唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

一斗缶雑文。

タコシェで既刊『唐沢俊一検証本VOL.1』『唐沢俊一検証本VOL.2』『トンデモない「昭和ニッポン怪人伝」の世界』『唐沢俊一検証本VOL.3』『唐沢俊一検証本VOL.0』「唐沢俊一検証本VOL.4」の通販を受け付けています。タコシェの店頭でも販売しています。
・初めての方は「唐沢俊一まとめwiki」「唐沢俊一P&G博覧会」をごらんになることをおすすめします。
・当ブログにコメントされる場合には誹謗中傷および個人を特定しうる情報の掲載はおやめください。守られない場合には厳正に対処する可能性があります。
・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方、唐沢俊一に関する情報をご存知の方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。
karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


唐沢俊一検証blogは岡田斗司夫検証blogにリニューアルしたほうがいいんじゃないかなー。

 などと吉田豪さんに言われてしまったわけだが、一連の岡田斗司夫問題についてはあらためて書くことにして、その際にいずれやる岡田検証の方針も示したい。自分にとっても今回の騒動にはいろいろ思うところがあったのは確か。ウルトラマンスタンプラリーをコンプしたら書いてみよう。
 ともあれ、今回はサボっている間に溜まったネタを消化していく。



日垣隆Facebook荒井晴彦を負け犬呼ばわりしていた。あと、菅原文太が亡くなった時のツイートもなんだかすごい。



伊藤剛眠田直両氏のTwitterでのやりとり(Twilog)。詳しい話は2009年7月27日の記事を参照されたい。まあ、謝るか謝らないかはどうぞご自由に決めてください、と言うしかないが、誠実に対応しなかったおかげでどれほど多くのものが失われているのか、眠田にしろ唐沢俊一にしろちゃんと理解しているのかどうか。



2月3日11時からTBS系列で放映されたひるおび!内のコーナー「常識クイズ どっちがホント!?」誕生秘話編の解説役として唐沢俊一が出演していた。
 この日の第1問は「明治時代、旧暦から新暦に変えた大きな理由はどっち?」だったが、2ちゃんの実況スレでは「この話、こないだ『タイムスクープハンター』で観た」というツッコミが結構あった。確かに年末にやってたようだ(番組公式ブログ)。この手のクイズにはよくあることだが、ネタかぶりはツラい。
 続く第2問は、「1964年、東京の埋め立て地で人が殺到した驚きの出来事はどっち?」だった。…前々から思っていたのだが、「誕生秘話編」なのに誕生秘話じゃないクイズがちょくちょく出てくるのはいかがなものだろうか。それはさておき、このクイズでは答えが出た後で当時の映像を流したのだが、唐沢が「VTR」を「ぶいてーあーる」と発音して、それを聞いた恵俊彰がツッコミを入れるかのように「ぶいてーあーる」と呟いたので、「恵が唐沢をイジった!」と少し驚いた。恵はいつも唐沢の話をそのまま聞いてばかりいるので、ちょっとしたツッコミでも驚いてしまった次第。ともあれ、唐沢俊一という人はツッコミ甲斐のある人なので、恵にはこれから森朗をイジるのと同じように唐沢をイジってほしい、と希望する。



唐沢俊一公式サイトで6月公演の制作進行スタッフを募集している。残念なことに「18歳〜30歳」とあって、年齢制限に引っかかるので自分は応募できない。まだ9歳からしょうがないよね…(3歳で検証スタート)。
 気になるのは、唐沢がこの前の無声映画で組んだピアニストの女の子についてFacebookでこんな発言をしていること。

(前略)こういう子を、言葉悪いけど手駒に使える自分のラッキーさを改めて思う。

 「言葉悪いけど」と前置きすれば何を言ってもいいというものじゃないよなあ。「手駒募集!」とでもやればいっそすがすがしいけれど。



●本題。今回は唐沢俊一がこないだの冬コミで出した同人誌唐沢俊一コラム集2014―ROCK SEX DRUG おでん―』を取り上げる。とらのあなCOMIC ZINでも現在取扱い中である。本のタイトルはネットで出回っている画像から取ったとのこと。前にも書いたが、最近の唐沢はFacebookネットで拾った画像を出所を示さずに貼る人になっていて、それらの画像を検索して「一致した画像を含むページ」がバーッと並ぶさまを見るのが最近の自分の日課になっている。これを続けていれば、そのうち何らかの境地に達せそうな気がする。
 あとがきによると、

