唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

最近のシュンイチ(2013年8月中旬篇)。

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唐沢俊一が芸能事務所に所属することになった、というお知らせを唐沢の公式サイトで行っている。これに伴って7月12日の記事に追記をしておいたので参照されたい。声優さんのインタビューの商業出版はいずれ実現してほしいものだけど。
 新たな環境で頑張ってほしいものである。



8月13日11時からTBS系列で放送されたひるおび!内のコーナー「常識クイズどっちがホント? 世界陸上スペシャル」に唐沢俊一が解説役で登場していたが、スポーツに詳しくない人をスポーツクイズの解説役に相変わらず起用していて(1月25日の記事3月12日の記事をそれぞれ参照)、そっちの方がクイズよりもよっぽど謎。



●現在発売中の『ENTAME』9月号の特集コミケの中心で表現の自由を叫ぶ夏!」の中で『「表現の自由」と「児ポ法規制」の平行線』というタイトルの唐沢俊一のインタビューが掲載されていた。余談だが、公式サイトの「日記メモ」7月13日分にこのインタビューの模様が書かれているが、唐沢はインタビューの前に転倒してしまったそうでお気の毒である。健康には気をつけてほしい。


 で、インタビューの方といえば、冒頭で「クールジャパンと表現規制はまったく矛盾していない」と語っている。『ENTAME』P.50より。

(前略)海外に日本の素晴らしいマンガやアニメ、オタク文化を輸出しようとするのはいいことだけど、今のままだと国全体に火の粉が飛んでくる。それを避けようとするのは政府としては当たり前のことです。だから、世界基準に合わせた規格作りが必要になってくる。クールジャパンと表現規制は、矛盾でもなんでもないんです。


 児童ポルノ規制を推進している人に「クールジャパンのために新たな規格を作ろう」と唱えている人がいるのかどうか、まずそこが疑問。都条例も海外の目を気にして作ったのだろうか。「海外輸出用に新たな規格を作る」のと「国全体で新たな規格を作る」のとではだいぶ違うしなあ。


 P.50より。

 ただ、現実を見ると、建設的な議論はまったく行われていません。規制しようとする側も、石原慎太郎さんや片山さつきさんみたいに、感情的にモノを言う人を出してくる。反対派も、「石原も昔はポルノ書いてたくせに!」と口汚く叩くだけ。お互いにまとも議論していく(原文ママ)姿勢が皆無なんです。


 山本弘会長児童ポルノ規制に関連して石原慎太郎の小説に言及しているが、文章の内容自体はたいへん冷静なものだと思う。もちろん、理性的に物事を考えられる人は会長以外にもたくさん居るので、唐沢俊一がどうしてそんな風に決めつけるのかわからない。



 P.51より。

 いちばん問題視されるのは「これがいけない」という基準が限りなくグレーなところなんだけど、取り締まる側はこれまで、線引きされた法律の基準を業者が実に巧妙にかいくぐる、という事例に懲りているんですよ(笑)。ある程度の恣意的判断を認めてくれないと取り締まれない、というのは現場の声だと思います。お互いそれぞれの事情をくんで接点を見つけないといけないのに、もう腫れ物同士が触れ合うような、過敏な部分で争っている。

 …いや、現場の「恣意的な判断」で取り締まられたら大変なことになっちゃうと思うのですが。goo辞書

しい‐てき【恣意的】
[形動]気ままで自分勝手なさま。論理的な必然性がなく、思うままにふるまうさま。「―な判断」「規則を―に運用する」


 やっぱ怖いって!  もしかすると「裁量」のつもりで言っているのかもなあ、「恣意的判断」。


 P.51より。

 「一度リセットして、話し合える環境を作ろうよ」と誰かが言わなきゃいけない段階に来ていると思います。政府や自民党にもオタクはたくさんいるんだから、そういう人にももっと表に出てきてほしい。オタク側も前向きで現実的な議論ができる人が出てこないと。


 唐沢俊一がこのインタビューを受ける前に、赤松健自民党本部で講演をしている(togetter)。そもそも、今日までに多くの人々の尽力があったからこそ表現の自由は守られてきたわけで、それを「一度リセットして」などと言ってしまうのは乱暴すぎる話だし、実際のところ唐沢は一連の児童ポルノ規制問題を我が事として考えていないのでは?と思われてくる。



 P.51より。

 残念ながら僕らの世代のオタクは、もう今のオタク文化から取り残されちゃって。だから何を言っても両方から反発されて終わるだけなんです(笑)。現状を打破する新しい人材と動きに、期待したいですね。


 これがインタビューの締めくくりだが、なんとも寂しい終わり方である。もっと景気のいいやりかたがあったんじゃ…。
 まあ、唐沢俊一と同年代のオタクでも「今のオタク文化」についていっている人は当然いるわけで、唐沢が取り残されたり反発されるのは、あくまで個人的な問題に過ぎないような気もする。



 今回の唐沢俊一のインタビューに特に目新しい論調は見られず、「規制推進派も反対派もどっちもどっち」という話は以前にもしていた(2010年6月1日の記事を参照)。それに、表現の規制について楽観的な見方をしているのも以前と同様である(2010年12月19日の記事を参照)。唐沢は今回のインタビューの中で、

こんなことを言うと、「唐沢は規制賛成派か!」と叩かれるんですが(笑)。

 とボヤいているが、叩かれる原因があるとするなら、表現規制に対してきわめてノンキに構えているにもかかわらず、賛成派と反対派よりも高みに立ったつもりで意見する、そのような唐沢の姿勢にあるのではないだろうか。