唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

シャララ社会派。

ガセビア売りが落ちてきたら 受け止めてあげるよ


 『社会派くんがゆく!』最新号より。 

唐沢 民俗学者米山俊直が“正月というのはおなじみの行為をやることで、共同体の中にいるという認識を新たにする儀式だ”といっていたからね。初詣やお屠蘇の習慣が廃れてくると、こういうニュースで日本人が正月気分を味わうような時代になってくるんじゃないの(笑)。餅をノドにつめて死ぬ爺さん婆さんは、要は新年をことほぐためのイケニエなんだな。

 米山俊直文化人類学「裏モノ日記」2003年12月10日より。

正月論を書くにあたって、小松左京石毛直道米山俊直三氏の『人間博物館・「性と食」の民俗学』(1977・光文社)を再読。もう百回以上は読み返した本かもしれない。読むたびに知的好奇心を刺激されるし、また食欲をも刺激される。

 ああ、だから、民俗学者だとカンチガイしたのか…、と思ったら正しい書名は『人間博物館―「性と食」の民学』じゃないか。

※追記 「裏モノ日記」2006年3月21日では、米山俊直の肩書きを「文化人類学者」と正しく表記しているが、『人間博物館』の書名はやっぱり間違えている。なお、唐沢俊一は『人間博物館』を『博覧強記の仕事術』(アスペクト)で「常備したい本30冊」のうちのひとつに挙げているが、これが実にいい加減な紹介なので藤岡真さんのブログをチェックしてほしい。

村崎 飛んでる飛行機の数が多いせいか、だいたい派手な事故が起きるのって、日航機だもんな。あの「機長、何をするんですか!」で有名な羽田沖墜落事件を起こした逆噴射機長、あいつなんか今みたいな「こころの時代」の幕開けを象徴するようなキャラだったじゃん。


唐沢 ああ、K機長。“心身症”って病気は、あの事件から広まったわけだからね。

 羽田沖に墜落した日航機の機長は統合失調症だったとされている。

唐沢 でもね、かつて田中角栄の秘書をやっていた頃なんかは、好青年とまでは言わないけど、それなりに若くてやる気のある政治家って感じの、なかなかいい顔をしていたよ、彼も。それが年取って、いろいろドブ泥にまみれると、ああいう顔になっちゃうんだね。

 小沢一郎角栄の秘書をやってたっけ?

唐沢 でもね、小沢が今まるで自分の政策のように言っている、官僚主導から政治主導への変換とか、自由競争推進なんて、小泉純一郎の丸パクりだよ、はっきり言って。自由競争促進に関してあれほど小泉時代に批判していたクセにね。小泉があれだけ売国的な要素を前面にどんどん出しても誰も何も言わなかったってのは、自分の考えてることをある程度国民の目に可視化させて、今までの自民党の、料亭政治とは違う、何かが変化する“現場”に自分が居合わせているんだ、という認識を日本人に持たせたことだよね。これを小沢はそっくりコピーして、『政権交代』のワンフレーズだけで見事選挙に勝ったし、オレは実はオバマも秘かに小泉のこの手法を見習ったと思っている。ところが、小泉と小沢が違うのは、小泉は言ったからには政治の手法を変える、変えたことを国民に呈示する、ということにバカの一念みたいにこだわったのに対し、小沢はコトバだけで、その内実は角栄以来の、国民をカヤの外に置く方法をまるで変えてないってことなんだ。外国人参政権マニフェストの段階では隠しておいて、政権取った途端に前面に押し出すとか、やることが陰湿なんだわな。

 オバマ小泉純一郎をマネしたって? 「自民党をぶっこわす」→「Yes, We can」なのか…。

 続いてハイチ大地震の話題。

唐沢 もう、言っちゃったよ(笑)。でも実際、埋葬がなかなか進まないのは、ブードゥ教の信者が反対しているからっていうじゃない。「死の儀式をしないと埋めてはいけない」らしいんだな。