 この数年、主にmixiFacebookなどに書いた文章、商業的媒体に書いたものに少しマニアックな書き足しをしたものなどを集めて1本にまとめました。

とのことである。以下、収録されたコラムの内容を簡単に説明していくが、毎度のことながら出典が示されていないのには困った。当方でできるかぎり探してみたが、一部の文章の出典が不明であることをあらかじめおことわりしておく。


 P.3「水兵リーベ、ボクの船」メンデレーエフの息子がニコライ皇太子に随行して「水兵」として来日していた、という話。実際は海軍士官だったらしいのだが…。ついでに書いておくと、唐沢は「1894(明治24)年」に来日した、と書いているが正しくは「1891(明治24)年」。それから、ニコライ皇太子は来日中にいわゆる「大津事件」に遭遇するのだが、このコラムではそれに触れられていない。


 P.4〜5「シェリーに口づけ」=『シェリーに口づけ』という邦題は誤訳ではないか、という話。唐沢は『シェリーに口づけ』について

1971年、小学校のとき流行った曲だ。

と書いているが(P.4)、1971年なら唐沢は13歳なのでは。


 P.5〜7「萌えと定理」=初出は「楽校コラム」2014年5月7日分。…あのコラム、自分で書いていたんだなあ、と別の意味で感心した。


 P.7〜11「忍法十番勝負」=初出は旧公式サイトの「コミック日記」2013年9月13日分


 P.12〜14「従姉妹の元ダン」=初出は「つぶやき日記」2013年12月29日分


 P.15〜16「キングコングを書いた女性」=初出は旧公式サイトの「古い映画を見ませんか」2013年1月22日分


 P.17〜19「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」=“as time goes by”を「時の過ぎゆくままに」と訳した件について。


 P.19〜21「Oh my God! They killed Kinya!」(『サウス・パーク』風に)=かつての東映の脇役、鈴木金哉(康弘)について。


 P.21〜24「捕鯨アイデンティティ=日本の調査捕鯨を研究目的と認めなかった2014年3月の国際司法裁判所の判断を受けて、日本人にとっての捕鯨タリバンのテロやロシアによるウクライナ侵攻と同様に国家のアイデンティティに関わる問題なのである、と論じている。唐沢は以前から捕鯨に関して同様のことを言っている(非実在の沈黙。 - 唐沢俊一検証blog)。話が大きすぎて穴がチラホラあるが、面倒なので指摘しない。


 P.24〜26「幻影のいる風景」NHKの番組『未来への遺産』の感想。


 P.26〜28「ズボンのチャックに未来を見た」=『宇宙戦艦ヤマト』放映時に雑誌で設定資料を見たところ、男性乗組員の制服にジッパーフライがあることにリアリティを感じて興奮した、という話。

そこを押さえていないヤマト論やリメイクに、私は価値を見いださないのである。

とまで書いているのは興奮しすぎな気もする(P.28)。この論法がアリなら、些末な部分にこだわった奴の大勝利になってしまいそうではあるけれど。


 P.28〜30「そっくりショー歴史編」リンカーン大統領と南部連合のジェファーソン・デイヴィスはソックリだ、という話。


 P.31〜34「異形性」くまモンが海外で悪魔扱いされている話から、キャラクターの受容のされ方が国によって異なる話へとつなげている。最後に「民族的アイデンティティを持ち出すあたりが唐沢俊一らしさなのかもしれない。



 P.34〜36「紙袋の中の顔は」=初出はFacebook2014年5月30日付のエントリー。アンノン・コミックは唐沢商会『怪体新書』でもネタにしていた。


 P.36〜39「列車と飛行機」パオロ・マッツァリーノのブログにツッコミを入れている。


 P.39〜40「能うかぎり」=安倍首相の終戦記念日の式辞での言葉遣いを皮肉る人々を批判している。

これを批判するなら現代国語教育を批判しなければならない。

「安倍は無教養」とこの件に関して罵れる権利のある人間がどれだけいるのか?

