唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

バー厨のよろめき。

「バー厨」も「アンチ唐沢」も実在するんだろうか。

 3月11日の記事で取り上げた大内明日香若桜木虔『すべてのオタクは小説家になれる!』(イーグルパブリシング)は、2008年12月19日に発売されているが、それから11日後の冬コミで大内女史は『すべてのオタクは小説家になれる!』と前作の『マンガを読んで小説家になろう』(アスペクト)の特別版を新刊として販売している(現在も通信販売で入手できる)。「わずか2週間足らずで商業出版されたものを同人誌として出すのはどうなのか?」と唐沢俊一スレッド@2ちゃんねる一般書籍板でもちょっとした話題になっていた。

 そこで、問題の特別版を入手して読んでみた。結論から先に書くと、特別版には、ネイキッドロフトで2006年10月9日に行われた「マンガを読んで小説家になろう!」と2006年11月9日に行われた「すべてのオタクは小説家になれる!」というイベントの模様がそのまま収録されている。このイベントで大内女史と若桜木氏が話していたことを文章に直したのが『すべてのオタクは小説家になれる!』単行本だったというわけである。…対談をそのまま文章に直していたから『すべてのオタクは小説家になれる』単行本の内容が粗かったということなのだろう(大内女史と若桜木氏の担当している部分が不明確だったのもそのせいだ)。まあ、単行本と特別版の内容にほとんど違いはないのだが、特別版には商業版制作日誌が収められているほか、会話がそのまま活字になっているので大内女史の人柄がよくわかって面白い。それに単行本ではカットされた部分もそのまま載っていてこれもなかなか面白い。中でも大内女史と唐沢俊一が知り合ったきっかけがわかったのは「唐沢俊一検証blog」としてはありがたかった。特別版P.42より。

 そんなわけで、ターゲットに接近する第一段階は、手紙、もしくはメールで、ターゲットが不愉快にならないようなファンレターを出す。実は私は岡田斗司夫さんと唐沢俊一さんとはミクシィで知り合ってるんですね。
 唐沢さんに初めて出したメールっていうのをきょう持ってこようかなと思ったんですけど、やめました。あまりにも、バカバカしいファンレターなんですよ。
 私の記憶によると、「唐沢俊一さま、はじめまして、いつもTVや書籍、雑誌などでお目にかかっております。我が家では母と娘が唐沢先生のファンで、TVを見ると、娘などはとても喜んでおります。どうぞこれからもがんばってください、さようなら」(会場笑)
(中略)
実は、岡田さんに打ったメッセージもほとんどおなじです。ここでばらしちゃいますと、岡田さんに「岡田さん、ファンです、アニメもいっぱい見てます。これからもがんばってください、さようなら」みたいな感じです。
 それでお返事をいただいたんですけども、なぜお返事をいただけたかというと、まずメールの文面が気持ち悪かったことというのは最低条件として、私の日記が面白かったのではないか、と思います。出したメールがミクシィメッセージだったんで、そのあとお二人とも私の日記を見にきてます。私の日記がすごく面白いかどうかは別にして、この場合、私を知る重要な材料であったことは間違いありません。

というわけで、ブログやミクシィでの日記を面白くしなければダメだと力説しているのだが、大内女史といえば、ブログを始めては放置する癖があるのだが…。あと、唐沢俊一の名前が出てくる部分で言えば、P.51。

 たとえば、オタクというのを客観的に見て、意識して、ごはんが食べられる人といったら、さっき名前の出た岡田斗司夫さんとか、唐沢俊一さんとか、庵野秀明さんとか、村上隆さんとか、意識して語れる人ですよね。つまり、計算高い人が残るわけですね。

本当に計算高い人間は盗用なんかしない伊藤剛さんと冬コミでお会いしたときに、伊藤さんは唐沢俊一について「どこまでならやっても大丈夫か考えてやっている」と仰っておられたが、自分はそれを聞いていて「小悪党のやりくちだなあ」と思ったものだが。唐沢俊一本人も自分自身を計算高いと思っているかもしれないが、「唐沢俊一検証blog」でイジられるような人間は「天然」であろう。「天然」の部分を押し出していけば新たな分野に進出できるかもしれないので、当ブログも唐沢の新たな魅力を引き出せるように頑張っていきたいものである。

 そのほか、特別版で面白かった部分。P.45より。

大内 では仮に、作家、直木賞クラスの作家にしましょうか。直木賞クラスの作家と仲良くなるのはけっこう簡単ですよね。
若桜 そういう接触をする人が多すぎて、嫌われるということはありますよね。
大内 なるほど。ますますハードルが高くなって、よろしいです。勉強になるでしょうね。
若桜 直木賞を受賞した直後の人はものすごく忙しいから、接触できないですね、だいたい。
大内 なるほど。そこをなんとかしようと思うのが、師匠探しのいいところであって……。
(中略)
若桜 だから、「この人は直木賞を獲りそうだなぁ」と思ったら早めに声をかけておくことですね。
大内 それは名案ですね。

…コント?結局、直木賞クラスの作家と仲良くなる方法を説明できてないし。それに大内女史は前回の直木賞の受賞者を忘れてしまっているんだが(特別版P.54)。…どうしてこういう人が小説家入門のイベントをやったり単行本を出しているんだろう。P.47〜48より。

 小説家が大学教授を兼ねていることはけっこう多いのですが、その場合はわりと接触するのは楽です。講演会なり、授業にこっそりもぐりこんで、「あなたの授業が受けたくて来た、大内明日香と申します」って言って、それでオチない教授は相当性格が悪いか、そもそも人に興味がない人です。
 だいたい、大学教授をやってる方だったら、不勉強な生徒を山ほど見てるんですよ。私も専門学校の先生をしているからわかります。そんな不勉強な生徒を見てて、その上で「あなたの授業が聞きたくて」という殺し文句を言われたら、大概の教授はメロメロになってしまうわけですね。

大学の先生をナメすぎだろう。最近では中央大学の教授が学内で殺害される事件もあったから、相当身辺には気をつけているだろうし。P.54より。

 ちなみに、講演というのはなかなかおいしい、作家になったらみなさんは、大きい賞を獲れば、講演というのは結構話が来ますので、それを副収入とするのがいいかと思います。

いや、小説家志望者にそんな話をしてどうするんだ。P.38より。

 私はねえ、自慢じゃありませんが、師匠はいっぱいいますよ(笑)。だから、師匠探しというのは、非常にいいところがあるというのは、よく知ってます。とりあえず、偉い人にはくっつく。これ、大事です(笑)。

…そういうのを「師匠」というんだろうか?唐沢俊一杉本五郎や平山亨を自分の「師匠」だと言ってるけど。


…自らの著書が商業出版物として発売された直後に、内容が良く似通ったものを同人誌として発行することの是非については、出版業界の慣行をよく知らない自分としては判断を控えたい。著作権法上では問題にならないだろうし(あ、でも若桜木氏の許可はどうなっているんだろう?)。ただ、それとは別にネイキッドロフトでの「すべてのオタクは小説家になれる!」のイベントで『機動戦士ガンダム』や『ヤッターマン』のビデオが上映されているのだが、上映に当たってちゃんと許可を取っているのだろうか?無許可で有料イベントで上映を行っていたとしたら、著作権法に違反することになるのだが。司馬遼太郎の朗読イベントの件(詳しくは2008年11年17日の記事を参照)もあるので、気になるところである。

美徳のよろめき (新潮文庫)

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すべてのオタクは小説家になれる!

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