俺の上官が可愛すぎる男の娘で困っている件。
もう既にありそうだが無ければ自分で書いてみるか。
●昨日TBS系列で放送された『ひるおび!』内のコーナー「常識クイズ! どっちがホント?」に唐沢俊一がクイズの出題者として登場していた。ダイエットでもしたのか若干スリムになっていたような。出題されたクイズは以下の通り。
Q1 シェフの嫌がらせで生まれた食べ物はどっち? A:ポテトチップス B:ポップコーン
Q2 設置した当初、トイレと間違われ使用する人が続出したのはどっち? A:郵便ポスト B:電話ボックス
Q3 もともと戦争がきっかけで生まれたのはどっち? A:アルミホイル B:ラップ
答えはすぐにわかると思うので省略。それにしても2問目には驚いた。いや、こんな有名な話をクイズにするのかね、と思ってしまって。このクイズに関連して出た「郵便マークは最初は“T”だったが料金不足を表す記号だったので“〒”になった」という話も有名だしなあ(別の説もあるようだ)。まあ、これをきっかけに雑学に興味を持ってくれる人がいればいいけれど、個人的にはコーナーの冒頭に出た「作家・雑学王 唐沢俊一」というテロップが一番面白かった。「雑学王」が面白ワードになっているという哀しさ。ただ、今回唐沢さんは来週放送予定の『タカトシの時間ですよ!』の番宣で出るものだとばかり思っていたが、告知の類はなかったので「あれれ?」となってしまった。
●本題。唐沢俊一の冬コミの新刊『B級読み物がいく!』P.83〜85で紹介されている「人工女性『松平多恵子』会見記」の転載元が誤っていることは1月9日の記事で指摘してあるが、P.83の紹介文も気になる。
松平多恵子(任弘)は日本における性転換手術の第二号(記事では第三号となっている)として名を残す人物。せっかく冒頭で『某宗教大学』とボカしているのに後半で立正大学とバラしてしまっている(笑)。しかし、華族の出で、海軍中尉で、性同一性障害者というのはまるで近頃のラノベみたいな設定だな。バロン吉元の『どん亀野郎』に女装の海軍中尉が出てくるが、彼女がモデルだろうか。この記事の段階(昭和30年)ではまだ男性器を切除しただけだが、人工子宮をつけて子供を産みたい、などと言っているのは、ふざけているのか、本当に信じ込んでいるのか……。なお、この記事の10年後、『ヤングレディ』誌にインタビューされたときには、ちゃんと男性と結婚生活を営んでいると報告されている。どういう夫婦だったのだろう。
唐沢さんのラノベ観も気になるが(2012年3月12日の記事も参照)、「人工子宮をつけて子供を産みたい」というのは松平氏にとって自然な心境なんじゃないか、と転載されたインタビューを読んで感じた次第。「ふざけているのか」などと茶化すようなことでもないだろう。物事の見方に優しさが欠けるのはいつものこととはいうものの。
次にP.24〜25で紹介されている「パン屋さんから大僧正」の紹介文から。
今もなお残る世田谷観音寺を創設したのが、一介のパン屋さんだったとは知らなかった。
この太田陸賢大僧正は、その成功例であったろう。
世田谷観音を建立したのは太田睦賢氏。記事にも名前は正しく書かれている。まあ、これも「出先で携帯の小さい画面でスキャン画像を確認しつつ書いた」のだろうからしょうがないのかな。
さて、『B級読み物がいく!』には日本週報社から発行されていた『黄金』1955年9月号から5つの記事が転載されている、と1月9日の記事で指摘した。唐沢俊一は本書のまえがきで
取り合わせの妙を構築してみようと試みた
と書いているが、一つの雑誌からこれだけ多くの記事を転載することによって偏りが生じたことは否定できない。『B級読み物がいく!』に転載された記事から転載元である『黄金』のページナンバーが確認できるので以下に挙げてみよう。
「御神母様はおどりの師匠」=P.12〜19
「噂の「天皇御信仰」と世界平和教」=P.20〜24
「白竜が乗り移った教祖」=P.25〜28
「パン屋さんから大僧正」=P.29〜31
「ヤクザ仁義の宗教総監」=P.34〜37
…つまり、『黄金』P.12からP.31までは20ページ連続して転載されていて、少し飛んでP.34からP.37までが転載されていることになる。ただ、何故か“P.32”と“P.33”の2ページだけ欠けているのが気になる。調べてみると、いくつかの施設で『黄金』1955年9月号を閲覧できることがわかったので、せっかくなので現物を確認することにした。
で、『黄金』1955年9月号のもくじを見て驚いた。同誌のP.32〜33には、なんと1月9日の記事で「どの雑誌に載っていた記事なのかもわからない」と書いた「ジュースをらっぱ飲みする豆神様」が載っているのである。手間を惜しまなければいいこともあるものだ*1。上に挙げたリストを修正しておこう。
「御神母様はおどりの師匠」=P.12〜19
「噂の「天皇御信仰」と世界平和教」=P.20〜24
「白竜が乗り移った教祖」=P.25〜28
「パン屋さんから大僧正」=P.29〜31
「ジュースをらっぱ飲みする豆神様」=P.32〜33
「ヤクザ仁義の宗教総監」=P.34〜37
というわけで、結論としては、『B級読み物がいく!』には『黄金』1955年9月号の巻頭特集「風変り第三宗教」がP.12からP.37までの全26ページまるまる転載されている、ということになる。…「取り合わせの妙」を狙ったにしては、雑誌の特集記事をまるごと転載しているのが謎。そんなに転載するくらいなら、戦後の新興宗教について本を一冊書けばよかったんじゃないの?と思える。もしくは『黄金』1955年9月号をそのまま全部復刻するとかね。いずれにせよ、一冊の雑誌から大量に転載する理由がわからず困惑。あと、『B級読み物がいく!』では6つの記事の転載元を「『黄金』昭和35年9月号」と表記しているが、これは1955(昭和30)年9月号の誤り。
これに関連して、『B級読み物がいく!』のもくじと転載元のリストを一緒にアップするので参考にしてほしい。
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*1:もっとも、「ジュースをらっぱ飲みする豆神様」のページナンバーと当該記事の中にある「特集・風変り第三宗教」というキャプションを見れば現物を見るまでもなく『黄金』1955年9月号から転載されたことが推測できたはずなので、我ながら修行が足りない