 この件については「トンデモない一行知識の世界」を参照。

唐沢 それを非難している記事を読んだら、「ブードゥにおける鶴は呪いの鳥だ」って話もあるんだけど、これってソースはどこなのかなあ。調べると、ブードゥーのロア(神)の中にゲデっていう死を司る存在があって、その象徴のひとつに鶴嘴があるって書いてあるサイトがある。鶴嘴と鶴を結びつけるのはちょっと無理だろうて(笑)。確かに千羽鶴送ろうって言った連中も「私たちがハイチの人たちにできることは、“あなたたちgは孤独じゃないんだよ”(原文ママ)って彼らに語りかけてあげることです」みたいなナルシスト臭プンプンのことを言っていて、アホかいな、ではあるんだけどね。

 「あなたたちg」…。そして、サイトではなくて2ちゃんねるのコピペブログですね。「2ちゃん嫁。」より。

892 : 名無しさん@十周年 : 2010/01/28(木) 14:34:07 ID: PPnYH+SP0
>>140
> > ブードゥー教では、鶴は「悪魔の使者」として縁起が悪い
> これはガセネタ臭い。

とりあえず参考まで:

ttp://www.d2.dion.ne.jp/~otoyo/voodoo.htm

ヴードゥー教には、死を司るゲデというロア(神)がいる。
そのゲデを象徴するもののひとつに「鶴嘴」がある、とのこと。

で一般に、鶴嘴=つるはし(ピッケル)だからねえ……
(これを文字どおり「つるのくちばし」と読みはしないと思う。)

あといちおう神だから、これを信仰の対象とする信者もいるようだ。

 …これは、2ちゃんのレスをパクっている、のかなあ…。

唐沢 神戸の地震でも、一番被害が大きかったのは一番貧しい人々が住む区画だった。ハイチの被害の大きさは実は政治の失敗からくる貧しさが原因でもある。山の斜面にレンガ積み上げただけみたいな家を造っていたから、それが下に下にとなだれ落ちて被害を大きくしたんだな。だから最も有効な手助けは金、なんだ。ところが、心のウツクシイ方々は金を直に送ることがどうもおイヤらしいのだね(笑)。

 モトネタであろう「毎日新聞」1月16日の記事には「レンガ」は出てこない。『三匹のこぶた』じゃないんだから、もう少しちゃんとした建物だったのでは。

村崎 ちなみにキューバにはほとんど被害はなかったのかな?


唐沢 不思議というか運がよかったというか、ほとんどなかったらしいね。1000人単位の医療チームをすぐに送ったらしい。運命はホント、差別的だねえ。キューバも貧しいことではハイチにひけをとらないけど、医療や警察組織はしっかりしているから、たとえ地震にあっても、ハイチみたいな大被害にはいたらないだろうと言われている。地震も人災なのよ。皮肉なことに、ハイチが最も政治的に安定していたのは、さっき言った黒魔術師のデュバリエ大統領が支配していた時期だった。隣のキューバ共産主義だから、アメリカに対し、デュバリエは“金をくれなきゃウチも共産化しちゃうぞ!”と言ってりゃよかったんだ(笑)。で、その金でデュバリエは秘密警察を作って、自分に逆らう連中を全部アカの手先と言ってとっつかまえちゃ拷問して殺していた。産業はほとんどなくって、観光と農業・漁業がちょこちょこと。低め安定だが、政情は安定(笑)。ところが、80年代になって、今までアメリカの労働力供給源だったアジアが豊かになり始めて、賃金が高くなる。それで、次の労働力確保地として、アメリカ資本がハイチに目をつけたんだな。で、工場が首都近郊に乱立する、地方から労働力が流出して過疎化する、首都近辺は人口が一気に増えて治安が悪くなる、一方でアメリカの企業は、いちいち工場を建てたりするたびにデュバリエ一族(フランソワは1971年に死んでいたが息子が後継者になっていた)に袖の下を使うのがバカバカしくなり、ソ連の影響力が低下したこともあって、アメリカはデュバリエ一族を見捨てるんだな。一説によると、だが、80年代にアメリカでゾンビ映画のブームが起こったのは、ゾンビの本場であるハイチのイメージを落とそうというアメリカの陰謀だともいうけどね(笑)。アメリカは86年にデュバリエ一族を失脚させて、その後釜に自分たちの良いなりになる軍事政権を作ったんだが、ここでの統治の失敗と、クーデターの混乱で経済も政治もムチャクチャになっちゃった。今や全く国のテイをなしていない、というのがハイチの現状らしいよ。千羽鶴なんかで救えるレベルじゃねえんだ。

