唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

プチ・クリンス。

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 今回こそ、2006年3月に発行された『月刊岡田斗司夫』創刊号に掲載された唐沢俊一のインタビュー記事「すべての人はプチクリになる」を紹介する。「プチクリ」については前回の記事を参照されたい。



 「裏モノ日記」2006年2月28日にこのインタビューを受けた時の様子が書かれている。

伊藤さん帰ったあと、バーバラ・アスカ来て、岡田斗司夫さんの個人PR誌『月刊岡田斗司夫』のインタビュー。技術の発達と、個人主義の台頭の結合がプチクリを生み出したというようなことを述べる。

 インタビューの要旨は唐沢が書いている通り、ネットをはじめとした技術が発達したことで個人でも創作活動がしやすくなった、と「プチクリ」をフォローする内容になっている。岡田斗司夫の「プチクリ」話がかなり奇妙だったからでもないだろうが、数ある唐沢のインタビューの中でもまっとうな出来になっていると感じられるものだった。
 そして、唐沢は『プチクリ! 好き=才能!』(幻冬舎)が上手くいっていない、と指摘してもいる。『月刊岡田斗司夫』P.11より。

 あの本は岡田さんが初めて、一般大衆に向けて書いた本みたいなものじゃないですか。そういう本ではあるんだけど、最初のその方向性が間違っていたのかもしれない。(以下略)

 「裏モノ日記」2007年3月19日にも「プチクリ」についての分析がある。

事務所へ帰るとバーバラ来ていて、新著のアイデアにつき、しばらく話す。『マンガを読んで小説家になろう』もそうだったが、要は読者がプライドを捨ててくれるか、という問題。

プチクリ』が岡田斗司夫の仕掛けとしてはうまくいかなかったのも、読者側に、
「自分の才能を“プチ”なものと思いたくない」
というプライドがあったからではないか。

 『プチクリ!』が読者のレベルをかなり低く設定していることは前回指摘してあるが、もしかするとそれが上手くいかなかった理由のひとつかもしれない。なんというか、創作意欲が全くない人に一からモノづくりをさせるかのような姿勢が感じられたからなあ(そのような人が『プチクリ!』を手に取るだろうか?)。たとえば、創作活動の経験はあるけれど長続きしない人、という具合に読者の設定をもう少し高めにした方がよかったような気がする。その方が、岡田も体験談を交えた具体的なアドバイスができたのではないか? と思うのだが。
 そういった問題点を見抜いていた唐沢は流石、と言えるかもしれないが、もっとも唐沢もその後『博覧強記の仕事術』(アスペクト)で同じように読者のレベルを低く設定してしまっているので、おのれの行動はよく見えないものなのかもしれない。『プチクリ!』と『博覧強記の仕事術』に関わっている大内明日香女史も自らの著書で読者を「虫」扱いして、山本弘会長に怒られている(山本弘トンデモ資料展)。


 唐沢はもうひとつ重要な指摘をしている。『月刊岡田斗司夫』P.11より。

 そういう意味でね、プチクリは「クリエイターさんたち、大きな顔しているけれどもきっとあなたがたは今にプチクリに侵食されるよ」っていう警告の書としてね、売って行くっていう手がある。


 この発言は、素人とプロとの間の垣根が低くなった今日の状況を予見していたものとも受け取れるし、『プチクリ!』も「プロは窮屈」と言い募るだけでなく、もっと戦闘的に批判していった方がよかったのかもしれない。
 もっとも、このように言っていた唐沢にも「侵食」が及ぶことを彼自身予測していたかどうかは定かではない。唐沢が主に扱っていた雑学、鬼畜ネタ、B級ニュースはネットで簡単に見つけられるし、唐沢より鋭いツッコミを入れられる人はいくらでもいるので、唐沢にとってまことにツラい状況になってしまっているのは確かであろう。それに、唐沢問題の検証もある意味では「プチクリ」だったのかも。



