これは現実なのか?ただの幻想なのか?
『創』のオタク対談が2ヶ月経っても再開しなかったり、去年まで出ていた『日本オタク大賞』に出ていなかったりする唐沢俊一だが、今日はロフトプラスワンで蔵書の処分をやっているようだし(前回のイベントについては2008年11月26日の記事を参照)、今夜19時から放送の『世界一受けたい授業』には出演するようなので仕事があって何よりである。また「雑学で世界一周」をやるみたいだが(詳しくは2008年9月5日の記事を参照)。
では本題。唐沢俊一『キッチュワールド案内』(早川書房)P.98より。
(前略)日本人の感性には、あだ名はその人物の悪い性質を指すもの、という受け取られ方を主にされていたらしい。そう言えば日本で一番有名なあだ名であろう『坊っちゃん』の赤シャツや野だいこも、あまり好意的なものではない。したがってあだ名はむしろ犯罪の世界に広まり、鼠小僧、弁天小僧、またかのお関、お嬢吉三、明治になって官員小僧、電信お玉、などという有名人が多出した。
唐沢が挙げている「有名人」がどのような人物であるか書いてみる。
鼠小僧=実在の人物。
弁天小僧=河竹黙阿弥作の歌舞伎『青砥稿花紅彩画』(あおとぞうしはなのにしきえ)の登場人物。
またかのお関=三遊亭圓朝作の落語『緑林門松竹』(みどりのはやしかどのまつたけ)の登場人物。
お嬢吉三=河竹黙阿弥作の歌舞伎『三人吉三廓初買』(さんにんきちさくるわのはつがい)の登場人物。
官員小僧=落語・映画の登場人物。
電信お玉=文学座の演劇『開化草紙 電信お玉』のヒロイン。杉村春子が演じた。
…フィクションに登場する犯罪者ばっかりなんだけど。もしかすると、モデルとなった人物がいるのかも知れないが、探した限りでは見つからなかった。「電信お玉」なんか女義賊だから、モデルになった人物がいればすぐにわかると思うんだけどなあ。
というか、どうして実在した犯罪者のあだ名を紹介しないのかわからない。メジャーなものだと「八百屋お七」「夜嵐お絹」「出歯亀」「説教強盗」くらいはすぐに思いつく。ややマニアックなものだと「仕立屋銀次」「稲妻強盗」「ピス健」「鬼熊」とか。「悪魔のキューピー」ってのもあるな。猟奇犯罪に詳しいらしい唐沢ならいくらでも思い浮かぶはずなのだが。現実でも「有名人が多出」しているのだから、フィクションに登場する犯罪者のあだ名を紹介する意味ってあるんだろうか?と思うのである。
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