 キューバよりハイチと陸続きのドミニカを心配するのが先なのでは。それに現にアメリカはデュバリエに経済援助をして共産主義の防波堤にしようとしていた。あと、「ゾンビ映画のブームがアメリカの陰謀」っていう話にはもう少しツッコミを入れておいてほしい。たとえば、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』は別にブードゥーと関係はないはずだし(『サンゲリア』は関係あるかな)、逆にマイケル・ジャクソンの『スリラー』のPVをスルーしているのは解せない。

村崎 あと、朝青龍暴行事件(★5)。結局引退になっちゃったけど、すごかったね、相手の男を車の中でボコボコにして、「川へ行け、そこで殺してやるよ」とか言ったんだって? さすが横綱級の脅し文句というか、シャレにならない凄みがあるね。


唐沢 あんまり水はけがよくなさそうな国に生まれた人間が「川に行け」とは、文化になじんだもんだなあ(笑)って、変なところで感心したけどね。

 モンゴルの気候は砂漠気候に属し、年間を通じて乾燥している。

唐沢 この一件で訳知り顔で“相撲は神事だから”などとのたまうトンチキがわらわら出て来やがったのも腹立たしいな。ありゃ、イギリスに大相撲が興業に行ったときにライアル・ワトソンが言い出して広まったことで、それまで日本でそんな風に考えてるヤツぁほとんどいなかったよ。確かに古代は神事だったかもしれないけど、もう江戸期には興行として確立していて、歌舞伎と同じく、縁起のために神様の加護を仰ぐという形式をとっているに過ぎない。芸事なんてのはみんなルーツをたどれば神事なんだから、じゃあ歌舞伎役者の中村七之助が酔っぱらって警官を殴る事件を起こしたときに、神事を汚した、引退させろと誰が言った? 何で相撲だけをそう神事って特別扱いする? そもそも、神事だってんなら、外国から相撲取りをスカウトしてきた時点で文句言えよ。異教徒なんだからよ。

『社会派くんがゆく!維新編』(アスペクト)P.291より。

村崎 だいたい相撲がサッカーと同列に語れるスポーツだと思い込む発想が、そもそもおかしくないか? 相撲は武道でもねえし、格闘技でもねえ、豊饒祈願の祭祀に属する立派な宗教儀式だろ。


唐沢 ライアル・ワトソンがそう言ってるよね。あれは神事なんだって。

 トンチキ発見。前に言ったことと矛盾するようなことを言い出しているんじゃ、対談を続けている意味があるのかどうか。

唐沢 ただ、朝青龍騒動で相撲界がムチャクチャになっているときに、こういう勇ましい前向きの姿を見せたということで、世論は味方につけたかってとこだよな。しかし、気になるのは貴乃花って、何か宗教チックな匂いがするんだよなあ。地球は滅亡する、とかいうトンデモ本のオビで推薦していたこともあったしね。

「裏モノ日記」2月4日より。

正直なところ、あの、どこでもない宙の一点を見つめて
蒸留水みたいに面白みのない優等生的意見を機械のように述べる
貴乃花より、矛盾だらけの朝青龍の方がずっと魅力的な人間に
見える(彼の起した事件とは別の話)のだが、どうなんだろう。

 貴乃花は「宗教チック」なのか「優等生」なのかどっち?