 細かい点では、唐沢は個人で創作活動がやりやすい世の中になったことで集団でやる作業の喜びが失われていくはずだから、今のうちに体験しておきたい、といった趣旨の発言もしていて、その後唐沢が演劇にのめり込んでいくことを考えると興味深い。札幌のサークル時代から小さな集団でイニシアチブを握るのが好きな人ではあったけど。




 このインタビューで一番面白かったのは、唐沢俊一が『世界一受けたい授業』に出演したときの体験談をしたところだった。『月刊岡田斗司夫』P.8〜9より。

 この間もこんなことがあったんですけども、「世界一受けたい授業」で、打ち合わせのときに、ぼくは最初にトーク中心の授業にしましょうと言ったんです。それが一番僕らしいし、僕自身もいろんなネタを入れられるし、それから視聴者や出演者さんたちも喜ぶし。でも、制作プロダクションの人もそうしましょうと言ったにも関わらず、本番だか当日になって、実はビデオネタにさせていただきました、と言われた。それはやっぱりスポンサーとか、いろんなこととの兼ね合いがあるからなんでしょうね。
 ぼくは最初かなりゴネたんですよね。「これだとぼくが出る意味がないじゃないですか。はっきりいって雑学ではなくて、ビデオネタの司会者ですよね」というようなことを言って。だからぼくは折衷案として「じゃあビデオネタは半分ぐらいで終わりにします。それで、ぼくがあとは話します」と言ったら番組制作スタッフがやっぱり、困ったな、って顔をして、そういうやり取りがしばらく続いた。そのときに、ぼくはふっと頭を切り替えて、じゃあタレント文化人に徹しようと。「わかりました、じゃあおっしゃる通りにしましょう」と言ったんです。(後略)

(前略)それでも指示通りにビデオ中心にやって、「その回は全体的な視聴率はあまりよくなかったんですが唐沢さんの出番だけが飛び抜けて視聴率が良かったです」って喜ばれた。(後略)


 「ぼく」「僕」の表記の不統一は原文通り。
 …なるほどなあ、『スクール革命!』の「番組後半になると唐沢俊一が黙っちゃう」問題はずっと以前からあったのかもなあ。ある意味バラエティ番組の構造的な問題というか。『スクール革命!』には2012年12月を最後に出演していないのだけれど(2012年11月6日の記事を参照)。
 …っていうか、唐沢さんに思いっきりトークをさせればいいのにねえ。出演者と積極的に絡んでガンガン笑いを取るに決まっているんだから。『ひるおび!』でも恵俊彰大谷昭宏をいじり倒してほしいものだ。順番からいくと、来週火曜(29日)の『ひるおび!』に唐沢さんが出るはず。生存を確認しよう。




 さて、『月刊岡田斗司夫』P.12〜13には、唐沢俊一直筆の「才能埋蔵マップ」が掲載されている。「才能埋蔵マップ」とは、『プチクリ!』に出てくる自らの才能を知るために好きなことを書き出したメモなのだが、唐沢は何故か好きなことと一緒に嫌いなことまで書いてしまっている。…ネガティブなの? と心配になるが、面白いのでここで紹介しておくことにする。


好きな事



本に囲まれる事
人と酒をのむ事
自分一人で酒をのむ事
日記を書く事
ちょっとずつ怠ける事
人に説教する事
何度も同じ話をする事
好きなビデオを何べんも見る事
おしゃべりをする事
昔話をして嫌われる事

嫌いな事



正義感で行動する事
若さを武器にする事
普通のことを言う事
申込み用紙とかに正しく書きこむ事
貧乏くさい場所にいる事(not貧乏)

  …ああ、たくさんの才能が埋蔵されているのを感じるなあ。それをどうやって生かしたらいいのかは残念ながらわからないが。「何度も同じ話をする事」が好きだから、文章を使い回したりするのだろうか。それから、嫌いなことを書き出すのはやっぱり精神的にマズい気がするから、やめておいた方がいいと思う。何やら変なものが召喚されるかもしれないしね。





だいぶ昔に女の子が熱唱しているのを見たことがある。

 





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