律っちゃん隊員が気になりますが。
 脱線がひどくなってきたので話を戻すと、「見えない道場本舗」さんにも取り上げていただきました。ありがとうございます。

もちろん、「フラット革命」とは平ら、平等という意味なので、これは唐沢俊一氏にとってもチャンスのひとつ。さまざまな批判にこの場で明快に回答すれば、なるほどという納得も支持も得られるだろう。本の通りならば唐沢氏はけっこう、こういうハプニングを面白がって歓迎するタイプ、なのかもしれないし。

 まさに仰る通りで、唐沢俊一もちゃんと説明してみせればいいのだ。逆に自分にとっても唐沢に直接会いに行くのはリスクが伴う行為なんだけど(たとえば、俺以外の39人の客が全員唐沢俊一シンパだったりして)、それでも検証に役立つ可能性が、新しい情報が得られる可能性があれば賭けてみる価値は十分にあると思う次第。直接話をしたらそれで決着してしまうほど簡単な話でもないしね。お互い気楽にやりましょう


・では本題。『昭和ニッポン怪人伝』の検証が残り1章なのだが、konozamaを喰らって必要な資料が届かないので、やむなく後回しにして『オタク論2!』(創出版)の検証に入ることにする。トークセッションに向けての予習にもなるしね。今回は第1章「コミケで儲ける人たち」を取り上げる。コミックマーケットの規模が大きくなってきて、税金や著作権などの問題が目立ち始めたことについて唐沢俊一岡田斗司夫が話をしている。この対談の中で岡田斗司夫はいくつかのアイディアを提案している。なお、今回は岡田の発言を青字、唐沢の発言を赤字で表記している。P.14より。

 ずっと前から思ってたんですけど、コミケで払うお金は全部「地域通貨」に換えるといいと思うんですよ。例えば通貨単位を「コミック」とすることにして、コミケに来る人はその「コミック」に換金しないと同人誌を買えないんです。そうするとコミケット準備会をお金が通りますから、そこから5%を強制的に徴用して供託金として持っておく。そこでコミック著作権協会というのを立ち上げて、その供託金を預けておくんです。
 コミケを1回やるごとに5%の供託金を貯めれば、10年くらいで10億以上貯まる。そしたらどんな政治家でも動きますよ。政治家を動かして、著作権の解釈の隅っこを変えるだけでいいんです。それは何かというと許諾権です。そうすれば、パロディを描かれた作家にも、少なくとも金銭的な保証はできる。厳密に著作権を適応して(原文ママ)、「自分の作品の一切の改変を認めない」とされてしまったら、作品は死んじゃいますよ。

 当ブログの中の人は経済に弱いのだが、それでもいくつか気になる点がある。第一にどうやって換金するのかコミケには毎回何十万という人が来るわけだが、当日会場で換金するとしたらとんでもないことになるのは容易に想像がつく。かといって事前に換金するのも難しそうだ。コミケ準備会は作業に追われてパンクしないだろうか。…suicaみたいなICカードを作ったらいいのかな。第二にコミケには二次創作だけでなく創作系や評論系のサークルも参加しているわけだが、それらのサークルの同人誌(ソフト)を買うための換金でも5%を徴収されるのだろうか。第三に「著作権の解釈の隅っこを変える」→「許諾権」→「金銭的な保証」の流れがよくわからない。著作権者に対して供託金から使用料を出す代わりに二次創作を認めさせるということなのだとすると、著作権者の許諾に制限を加えるということを意味しているのだろうか。もう少し説明がほしいところだ。…しかし、政治家を動かすのなら法解釈を変えるよりも著作権法そのものを改正した方がいいのでは。

もうひとつ岡田斗司夫のアイディア。P.17より。

 JASRACという音楽業界の権利団体があるんだから、僕らがやるべきは、日本画著作権協会と日本映像著作権協会を早めに作ることですね。画像の引用は1分につき何円、物語のフォーマットを流用したら一律何%、フォーマットに加え物語の絵まで流用したら何%、という感じで、地域通貨などのシステムによってお金を集めないとダメですね。

 地域通貨好きだなあ。いや、この場合は地域通貨は別に要らないんじゃ。…それにしても、岡田斗司夫はMAD動画を作るときには使用料を取るようにしよう、と言っているわけだけど、この意見を聞いたら山本弘会長はどのように思うのだろう(詳しくは1月29日の記事を参照)。それに角川グループがMAD動画を公認することもあるのはよく知られている(詳しくは日刊サイゾーを参照)。それからITmediaNewsも参照。結局のところ、岡田斗司夫は「著作権者に対して金銭面のケアをできれば問題は解決できる」という発想をしているようなのだが、それだけでは問題は解決できないのではないか。まあ、著作権の問題はなかなか難しいけど面白い。

 あと、唐沢俊一著作権について語っているのがいちいち笑える。P.14〜15より。

 『ドラえもん』のパロディは何が問題だったのかというと、あの作品が非常に優れていたことですよね。はっきり言って、藤子・F・不二雄先生が最終回を描いても、ここまで感動的にはならなかったんじゃないかというくらい、優れていた。もちろんやったことは悪質ですよ。てんとう虫コミックスとそっくりに作ってあるので、読者に勘違いを起こさせるかもしれない。でもあの作品に関して擁護の声が大きかったのは、作品の質が極めて高度なものだったからですよね。