唐沢 講談や芝居でよく演じられる『め組の喧嘩』、あれだって力士と鳶職の江戸中を巻き込んでの大喧嘩の話で、あんなことは昔からずっと起こっていたことなの。相撲取りだから喧嘩なんかしちゃいけないってことはないと思うんだけどね。まして、今回は相手だって、本当の意味での「一般人」ではなかったわけだし。

 …いや、それは白鵬の言う通り「お相撲さんの手は刀」ということで、相撲取りだからこそ喧嘩してはいけないということじゃないかな。ましてや朝青龍横綱だったのだし。あと、相手が「一般人」じゃなかったら喧嘩してもいいというのはなかなか凄いな。唐沢俊一も「一般人」ではないから喧嘩上等ってことなのかな? さすがは裏亭さん、まるで暴力を恐れちゃいないぜ!


 …さて、ここからは「追討」コーナーである。

村崎 SF業界では大偉人の柴野拓美さんも亡くなったし(★9)。


唐沢 柴野さんはもともと体が弱くて「僕は50歳まで生きられないから、生きているうちにやりたいことだけやっていく」っていって、「宇宙塵」っていうパイオニア的なSF同人誌を始めたり、SFファンダムを作ったりしていた。実はSFの土壌整備をした人なんだよね。それで83歳まで生きられたのは、むしろ幸福だったよね。

 なにが「むしろ幸福」なんだろう。ナチュラルに上から目線になってしまう人は追悼に向いていないよ。

村崎 逆に若くして突如亡くなったのが小林繁(★10)。「空白の一日」の因縁があった江川卓もビックリしていたけど。


唐沢 日本酒のCMで競演して、和解ということが表面化されたすぐあとだったからね。和解したことで気が緩んじゃったのかな。

 小林と江川がCMで共演したのは2007年。「すぐあと」かなあ。

 次に浅川マキの訃報。

唐沢 CDも出しちゃあ自分で「納得いかない」って回収しちゃうんで、ファンは出たら早々に買わないといけないというジンクスがあったんだけど、それにしても聴くとホントにいい感じで落ち込むよね〜、この人の歌は(笑)。

 「ジンクス」ってそういう風に使う言葉じゃないだろう。

村崎 とりあえず興味もった人は、YouTubeでも検索して「朝日楼」や「かもめ」を聴いてみるといいよ。ここで話していることが間違いじゃないと分かるから(笑)。それからなんといってもサリンジャーが死んでる(★13)。


唐沢 というか、「生きてたんですか」という感じですが(笑)。こないだのレヴィ=ストロース以上の衝撃(笑)。何年引きこもってたんだっけ?


村崎 オウム事件の時に「拘置所に留置されてる信者への差し入れ本は?」「サリンじゃー!」ってギャグが流行ったくらいのもので(笑)、村上春樹が新訳した『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が出た時に読んだんだけどあれが6年前か。わりといい感じで青臭くて楽しめたよ。前の訳よりも読み易かった気がする。


唐沢 若者が若者の声で書いて若者の共感を得た、初めての小説だよね。逆に言うと、青臭い思想を持った人間がこれを読んで「そうか、僕はこのままでいいんだ、世間のほうが間違っているんだ」って言い訳をできる免罪符を与えてしまった作品とも言えるんだけど。


村崎 この小説の主人公のように、まわりじゅうの人間がみんなバカに見えるときってのは青春期の人間なら誰にもあるわけで、そういう時はほどんどの場合、「自分が一番バカ」なのもご愛嬌。でも、この小説って、いま読んだらむしろ“妹萌え小説”として、ラノベ好きの若者に需要があるんじゃないかな(笑)。


