唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

la〜a tale of pakuries.

 記憶力に問題があるために盗用を繰り返してしまう男の物語

 
 町山智浩さんの後追いになるけど、面白いから当ブログでも取り上げてみよう(昨日は唐沢俊一スレッド@2ちゃんねる一般書籍板もこの話題で持ちきりだった)。

『社会派くんがゆく!』vol.82より。

唐沢 しかし逆に言うと、向こうにとっては、それだけの大物だったってことだよね。今、ロサンザルスの略称は「LA」ってことになっているけど、あれ、「ロス」っていう略称が“ロス疑惑”を髣髴させて悪いイメージを与えるってことで、観光局が新しく作った略称なんだってね。つまり、三浦和義ってのは、一国の大都市の略称まで変えさせるほどの超大物だったんだ(笑)。

goo辞書屋ーっ!!」
「毎度〜」

LA
【郵】Louisiana; Los Angeles.

ウィキペディ屋ーっ!!」
「毎度〜」

英語とスペイン語では、LA(英語: エル・エイ、スペイン語: エレ・ア)と略される

…というわけで、辞書にもウィキペディアにも一般的な略称としてちゃんと載っているんだが、「LA」。しかも、ウィキペディアにはこのようなくだりもある。

なお、ロサンゼルス観光局は、「ロス」という略称は「ロス暴動」や「ロス疑惑」などの事件や犯罪に絡んだ悪いイメージを連想させるため、LAという略称を代わりに広めようと日本人観光客の誘致を強化の一環としてイメージアップ作戦を展開している。

 そうだよ!ロス疑惑」の後で「ロス暴動」もあったじゃないか。なんだって、三浦和義がロサンゼルスの略称を変えたことになってるんだ?おそらく、唐沢俊一は2005年2月3日の日経新聞の記事をどこかで読んでうろ覚えで語っているんだろう(元の記事が見られないのでここから孫引き)。

★LA観光局が日本人観光客誘致へ「ロス」追放運動

 ロサンゼルスを「ロス」とは呼ばないで――。日本人観光客の誘致を強化している
米ロサンゼルス観光局が、日本向けにこんなイメージアップ作戦を展開している。
ロサンゼルスは、米本土の都市の中で日本人観光客数トップ。お金を多く落とす
日本人は地元経済への影響も大きい。だがここ数年は同時テロやイラク戦争などの
影響で日本人の数が激減。昨年ようやく回復したが、全盛期にはほど遠い。

 そこで観光局は今年、「初めて消費者向け広告の予算を計上」(広報)し、
日本人の誘致に本腰を入れ始めた。手始めに3月、東京と大阪の地下鉄駅構内に
ポスターを張り出し、主要な女性誌にPR記事を掲載する。「ロス」追放運動も
その一環。
 日本では「ロス」という呼び方が定着しているが、観光局によると「ロス」は
ロス疑惑」や「ロス暴動」を連想させ、イメージが悪い。代わりに広めようと
しているのが「LA(エル・エー)」という呼び方。もともと米国ではLAが一般的

 最後の一節に注目。どうしてここをすっとばすのかね。ちゃんと考えてみれば、「LA」という略称は「ロス疑惑」以前からあることに気づくはずなのに。「UCLA」って知らないか?それから日本でも「ロス疑惑」以前に「LA」の略称は使われていた「POPEYE」1979年6月25日号より。

1979年6月25日号 ポパイ探検隊シリーズ(5) 一冊まるごと ロサンジェルス 大好き特集!

出版社/ 平凡出版

LAの軽薄カルチャーがボクらをウキウキさせるのは一体どういう訳だ/ L.A. The City of Dreams/ ロサンジェルスおもしろスポット大特集 etc

 唐沢俊一も当時「POPEYE」を読んでいればよかったのにね。「雑学王」ならもっといろんなジャンルに手を出したほうがいいよ。
 それにしても、唐沢俊一って本当に物事を比較対照して検討することのできない人なんだなあと思う。だって、ロサンゼルスが三浦和義のせいで「LA」と呼ばれるようになったとしたら、ニューヨークはどうして「NY」なんだ?「NY」が頭にあれば、アメリカでは都市名をそのように略することがあるんだと気づくはずなんだけど。あと、サンフランシスコを「SF」と略するとか。余談だけど、自分は小学生のときに(「ロス疑惑」の少し後かな)野球の本を読んでいて「SFジャイアンツ」というチームを見つけて、「なんだか未来っぽいチームだなあ」と思ったのを覚えている。…そのまますぎてすみません。でも、アストロ球団と戦ったら面白そうだけどね、「SFジャイアンツ」。「クローン長嶋」とか「メカゴジラ松井」とか出てきそうだ。まあ、結論としては、唐沢俊一えるえー勘違いをしていたってことだね(今回の記事の没タイトル)。そういえば昔「PRIDE」に出てたLAジャイアントって今何してるんだろう。