悪質wwwww
 思わず草を生やしてしまったじゃないか。唐沢俊一と『ドラえもん』最終回の同人誌とは「悪質」さはまるで違う。フジ隊員を巨大化させるのとマンダリン草を使うのと同じくらい違う。唐沢俊一なら「卑怯もラッキョウもあるものか!」って言いそう。…桜井浩子さんが巨大フジ隊員の話を本気で嫌がっていたのは面白かったなあ(詳しくは2008年10月23日の記事を参照)。

P.20より。

 技術の飛躍的な進歩が、すでに同人を同人の影響レベルに留めておかないんですね。ネットで今や、どんな作品でも手元で自由に見られるようになりつつある。いったんそういう利便性を手にしてしまうと、その利便性を手放すことは不可能ですよ。オタクにとって、著作権問題というのはこれからの20年を生き延びられるか、という切実な問題なのです。今から現実的に考えておかないと。

 この対談は『創』2007年5月号に掲載されているが、この直後に『新・UFO入門』の盗用が発覚していることを考えると何とも味わい深い。「現実的に考えて」いればよかったのに。ネットの「利便性」のおかげで盗用癖が身についてしまったのだろうし。

 唐沢に比べると、岡田斗司夫は具体的な提案をしているだけまだマシだったのだが、しかしそれをブチ壊すようなことを言ってしまっている。P.17より。

 それでいうと森進一の「おふくろさん」騒動も、川内康範の主張はわかるけど、これも文化の死を招くと思いますよ。騒動を取り上げているワイドショーを見ていると、法律的には川内康範さんの言うとおりなんだろうけど、視聴者の心情的には「森進一が、どうにか『おふくろさん』をまた歌えるようにならないんでしょうか」という反応ですよね。国民感情として、著作権というものに対しては、いい加減むかっ腹が立っているんですよ。モノを作る人間の特権意識が強すぎる。権利を流通させないとダメなんですよね。

…えっ?
 一体どこの誰が著作権に対してむかっ腹を立てているんだろう。『おふくろさん』騒動のときに、「川内康範著作権をふりかざしてけしからん!」って怒っている人なんていたっけ?「森進一が、どうにか『おふくろさん』をまた歌えるようにならないんでしょうか」というのは、二人が仲直りして話をうまくまとめてほしい、という人情の問題であって、川内康範著作権を制限しろ、という意味ではないだろう。
 それに「著作権」というのは、モノを作った人間が有する当然の権利であって、それを「モノを作る人間の特権意識」と感じるのはクリエイターをナメてかかっているのか、もしくはコンプレックスがあるのではないか。岡田も唐沢も著作権を厳格に運用すると文化的にマイナスだという点で一致しているが、本当に「文化の死を招く」のは権利をないがしろにする人間である。他人の著作に敬意を払わず、無断で写し取り我が物にしようとする人間こそが文化を衰退させるのである。…しかし、本当にビックリしたのは次の発言である。P.19より。

 よく僕が例として話すのは、料理のレシピなんです。レシピというものに著作権が認められていないからこそ、料理業界はものすごく進歩するわけです。だから美味しい物がどんどん生まれる。

 ホタテと大根のサラダだって、どこかの婦人誌に主婦が投稿したのが最初でしょう。それがあっという間全国に広がって、居酒屋や家庭料理の定番になった。もしホタテと大根のサラダに特許がついてたら、僕らはそれに特許料を払えませんよ。筑前煮にも、豚骨スープにも払えない。

…えーっ?!
 いや、本当にビックリした。これがレコーディング・ダイエットに「著作権」があると主張して「いいめもダイエット」を閉鎖に追い込んだ人間の言うことなんだろうか?料理のレシピに著作権がないのなら、ダイエットの方法にだって著作権は認められないだろう。言ってることとやってることが違いすぎるよ。…ふだん、他者の権利を尊重していない人間が、いざ自分が権利者になると、その権利を必要以上にふりかざす。そういうことなのだろうか。どうしてこんな矛盾したことを平気でできるのだろう?不思議でならない。


 唐沢俊一が『オタク論2!』のトークイベントを行うことが不思議でならなかった。なぜなら、『オタク論2!』の中には『新・UFO入門』盗用事件の話が出てくるので、イベントを開けばこの件が質問になることは当然想定できたはずだからだ。…もしかすると、唐沢は岡田斗司夫と一緒にイベントをすれば大丈夫だろう、と考えていたのかもしれない。だとしたら、唐沢にとって岡田の欠席は非常に残念なことだろう。しかし、それは同時に自分(kensyouhan)にとっても残念なことである。なぜなら、岡田がイベントに来ていれば「いいめもダイエット」の件について質問したかったからだ。そして、岡田にとってもイベントを欠席するのは残念なはずである。イベントに来て自分の質問に答えていたのなら、「いいめもダイエット」について弁明することもできたはずなのだから。そうすれば、今、自分が岡田に対して抱いている「恥知らず」というイメージを払拭することもできたのに。きつい言い方をしているのはわかっているけど、正直なところ今はそうとしか思えない。


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