唐沢 萌え系の装丁にしたら、また売れるんじゃないか(笑)。でも、91歳でしょ。若い頃に筆を絶ってから、今までどうやって生きてきたのかね。


村崎 贅沢しなけりゃ全世界で翻訳された印税で食えるんでしょ。“妹萌え”の上に“引きこもり”なんだよ(笑)。こりゃ、今の若者にウケないわけがないな。


唐沢 ちなみに最近、生きていることが判明した原因が、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の続編を勝手に書かれたといって抗議してきたことらしい。


村崎 春樹版の新訳を出すときにも「訳文以外の訳者解説は一文字たりとも載せちゃいかん」って文句つけてきたらしいよ。あと、映画『フィールド・オブ・ドリームス』に出てきた伝説の作家って、W.P.キンセラの原作の『シューレス・ジョー』の中ではサリンジャーなんだけど、映画では架空の黒人作家になってたから、あれもなんかいろいろあったんだろうな。


唐沢 何だか単なるヤなジジイに見えてきた(笑)。

 あーあ、やっちゃった。町山智浩さんが止めたのに。で、やっぱりわかってませんね。『ライ麦畑でつかまえて』が「免罪符」になって多くの読者が犯罪に走ったってこと?(詳しくは2008年10月11日の記事を参照) しかし、『社会派くん』で触れているのに『裏モノ日記』では取り上げなかったのはどういうことなの?


 その後は、喪服姿の後藤真希に萌えたという話。まあ、市橋達也に萌えるよりはずっと理解できる。

唐沢 美空ひばりの弟もそうだったけどね、スターを生んでしまった家族というのは、その業で誰かが絶対に不幸になるっていうジンクスがあるんだ。逆に言うと、そういう闇の業を背負ってこそ、スターというのは輝く瞬間があるわけで。オレは、これで逆にゴマキは輝いてほしいなって思う。歌聴いていいと思ったことは、一度もないけど(笑)。

唐沢 ただ、なんとなく同情してしまうのは、この弟、芸能界デビューしようが何しようが、結局どこまでいっても一生、「ゴマキの弟」としか見られないんだよね。自分がどんな才能を発揮しようと、「ゴマキの弟」以上の存在にはなれないわけ。じゃあ、自分はどこにある、自分を自分足らしめる証拠がほしいってことで、彫り物入れたりしちゃうんでしょう。まったく、ひばりの弟と同じ。強盗致傷事件起こしたのだって、おそらく自暴自棄になっていたってことなんだろう。ある共同体のなかで一人の人間が突出してしまうと、その他の人間の人生が狂ってしまうってことはよくあるよ。

唐沢 母親に溺愛された息子って、いちばん将来的にうまくいかなくなるパターンだからね。これが良家ならまた話は別なんだけど、貧しい環境のなかで可愛がられると、「自分は特別な存在」って逆に思い込むようになっちゃう。ところが「特別な存在」だったのは自分じゃなくて姉のほうだった、その事実が認められなくて荒れ狂っちゃったってこと。母親の訃報を獄中で聞いてどんな気分だったのかね。

唐沢 逆に闇の部分を一手に引き受けて、ゴマキという光を輝かせる存在になればいいかもしれないけど、今のところ、足引っ張る存在にしかなっていないからね。

唐沢 酒のせいで肝臓を悪くしたのを、さらに酒でごまかそうとしていたっていうからね。最悪のパターン。

唐沢 ゴマキの弟と一緒で、何かネガティブなことをやったり言ったりすることしか、自分を主張する手立てのない連中なんだよ。言えば言ったで、無数のネガティブな意見のひとつに埋没するだけなんだけどね。

 …凄すぎる。ここまでブーメランを連投することないでしょう。入院した後にちっとも摂生していない唐沢も「最悪のパターン」をたどっているのでは。担当の河田周平さんは止めてあげるべき。