 今回の『社会派くんがゆく!』の他の見所としては、『宇宙戦艦ヤマト』のノベライズの話になぜか食いつかない自称『ヤマト』ファンの唐沢俊一とか(その理由はおそらくこれ)。春風亭小朝を「現役の落語家のなかで唯一人、“落語という文化を21世紀に生き延びさせる手段”を真剣に考えている人間」と評価する半可通ぶりとか(じゃあ、唐沢が仲良くしている落語家は違うのか?)。なんであんなに海老名香葉子を批判するんだろう。

 それにしても、町山智浩さんが唐沢俊一を批判する理由が分かったのは面白かった。

……こんな男の妄言を出版し、物書きとして生活させてしまった編集者たちは社会的責任を取るべきじゃないの?

かくいうオイラも『トンデモ本の世界』を編集して、ベストセラーにしてしまった。

唐沢は短い原稿を一本しか書いてないが、その後「トンデモ」を売りにして生活していった。

だから、このネズミ男がウソを撒き散らしている現状にオイラもちっとは責任を感じてるよ。

だから責任取って、ウソとパクリの自称雑学王を信じてしまった哀れな読者のために、その目を開こうとしてしてるわけよ

 なるほど。責任を感じているのか…(しかし、このリストによれば唐沢俊一は『トンデモ本の世界』で原稿を書いてないようなのだが。自分も読んだ覚えがない)。唐沢俊一「と学会」と関係のない「トンデモ」とタイトルについた本を7冊も出しているから、確かに「トンデモ」を売りにしてしまっている。

まったく、ムジャヒディーンに武器を送ってタリバンを育てちゃって後悔しているアメリカみたいな気分だね。

 名言!しかし、町山さんや藤岡真さんには唐沢を追及する動機がしっかりあるけど、自分はそんな動機がまったくないからなあ。それなのに直接会いに行ったりしている(詳しくは10月23日の記事を参照)から、唐沢にしてみれば気味が悪いかもしれない。まあ、『ダークナイト』のジョーカーがたまたま検証をしているようなものだと思ってくれれば。怪人パクラー冬コミでまた逢えればいいんだけど。
 なお、この記事を書くに当たって、2ちゃん唐沢スレのレスを参考にさせていただきました。ありがとうございます。

230 名前:無名草子さん[] 投稿日:2008/11/11(火) 00:11:28
>>226
それは俺も思った。
70-80年代の『POPEYE』で「L.A.」という略称はよく目にした。

http://www.walnutbooks.net/product/286
>1979年6月25日号 ポパイ探検隊シリーズ(5) 一冊まるごと ロサンジェルス 大好き特集!
>出版社/ 平凡出版
>LAの軽薄カルチャーがボクらをウキウキさせるのは一体どういう訳だ/
>L.A. The City of Dreams/ ロサンジェルスおもしろスポット大特集 etc

257 名前:無名草子さん[] 投稿日:2008/11/11(火) 12:03:49
唐沢の元ネタはこれ。

1 名前:Beko ◆NEWS9yPSk2 @☆ばぐ太☆φ ★:05/02/03 15:51:11 ID:???
★LA観光局が日本人観光客誘致へ「ロス」追放運動

 ロサンゼルスを「ロス」とは呼ばないで――。日本人観光客の誘致を強化している
米ロサンゼルス観光局が、日本向けにこんなイメージアップ作戦を展開している。
ロサンゼルスは、米本土の都市の中で日本人観光客数トップ。お金を多く落とす
日本人は地元経済への影響も大きい。だがここ数年は同時テロやイラク戦争などの
影響で日本人の数が激減。昨年ようやく回復したが、全盛期にはほど遠い。

 そこで観光局は今年、「初めて消費者向け広告の予算を計上」(広報)し、
日本人の誘致に本腰を入れ始めた。手始めに3月、東京と大阪の地下鉄駅構内に
ポスターを張り出し、主要な女性誌にPR記事を掲載する。「ロス」追放運動も
その一環。
 日本では「ロス」という呼び方が定着しているが、観光局によると「ロス」は
ロス疑惑」や「ロス暴動」を連想させ、イメージが悪い。代わりに広めようと
しているのが「LA(エル・エー)」という呼び方。もともと米国ではLAが一般的。

日経新聞 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20050203AT2M0300N03022005.html

※追記 ん?さんのご指摘に基づいて記事を訂正しました。 

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