深草ならしょうしょうの違い。
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今回は『ラジオライフ』5月号掲載の『唐沢俊一のトンデモ都市伝説探偵団』の「伝説その5 浅草、阿部定、赤マント…のつながり」を取り上げる。なお、カラサワ探偵長のセリフは赤で、少年探偵すばるのセリフは青で表記する。
カラサワ探偵長のセリフより。
縁起のいいものも悪いものも区別なく引き寄せるパワースポット的なところかな。『吾妻鏡』という鎌倉時代の歴史書には隅田川から牛のような妖怪が現れて寺僧を襲ったという記録があるし、鬼婆が身を投げた池の伝説も残っている。平成になってもまだ、東京都の夕刊紙、内外タイムスが、シャドーマンと呼ばれる異星人が浅草寺に出現したという記事を載せている。
「パワースポット」には悪いものも引き寄せられるのだろうか?と思うが、問題は次だ。『吾妻鏡』建長三年三月六日に次のような記述がある(新人物往来社『全訳吾妻鏡』に拠る)。
武蔵国浅草寺に牛のごときの者忽然として出現し、寺に奔走す。時に寺僧五十口ばかり、食堂の間に集会するなり。件の怪異を見て、二十四人立所に病痾を受け、起居進退成らず。居風と云々。七人即座に死すと云々。
…ごらんの通り、怪物が「隅田川から現れた」なんて書かれていない。原典にあたってないのかなあ。「件の怪異」とあるから、例の「人面牛身の怪物」のことなのか?と思ったり。
もうひとつ、「シャドーマン」に関連して『ウルトラセブン』が出てこないのも物足りない。本当にオタクなのかと。『名たんていカゲマン』でもよかったかも。
この後、いわゆる明治三大毒婦(夜嵐おきぬ・高橋お伝・花井お梅)と阿部定が全て浅草に関わりを持っていることを取り上げて、少年探偵すばるが「犯罪者は浅草に惹きつけられるようです」と言っているが、戦前は繁華街が少なかったからなのでは?と思ってしまった。浅草のことを「阿部定ゆかりの街」と書くのはどうなのか。
いや、お前は別として当時の子供たちもやはり阿部定事件には得体の知れない不気味さを感じていたようだぞ。有名な都市伝説の“赤マント”ってのがあるだろう
ああ、学校のトイレに現れて“赤いマントはいらないか”と聞いて、いるって答えるとナイフで背中を刺されて、血が赤いマントみたいになるという、怖い都市伝説型怪談ですね
その都市伝説が流布し始めたのが1936年、まさに阿部定事件の直後なのだな。あの事件は日本中の噂になって大人たちがしょっちゅう話していたから、それを耳にした子供たちが、よく分からないながら自分たちのイメージで、トイレの赤マントの都市伝説を作り上げたのかもしれないなあ
よくわからないのは、「トイレの赤マント」と阿部定事件には「同じ年に発生した」ことしか共通点がないのに、どうして阿部定事件がもとになったと断定できるのか、ということだ。それを言うなら、やはり同じ年に起こった2・26事件の方が子供たちに影響を与えていそうなものだ。それから、「トイレの赤マント」以前に、「赤マント」と呼ばれる怪人が子供をさらって殺すという都市伝説があったらしいのに、それをスルーしているのもヘン。…この探偵団の推理能力に不安を持たざるを得ない。
なお、今号の唐沢俊一のプロフィール欄には次のようなことが書かれている。
語り下ろし本2冊平行進行中。途中で内容がゴッチャになってくる。ちなみにその中の1冊はよもやまはなこイラスト兼テープ起し。
『ラジオライフ』2009年12月号のプロフィール欄より。
年末進行が何と今年はもう始まった。単行本3冊、死なないで何とか仕上げるにはどうしたらいいかと考える毎日。
「裏モノ日記」1月21日より。
予定だけで4冊、申し出あったもの(企画の復活)入れると5冊。
執筆への専念にしばらくどこかへ籠るか。
去年10月末から3月末までの間に出た本は『社会派くんがゆく! 疾風編』(アスペクト)のみ。しかも、『社会派くんがゆく!』の単行本ではコラムを何本か書き下ろしただけだった。あと、語り下ろしを多用しているのも気になる。語り下ろしという手法自体を否定するつもりはないけど、唐沢俊一の場合は文章を書くのが億劫になっているのでは?と思ってしまう。実際『博覧強記の仕事術』(アスペクト)でも上手くいっていないし。よもやま画伯が上手くまとめてくれればいいんだけど。
…しかし、こうも「出す出す」とアピールしているのに本が出ない現状は、まさしく「出前の言い訳」みたいだ。電話で文句を言うたびに「今出ました」と必ず返事をされるような。…まあ、気長に待つことにします。
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