唐沢 今や高級食材だからね。学校給食でイヤというほど竜田揚げとベーコンを食わせられた身としちゃ複雑だねえ。……だけど、さっきの中国への頭下げ問題もそうだけど、国民がこの事件でシーシェパ擁護のオーストラリア叩きをしているのをみているのも、奇妙なモンだぜ。いま日本人の食べている小麦や大豆、トウモロコシ、いや、菜種や塩まで、オーストラリアからの輸入に日本は大きく頼っている。で、そのオーストラリアはいま、大旱魃の影響で飢饉に近い状況だ。輸出量が大幅に制限されることが考えられる。あまりオーストラリア叩きをしていると、少ない輸出分が日本に回る可能性がなくなっちゃうんじゃないの? パンや豆腐、それに牛肉(国産和牛と言えど飼料は輸入もののトウモロコシだ)が食えなくなる代わりにクジラ食って生き延びる覚悟が日本人にあるか? って問題だわな。ネトウヨさんたちの主張もわからないではないけど、実際問題、資源と土地がない日本が世界にペコペコ媚を売らなきゃならんのは、これは宿命なのよ。プライドと命と、どっち選ぶかっていう選択肢だねえ。

 唐沢俊一は「ネトウヨ」を批判する時によくこのような「外国とケンカしてやっていけるのか」という論法を取るけど、どうも極端なことばかり想像しているように思う。問題なのは「右」とか「左」とか思想的スタンスではなく頭の良し悪しなのかもしれない。

村崎 人間、ハマるとどこまで狂うかわからんからなあ。そういえば関係ないけど、人から教えて貰って、暮れにネットで凄いものを見ちゃったよ。クリスマスに一緒に過ごす相手のいないアニヲタたちが、自分のパソコンのデスクトップにハルヒとか長門とか綾波とか自分の好きな二次元キャラの画像を大きく映して、その前に祭壇のように燭台のローソクやワインやクリスマスケーキや自作の料理を並べて置いて飾り立てて、脳内メリクリやっている写真が一斉にアップされてんの(泣)。それも5人とか10人とかそんな数じゃないんだよもう百は超えるんじゃないかと思うくらい凄い数で驚いてあきれながら感心したわ。もうシャレでも冗談でも無くて、ある種の様式美を持った新手の祭儀という感じで、現代美術のインスタレーションとか新しい宗教の発生を見たような思いだったよ! アニオタすげー! 奴らはある意味、宗教の最先端を突き進んでるんだよ。

 いや、実はそれ、前からあるイベントなんですよ(「かそログ」より2008年のクリスマスの模様)。村崎百郎、唐沢ほどではないがアンテナが若干ニブい。で、それに対する唐沢の返し。

唐沢 だけど、そういう「二次元で満足」みたいに達観していたつもりの人たちが、木嶋香苗みたいな凶悪デブ詐欺女にやってこられると、抵抗できなくなっちゃうわけでしょ? 再逮捕されてようやく公に顔さらされるようになったけど、あんな女になんであの天才モデラーが引っかかっちゃったのか、本当によく考えたほうがいいよ。オタクたちが二次元で満足していても、性悪女たちにはカモがうようよしている大票田が見つかったってだけの話なんで。

 何度も指摘しているが、結婚詐欺連続不審死事件の被害者の中にたまたまオタクがいたからといって、「オタクが結婚詐欺にひっかかりやすい」と考えるのはおかしい(詳しくは2009年11月22日の記事を参照)。どうもこの人、オタクに偏見があるよなあ。


 ツッコミを入れているうちに長くなってしまったので今回のポイントを整理(事実誤認が多いのはいつものことなので省略)。

・いつもネット(特に2ちゃんねる)批判をしているのに2ちゃんのレスを元にコメント
・どうしても「追討」をやめられない
・驚愕の連続ブーメラン

 といったところだろうか。みなさんもつっこんでみてください。


※追記 傍観者さんのご指摘に基づき記述を訂正しておきました。


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