『機動戦士ガンダム ジ オリジン 画集 』の解説を唐沢俊一が担当?
書店で本のオビに書かれたコメントを見て「どうしてこの人が?」と思ったことがみなさんにもあるかと思う。個人的には『ウォッチメン』(小学館集英社プロダクション)のオビを岡田斗司夫が書いていたことに首を捻ってしまった。岡田氏ってアメコミに詳しかったっけ?岡田氏のブログを読む限りでは、熱意は感じられるものの、それにしたって、
「日本のコミックは世界イチ」と浮かれるなかれ。
とんでもない黒船がやってきた。
世界一のSFコミックに戦慄した!
というのはちょっとなあ。『怪体新書』の「いばっちゃいけない」みたいだ(詳しくは3月2日の記事を参照)。
「裏モノ日記」3月23日より。
某社から電話、安彦良和氏の画集に解説を書いて欲しいという
依頼。ガンダムの画集らしい。
「私にガンダムアートの解説を?」
と、ちょっと畑違いでは、と言いかけたが、安彦先生ご自身の
お名指しだとかで、ガンダムに限定せず、紙芝居など、大衆アートの
流れが少年雑誌の口絵、プラモデルのボックスアートにつながり、
小松崎茂などの兵器画から、安彦良和のアニメ画にバトンタッチ
された、その歴史を概観してほしい、ということ。
なるほど、そういう趣旨なら私の縄張うちである、と思い、
引き受ける。
この画集というのは『機動戦士ガンダム ジ オリジン 画集』(角川グループパブリッシング )のことだろう。
唐沢俊一ウォッチメンとしては驚きの事態である。なぜなら、唐沢俊一は過去に「ぴあ」の投稿欄で『機動戦士ガンダム』をこっぴどく批判し、自分自身もそのことを誇っていたからである(詳しくは2008年11月18日の記事を参照)。それに加えて唐沢はプロになってから『ガンダム』についてまともな文章を書いたことがないはずである。「畑違い」どころじゃない。それに『ガンダム』以外の安彦良和の仕事にも関心があるのかどうか。ただ、冷静に考えてみれば、唐沢は振られた仕事はなんでもやる人みたいなので、こういう事態は大いに有り得ることだった、とも言える。そこそこ仕事をこなしている『ゴジラ』や『ウルトラマン』だってそんなに好きなわけじゃないようだし、けなしまくっていた『新世紀エヴァンゲリオン』についても『BSアニメ夜話』で語っていたりもする(そんなに大したことを言ってないけど)。…というか「ガンダム論争」って全然知られていなかったんだなあ。だって、論争が有名だったら安彦良和も編集者も解説を頼んだりしないもんね。
…しかし、この解説こそ岡田斗司夫に依頼すべきなんじゃないか?と思う。あの人は『ガンダム』ファンだしプラモデルも好きだから、少なくとも唐沢よりは適任であろう。まあ、岡田氏でなくても『ガンダム』やプラモデルについてはものすごいマニアが結構な数でいるんだけど、そういう人たちが見れば濃いか薄いかというのは一発で分かってしまうのに、よく仕事を引き受けるなあと唐沢の度胸のよさに感心させられてしまう。大丈夫だろうか、そんなに簡単に引き受けて。
まあ、『ガンダム』が好きでなかったとしても見事な解説を書いてガノタのみなさんを納得させてくれればいいんだけどね。できれば「ガンダム論争」のことにも触れて欲しいな。
※追記 名無しさんのご指摘を受けたが、岡田斗司夫氏は第3回手塚治虫文化賞で『ウォッチメン』を推薦していたので、それで今回コメントを依頼されたのかもしれない。
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