もう少しちゃんと考えとこっか。
唐沢俊一・ソルボンヌK子『カルトの泉』(ミリオン出版)P.73
しかし、と翻って思えば、国家などという存在の根拠もまた、カルトなのかもしれない。ヨーロッパ各国の国歌の歌詞には、周囲の敵を倒せ、その血を踏み越えていけ、などというものが数多くある。ナチス・ドイツの領袖ヒトラーは、弱体であったナチスへの国民の信奉を、ユダヤ人という仮想敵を呈示することで、見事にひとつにまとめてしまった。
「国歌の歌詞と日本語訳」というサイトで見る限り、「周囲の敵を倒せ、その血を踏み越えていけ」という意味の歌詞が含まれたヨーロッパの国歌はほとんどないようなのだが。「敵」という歌詞が出てくる国歌はウェールズ・ウクライナ・UK・フランス・ポーランド・ルーマニアくらいである。そもそも、国家が何かを敵視していることだけをもって「国家などという存在の根拠もまた、カルトなのかもしれない」ということは出来ないと思うのだけれど。
- 作者: 唐沢俊一,ソルボンヌ K子
- 出版社/メーカー: ミリオン出版
- 発売日: 2008/11/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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