と書いているのは(P.40)、いささか贔屓の引き倒しの感もある。



 P.41〜42「個人の思いと戦争と」=「焼き場に立つ少年」の写真から、センチメンタルな反戦論を批判している。何度目になるかは知らないが、小室直樹『新・戦争論をまた持ち出していた(一例として小室直樹も小諸諸島でも持ってねぇ。 - 唐沢俊一検証blog ぼくの不安を救ってくれなかったデマ本へ・その2 - 唐沢俊一検証blog)。


 P.42〜44「ロリ歌」僧正遍昭ロリコンだった、という説を唱えている。紀貫之が『古今和歌集仮名序』で僧正遍昭を「たとへば、ゑにかけるをうなを見て、いたづらに心をうごかすがごとし」と「disった」として、

 ……ほーら、二次萌えのオタクだったとズバリ指摘されているではないか(笑)。彼がロリに走ったのも故なしとしないのである。

と喜んでいるが(P.44)、「二次萌え=ロリコン」というわけでもないので、話が雑なように感じられる。



 P.44〜46「笑え、畜生」=『JAWS』の高瀬鎮夫の翻訳について書かれた文章。個人的には「くたばれ、バケモノ!」だけど。


 P.47〜55「戯曲版のコロンボ=タイトル通り、『刑事コロンボ』戯曲版の話。台本の訳文が6ページ半にわたって載っていて冗長に感じた。




 …以上。正直に言ってしまうと、一冊通して読んでみて特に感じるものがなかった。そもそも本のタイトルからして面白くないから困る。唐沢俊一はこの本のあとがきで、

 読み返してみて、我ながら興味というかアンテナに反応する題材が、幅が広いといえば聞こえはいいが散漫極まりないことに自分でも呆れております。

と書いているが、書いている本人が「散漫極まりない」と認めている雑文集を読むのはかなり厳しいものがある。誤訳ネタかネトウヨっぽいナショナリズムで一冊本にまとめればまだよかったのかもしれない。本の中にある安倍首相の式辞の擁護の仕方を見ていたら、開き直って「右側」に行っちゃった方が本人のためにもいいんじゃ? と思ったり。それで「盗韓論」とか「雑韓論」とか書いたりして(唐沢俊一っぽいタイトルにしてみた)。


 実はこの本で一番おもしろかったのは、上に引用したあとがきの続きの部分だったりする。

 こういう散漫な性格は長編小説やまとまった評論を書くには非常に不向きで、現在、そういうものを書け書けと各書肆からせっつかれている状況なのになかなか進まず、ヒーヒー言ってますが一方で雑文書きという仕事には非常に向いており、「何か書け」という大ざっぱな注文であっても、400字詰め原稿用紙で10枚くらいまでのものなら3時間くらいあれば書き上げられます。雑文という仕事がなければ飢えていたと思うと、まったく雑文さまさまであります。

 


 「雑文という仕事」というが、唐沢俊一の雑文をここ最近商業誌で読んだ記憶がほとんどない。年2回刊の『幽』のコラムと今回の同人誌にも収録されている「楽校コラム」、それ以外に何かあるのだろうか。例の『東京情報』はインタビューをもとに編集者がまとめるスタイルらしいから「雑文」とは言えまい。それに雑文を仕事にするなら量をこなす必要があるはずなのだが、今の唐沢がそれだけの仕事をできているのかどうか、疑問である。まあ、俺の知らないどこかの雑誌かweb上で唐沢の雑文が掲載されている可能性もあるはずなので、もし見かけた方がいらっしゃれば当ブログまでお知らせしていただけるとありがたい。…っていうか、いくら速筆でもガセばっかりの文章じゃ困るし、雑文なら書けるとアピールしているけど、だったらどうしてコピペしたんだ? と思ってしまう。
 仮に雑文で十分に仕事できていたとしても問題は残る。結局のところ、ライターはまとまった著作がないと評価されにくい、のではないだろうか。現に竹熊健太郎氏がだいぶ以前に唐沢にtwitterでそのように忠告しているし、他ならぬ唐沢本人もかつて自らが納得できる著作がないことを嘆いていた(元気を出して。 - 唐沢俊一検証blog)。なんとか頑張ってまとまった作品を仕上げてほしいものである。



 もう一回最近の唐沢ネタをやって、その次に岡田ネタに行く予定。



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