唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

「特選コミックス」まとめ。

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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


唐沢俊一「TV&Smile」内のコンテンツ『1分で分かる大学』第21回で「1分で分かる小劇場演劇の基本三カ条」を語っている。現在3回目までアップされていて、次回で総括をやるらしい。「よしなし日記」に出てくる「ケーブルテレビのインタビュー」ってこれのことか? 
 唐沢は文筆業にメインを置きつつ、演劇がこれからブレイクすると見て進出しようとしているようなのだが、「芸能人の舞台挨拶がニュースと取り上げられることが最近多い」というのをブレイクの理由として挙げているのには首を捻ってしまった。あと、演劇でメッセージが必要な理由として、細かいアクションや笑いを論じられるのはマニアだけで、一般の観客は芝居に込められたメッセージについて語りたがるものだ、という風に論じていたのにも「?」となってしまった。ウスい人だからこそアクションや笑いのようなわかりやすい表面的な部分に反応することもあるんじゃないのか? 
 ともあれ、唐沢俊一が演劇を趣味としてではなく仕事として捉えていることはわかった。成功してほしいものだが、唐沢俊一の関係者が唐沢の演劇進出について肯定的な反応を示している事例を聞いたことがないので(反対された話は聞いている)、いささか危なっかしい話なのかもしれない。
 また、同じく「TV&Smile」内のコンテンツである『シコウヒンTV』第65回にも唐沢俊一は登場しているが、その内容については下のリンクから視聴するか、またはdiscussaoさんのブログを参照されたい。実写版『北斗の拳』の紹介もテキトーだったなあ。


『シコウヒンTV』第65回前編

『シコウヒンTV』第65回後編


●本題。唐沢俊一週刊現代2005年2月から2009年7月まで月1連載していたマンガ紹介コーナー「特選コミックス」で取り上げられた作品のリストを作ってみた。ニーズがあるのか知らないけれどせっかく調べたので一応まとめてみたものの、いずれ作る予定の同人誌に載せるほどの内容でもないのでブログの方で公開しておく。間違いや漏れがあったら指摘してください。


 「特選コミックス」を一通りチェックしてみて感じたのは、毎回が毎回ひどいわけではない、ということである。つまり、唐沢俊一「作品そのものよりも作品の周辺を語りたがる」芸風が良く出る時もあれば悪く出る時もある、ということだ。悪く出てしまった時は、作品に関係のない話を延々と続けた挙句にテーマとなった作品の内容がさっぱりわからない、という惨状を呈することになってしまっている。一例として、週刊現代』2006年9月9日号に掲載された武富健治鈴木先生の紹介文を全文引用してみよう。同誌P.133より。

 ヒットするマンガの条件のひとつは、話が単純でわかりやすいということだ。名作と呼ばれるマンガほど、単純明快なストーリィの中に、深いテーマや描写を盛り込んでいる。ストーリィの構造が複雑な作品は、どんなに話が面白くても、読者がついていけない。
 ところが、最近はこの条件にあてはまらない作品も増えてきた。マンガ読者の目が肥えてきたということなのか、あるいは作家が複雑な内容をきちんと読ませるテクニックを身につけたということか。
 武富健治鈴木先生①』(双葉社、860円)は、一見、現代の教育現場における教師と生徒の関係を真摯に描いた学園マンガの佳作として読める作品なのだが、実はその裏に、これまでの熱血教師マンガのパターンを皮肉った描写やセリフがぎっしり詰まっているという、一筋縄でも二筋縄でもいかないクセモノマンガだ。作者の目が相当ひねくれている(かなり下積みの不遇をかこった人らしく、キャリアの割にこれが初単行本化作品らしい)せいもあるだろうが、マンガ表現とそれを受容する側の読み取り技術が、この作品の二重構造を面白がるだけの成熟を見た、と言えるだろう。
 十年一日のように見えてマンガは日々、進化している。その最前線にあると言える作品だ。


 …うーむ、この文章だと『鈴木先生』がどんな話なのかサッパリわからん。『ホーリーランド』の紹介文にも言えることだが、余計な話が長すぎる。唐沢は『エンサイスロペディア』でもテーマとなった作品と関係のない話をしてしまう傾向があるが、500字前後の字数制限のある『特選コミックス』で余計な話を書くのはかなり危険である。正直なところ、唐沢俊一は作品紹介に向いていないと思わざるを得ない。『特選コミックス』にしろ『エンサイスロペディア』にしろテーマとなった作品を見たのか?と思ってしまうことがある。『週刊現代』の書評コーナーには他にも新書の紹介欄もあるから、そっちの方を担当させたらよかったのに、という気もする(それはそれで別個の問題が発生しそうではあるが)。


 リストを見ていると、作品のチョイスは唐沢俊一がやっていたのか『週刊現代』編集部がやっていたのかも気になってくる。藤本哲也河井克夫、そして唐沢なをきと唐沢と一緒に組んだことのある漫画家の作品が取り上げられているあたりは唐沢のチョイスだと思われるが、『BAMBOO BLADE』や『みかにハラスメント』などは何故取り上げられたのか判断に迷う。まあ、『みかにハラスメント』の紹介文が「こんなにエッチな少年漫画があったとは!」という風に書かれていたのには笑ってしまったのだけど。
 余談になるが、唐沢俊一とは関係なく、『週刊現代』の匿名書評コーナーで『涼宮ハルヒの憂鬱』の原作が取り上げられていたことがあって、「今のオタクはこんなのを喜んでいるのか」と若干からかい気味に書かれていたのは興味深かった。唐沢をオタク担当としてしばしば起用している『週刊新潮』にも言えることだが、おじさん向けの週刊誌がオタク関係の話題をわざわざ取り上げる理由って一体なんなんだろう。研究してみるべきテーマかもしれない。


 なお、今後は唐沢俊一関係のリストを今回同様にいくつか作成してブログ上で公開していくつもりである。参考資料のまとめに入り、「いよいよ検証も大詰めだな」という思いが強まってきた。


北斗の拳【劇場版】 [DVD]

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鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)

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涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

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