炎上エムブレム。
勿論「炎上」と書いて「ファイアー」と読む。
●『日刊大衆』で唐沢俊一が『笑点』についてコメントしていた。
1966年5月15日に、同番組はスタートし、メインは"大喜利"。起承転結があり、ある程度の時間が必要な落語という演芸はテレビ向きではないが、大喜利はテレビという媒体の特性に合っていたという。
演芸評論家の唐沢俊一氏が解説する。
「大喜利自体は、別に立川談志の発明でも何でもないんですが、談志が優れていたのは、一人一人の噺家をきっちりキャラクターづけしたところ。これにカラー時代にふさわしい着物の色が相まって個性が際立ち、チームとしてできあがっていく。その後、生まれる戦隊ヒーローものは『笑点』を参考にしているはずです」
「はずです」というのはヘンだな。唐沢はかつて平山亨Pと親しくしていて、平山Pから聞いた『秘密戦隊ゴレンジャー』の制作秘話をコラムで発表したこともあるくらいなのだから、参考にしていたかそうでないかはわかるだろうに、にもかかわらず曖昧なものの言い方をしているのが理解に苦しむ。それ以前に「演芸評論家」だったのかと。
●現在発売中の『週刊新潮』10月15日号の記事「CM6本に「整形美女」の役もハマった「菜々緒」の疑惑に父が答えた!」に唐沢俊一がコメントを寄せていた。『週刊新潮』P.37より。
ともあれ、評論家の唐沢俊一氏はこんな見方をする。
「ネットで叩かれれば、それだけタレントの知名度はあがっていく。それに、どこが整形っぽいのか気になって、出演番組を追いかけたい衝動にも駆られるはず。だから、疑惑の火種は所属事務所ではと邪推すらしてしまうのです」
…うん、特に言いたいことはないね!
むしろ気になったのは同じ号に載っている『東京情報』第137回「「爆買い」の風景」だったりする。要は、日本にやってくる中国人観光客はとにかく礼儀をわきまえていないという話で、秋葉原にやってきた中国人観光客などは下のように描写されている。同誌P.122より。
1階の案内カウンターには、中国人のおばさんが詰め寄り大声で苦情を言っていた。そのすぐ脇に設置されたベンチでは、中国人の若者4人が近所のコンビニで買ったと思われる弁当を食べている。全員が小太りで、同じような黒縁のメガネをかけている。
「若者4人」で笑ってしまった。昔の風刺漫画っぽい。日本人観光客はみんな出っ歯で首からカメラをぶら下げている、みたいな。まあ、唐沢俊一の「脳内秋葉原」も相当なものだったけれど(2009年8月31日の記事を参照)。
自分は最近中国人観光客に遭遇する機会がよくあるのだけど、彼らの態度がそこまでひどいとは思えないので、デンマンさんは実際に現地で取材したのかね? と思わないでもない。文章を読んでいてもリアリティを感じないんだよなあ。
あと、この号の『週刊新潮』P.111にはジョン・ギラーミンの追悼記事が載っているのだが、文中に「『レゲマン鉄橋』」とあったので笑ってしまった。唐沢俊一をよく起用する雑誌だからって似たようなミスをしなくても。ついでに書いておくと、山本弘氏も『週刊新潮』を読んでいる模様。『東京情報』もチェックしているのだろうか。
●少し遡って『週刊新潮』10月1日号に掲載されている『東京情報』第135回「模倣とパクリ」は、東京五輪エンブレム撤回騒動を取り上げつつ、「模倣とは文化の基礎なのだ」と主張しているのだがヘンなところがいくつかあったので指摘しておく。
その1。デンマン氏が当のエンブレム撤回騒動についてよくわかっていないままに話を進めてしまっている点。あの騒動を少しでも追いかけていれば「模倣とは文化の基礎なのだ」などと言って済ませられるものではないのはわかりそうなものなのに。佐野研二郎はともかく唐沢俊一は「基礎」がしっかりしていなかったからP&Gを多数やらかしてしまったわけなのだが。
その2。デンマン氏は「模倣が否定され出したのは近代になってから」「日本には本歌取りの伝統がある」などと主張し、それから『隠し砦の三悪人』と『スター・ウォーズ』との関係も論じているのだが、これらは唐沢俊一が過去に論じてきたことと似通っていて当惑させられる(まとめWiki、2009年1月13日の記事をそれぞれ参照)。一体この2人にどんな関係が…? あと、『まんが極道』でパクリを擁護してボコられていた人っぽくもある(2009年4月27日の記事を参照)。
その3。デンマン氏はこんなことを言っている。『週刊新潮』P.113より。
私は別に佐野を擁護したいのではない。ただ、バッシングを続ける人々に軽薄さを感じるだけだ。
…デンマンさん、過去にバッシングされたことがあるのかね? まあ、バッシングをする人の中には軽薄な人もいるのだろうけど、その反面「そんなに叩くことないじゃないか」と事情も分からぬままやみくもに擁護する人もいて、自分はそのような人にも軽薄さを感じる。そのような人たちは「ヨクシラナイト」と一部で呼ばれているようである。
その4。今回の『東京情報』はエンブレム撤回騒動に憤るアルバイトの若者にデンマンさんが答える形式になっているのだが、以下のように締め括られている。同誌P.113より。
(前略)ところで君は、佐野から直接損害を受けたのかね?
小暮君がたじろぐ。
「い、いえ……」
だったら黙っていればいい。デザインなんて簡単だというのは誰にでも言える。そこに何が現れるかが重要なのだ。なにしろ、俳優の田辺誠一だって、騒動発生後、即座に独自の五輪エンブレムを発表したくらいだからな。
小暮君がしゅんとする。
「すいません、ミスター・デンマン。意外と日本の芸能界に詳しかったんですね」
実在しない若者をやりこめてもなあ。むなしくならないのかね。実在する普通の若者なら「じゃあ、ミスター・デンマンもご自分の利害に関係のないことには黙っていてくださいね」くらいのことはすぐに言い返すと思う。唐沢俊一の場合は盗用された被害者にもまともに対応できなかったわけだけど。
それから、田辺誠一云々のくだりは一体何の関係があるのかさっぱりわからない。デンマンさんはやっぱり今回の騒動についてよく理解しないままネットやマスコミへの反感だけであれこれ言っているんじゃないかなあ。軽薄な人である。
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