唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

HOT FASHION.

流用過多。



新年あけましておめでとうございます。今年も「唐沢俊一検証blog」をよろしくお願いします。
 …と、今頃書くのもどうかと思うが、検証対象に動きが見られなければ更新の頻度が落ちるのも当然なのでしかたない。唐沢俊一関係の情報があればコメント欄かメールでお知らせしていただけると嬉しいです。



唐沢俊一が主宰するサークル「NO&TENKI商会」による冬コミの新刊『ファッション大魔王〜世界のファッション・モンスターたち』は、サークルの公式ブログに、

ジ●ンシーもディ●ールも、こんなトンデモファッションを発表していた!
SF、動物、アニメ、エロス…様々な事象から着想を得た世界的デザイナーたちが大真面目に1着の服を仕立て上げる。その奇抜でブッ飛んだ約180点にもおよぶファッション・モンスターたちをカラーページ増量してまでツッコミ紹介!


 とあるように、ファッションショーで発表された数々の奇抜なファッションの写真にツッコミを入れる内容になっている。公式ブログおよびとらのあなで通販されているので、興味のある方は入手してみよう。



 さて、自分はマドさんのTwitterで新刊の表紙を見てからというもの、ずっと疑問に感じていた。


「この画像ってネットから拾ってきたものなんじゃ?」


 表紙の真ん中にはモンブランを頭からかぶったかのようなモデルの写真が載っている。そこでモンブラン ファッションショー」で画像検索してみたところ、すぐにこのモデルの別角度の写真が見つかったので、それからさらに「類似の画像」を探すと、表紙に載っている写真と同一の画像が見つかった(googleの検索結果より)。出所が多すぎるので、どこから拾ってきたかはわからないけれど。…それにしても、本文を見るまでもなく、表紙だけで不安をかきたてる人って他にいないよなあ、と妙なところで感心してしまった。



 それとは逆に出所がわかるケースもある。公式ブログととらのあなには新刊のサンプルがあるのでそちら(一応ここにリンクしておく)を参照してほしいが、P.4の右下の「キツネ顔の女」の写真には「VIA BAJIROO.COM」という表記があって、BAJIROO.COMに投稿された写真を持ってきたのだな、とわかる。



 もうひとつ、サンプルで見られるものについて指摘しておくと、P.24の左下の写真には以下のようなコメントが付いている。

デザイナーのXavier Foraはこのモデルたちに特別手当を出したそうな


 で、Pinterestにはこれと同じ画像があって、投稿者がコメントをつけている。

This versatile design by Xavier Fora helps models Anastasia & Tara earn extra money as laundry couriers


 …だから、たぶんここが出所なんだろうな、という気がする。ちなみに、この投稿者はこれ以外にも“Fashion Bizarre”というカテゴリーに画像を投稿しているが、『ファッション大魔王』には“Fashion Bizarre”と同一の画像が複数掲載されている。
 なお、サンプルで紹介されている部分以外にも気になる点があるので、その辺はあらためて指摘するかもしれない。画像の出所を探るのは面白いので、興味のある人は新刊を手に入れてやってみたらいいかも。




 また、『ファッション大魔王』には、奇抜なファッションへのツッコミとともに、ファッションにまつわる名言があちらこちらに書かれているのだが、それらの名言のほとんどがウェブ石碑で見つかるのも気になった。「“衣装”とか“前衛”とかファッション関係のワードをウェブ石碑で検索したんじゃないの?」などと一瞬思ってしまったが、いやいや、博覧強記で知られる唐沢さんのことだから、出典を聞かれたらたちどころに答えてくれるものと信じることにした。



 以上のように、唐沢俊一は相変わらずネットを駆使しているわけだが、ネット上の画像を一冊の本にまとめることについてはやはり疑問が残る。実際に新刊をチェックしてみても、全部で180点にものぼる画像の出典は記載されていないし、著作権の処理についても説明されていない。
 これは同人誌ではなく商業出版だが、片岡K『ジワジワ来る○○』(アスペクト)がネット上の画像の取り扱いに関して物議を醸している(日刊サイゾー)。それを知ってか知らずか、唐沢も似たようなことをしてしまっている。で、『ファッション大魔王』と『ジワジワ来る○○』は著作権の処理以外にも「面白画像に一行ツッコミを入れる」というスタイルが酷似しているのだが、どうせなら唐沢も商業出版で出せばよかったのになあ、と思わないでもなかった。アスペクトは『社会派くんがゆく!』シリーズを出していたところなのだし。 


 あらためて言うまでもないことだが、奇抜なファッションの画像はネット上にいくらでもある。“weird fashion”でも“bizarre fashion”とでもググればすぐにたくさん見つかる。それに昔「VOW」でファッションショーの奇抜なファッションの写真を見たこともあるから、さほど目新しい着眼点でもない。わざわざ本を買う必要はあるのか?という疑問をおぼえざるを得ない。
 もちろん、180点もの画像をネット上から集める労力には感心しはするが、せっかく本にするならば、「どうしてファッションショーでは奇抜なファッションが見られるのか?」という謎にも取り組んだ方がよかったのではないだろうか、と思うのだが、『ファッション大魔王』のまえがきを見る限り、唐沢俊一にそのような希望を持つのは間違っているのかもしれない。P.17より。

 さすがに世界でそのファッションセンスを絶賛されているデザイナーたちというか、その尖端性を売りにしている人々の「違い」は大したもので、年ごとにその差異性には磨きがかかり、それは次第次第に過激化し、突出し、今やそういう新作発表会における彼らの作品は、もはや「服」という概念からも逸脱するようなもの、油断しているとここがお化け屋敷かビックリハウスではなくファッションショー会場であることを失念させてしまいそうなもの、異次元の産物ではないかと首をかしげたくなるもの、もっとはっきり言えばキチガイの考え出したものではないか、としか思えないものの発表会になっている。

 では、たっぷりと(180点)、その「最尖端的」なキチガイたちの作品をお楽しみいただこう。常識はチャレンジを受ける。ワイシャツの裾を出したスタイルなど、ちょっと前までは下品の極みだったものが今や裾を入れているとダサいと笑われる。いつ何時、ここで紹介した作品群を着た若者たちが、街を闊歩しはじめるかもわからない。


 同人誌だから言葉遣いに気を配らなくてもいいのかもしれないし、唐沢は「キチガイ」を褒め言葉として使っているのかもしれないが、仮にそうだとしても「キチガイ」を笑い物にするかのような態度はあまり感心できない。
 結局のところ、かつて貸本漫画の欄外にツッコミを書き込んだのと同じように、ネット上の画像にツッコミを入れたのが今回の新刊、と考えればなかなか筋の通った態度であるようにも思える。もっとも、古本や古雑誌からネタを探すのとネット上からネタを探すのとでは労力が違うし、そもそも唐沢のツッコミは面白いのか?といった問題はありはするものの。



タコシェで既刊『唐沢俊一検証本VOL.1』『唐沢俊一検証本VOL.2』『トンデモない「昭和ニッポン怪人伝」の世界』『唐沢俊一検証本VOL.3』『唐沢俊一検証本VOL.0』「唐沢俊一検証本VOL.4」の通販を受け付けています。タコシェの店頭でも販売しています。
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