唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

唐沢俊一検証雑感・その3

タコシェで既刊『唐沢俊一検証本VOL.1』『唐沢俊一検証本VOL.2』『トンデモない「昭和ニッポン怪人伝」の世界』『唐沢俊一検証本VOL.3』『唐沢俊一検証本VOL.0』「唐沢俊一検証本VOL.4」の通販を受け付けています。タコシェの店頭でも販売しています。
・初めての方は「唐沢俊一まとめwiki」「唐沢俊一P&G博覧会」をごらんになることをおすすめします。
・当ブログにコメントされる場合には誹謗中傷および個人を特定しうる情報の掲載はおやめください。守られない場合には厳正に対処する可能性があります。
・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方、唐沢俊一に関する情報をご存知の方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。
karasawagasepakuri@yahoo.co.jp



唐沢俊一メルマガで『社会派くんがゆく!』を復活させるとのこと(唐沢俊一公式サイト)。自分は唐沢の盗用が発覚した時点で『社会派くん』は終了すべきだったと思っているが、「再開を希望する声の高かった」とは知らなかった。問題のある人のメルマガ、と言えば日垣隆上杉隆を連想してしまう。あと、以前日記で書いていた「ネットでの連載仕事」はまさかこのメルマガのことじゃないとは思うが…。
 なお、「唐沢俊一検証blog」での唐沢検証は近いうちに終了する予定なので、このブログで唐沢のメルマガについて逐一検証することはないと思う。よっぽど内容がアレだったときには取り上げるかもしれないが……。



●前回のエントリーで「“唐沢俊一検証blog”と唐沢俊一の不調はたぶん関係ない」旨を説明したところ、(元祖)来訪者さんからまたコメントを頂いたので、その一部を紹介させていただく。

まあ、ぶっちゃけて言えばネットの絶賛もバッシングも
本の売れ行きにはあまり影響はなくて、ネットでライターを
バッシングする人たちは毎日雨乞いしたり、手製のデスノート
全人類の名を書き込んで、雨が降った場合は「自分のおかげ」
バッシング対象が困苦した際は「ネットのバッシング=自分の力」
と自慢して、そうでない場合は「そういう意図はない」
「ネットのバッシングでxxが人気凋落したなんて、誰が言った?」
と、とぼけるのが定番ですからねぇ。


 このくだりを読んで、「最近の唐沢俊一は不調なのか?」という点について説明不足だと気が付いたので、今回はそれを若干補足しておくことにする。なお、一人称を変えるなど通常の文章とは若干異なる点があるが、気分の問題なのであまり気にしなくてもいい。




 (元祖)来訪者さんは最初のコメントで「唐沢氏はテレビ中心に中々の活躍」と書かれているが、この人に限らず唐沢氏がTVに出演した際に「盗用した人間にまだ仕事があるなんて!」という驚きとも憤りともつかない反応をされる方をネット上でたまに見かける。
 どうも世間一般には「TVに出ている=仕事がある」というイメージがあるようで、芸人や俳優が少しTVに出ないと「あの人は消えた」と思いこんでしまうことがありがちだ。芸人の場合はTVに出なくても営業で大忙しということもあるし、俳優の場合は舞台に出演していることもあるにもかかわらず、である。ましてや唐沢氏は芸人でも俳優でもないライターである。あくまで本業は文筆業であって、どれだけライターとしての仕事をこなしているか、そこで判断すべきである。


 その視点から見れば、盗用が発覚して以降の唐沢氏のライターとしての仕事が減っていることは明らかだ。「唐沢俊一検証blog」がスタートして以降、10本の連載が終了し、現在は『幽』での年2回の連載とどこかの雑誌で担当しているらしい匿名のインタビュー記事しか連載を担当していない。
 それから、参考までにこの10年分の唐沢氏が出した単行本の数のリストを作ってみた。「再編集」は既存の単行本の文庫化などをいい、「と学会」は「トンデモ本」シリーズおよび「と学会年鑑」シリーズを含む「と学会」から出された本を指している。なお、これ以外にも他者の著書にゲストとして寄稿したものや解説を担当した本が多数あるが、それらのリストは後日紹介したい。



2003年=単著5冊、共著1冊、再編集2冊、と学会2冊
2004年=単著1冊、共著3冊、再編集2冊、と学会3冊
2005年=単著0冊、共著2冊、再編集2冊、と学会1冊
2006年=単著2冊、共著1冊、再編集2冊、と学会2冊
2007年=単著3冊、共著4冊、再編集2冊、と学会3冊
2008年=単著1冊、共著4冊、再編集1冊、と学会2冊
2009年=単著1冊、共著3冊、再編集0冊、と学会3冊
2010年=単著0冊、共著1冊、再編集0冊、と学会1冊
2011年=単著1冊、共著0冊、再編集0冊、と学会2冊
2012年=単著1冊、共著1冊、再編集0冊、と学会1冊
                                 






 ここ3年間に出している本の数が減っているのがよくわかる。2003年は『トリビアの泉』放映開始の翌年だが、数字で見てもやはりあのブームは凄かったと実感させられる。興味深いのはトリビアブームが続いているはずの2005年が何故か低調なことだが、この点を穿鑿するのはまたの機会にしたい。いずれにしても、唐沢氏の文筆業としての仕事が減っているのは明らかなので、TVで見かけたからといって「仕事はある」と思うのは早計だ、ということである。ぼくは前回も「最近の唐沢さんの仕事は減っているけど、それと検証は関係ないと思いますよ」と言っているのに、なぜか(元祖)来訪者さんがぼくが唐沢氏の仕事が減っていない言い訳をしているかのように読み違えているのがつくづく不思議である。「と学会の本の売れ行きが最近盛り返している」という根拠も示せていないし、フワフワした話をされても困る、というのが正直な気持ち。





 もうひとつ言いたいのは、唐沢氏がTVに出ているのを観て、「盗用した人間が何故TVに出られるのか」と怒っている人をたまにネット上で見かけることについて、である。これはもう個人の感覚になってしまうが、「盗用した人間は筆を絶って表舞台から姿を消すべきだ」という人もいるだろうし、「もう一度チャンスをあげてもいいのではないか」という人もいるだろう。
 


 その点、ぼくは「メディアが使うのであれば仕方がない」というあまり前向きでない考え方をしている。唐沢氏を起用することによってメディアも「盗用した人間に甘い」とか「ネット上の評判に疎い」といったネガティブな印象を持たれるリスクを負うので、「それでもやりたければやれば」という堤義明ライクな考え方をしてしまうわけである。それに、「唐沢さんだって食べていかなければいけないんだから」とも思うので、あまり激越なことは言いたくない。別に唐沢氏のことを憎んでいるわけでもないのだ。


 実はメディアの方でも、唐沢氏の評判について全く知らないわけではないのではないか、とも思う。唐沢氏がTVで雑学を披露すると同時に表示される「※諸説あります」というテロップにもそれがうかがえるし、スタッフが事前にネタを用意してそれを唐沢氏に読み上げさせる分には盗用やガセビアの危険は少なくなるわけで、TVの人もある程度わかっているんじゃないの?という気はしている。




 ぼくが気になるのはむしろ起用するメディアではなくて起用される唐沢氏の心境である。TV出演したときの様子が日記で書かれているのを読んでも、TVに出演するのが好きなようにはあまり見えないのだ。思うに、唐沢氏にしても岡田斗司夫氏にしても、自分で場をコントロールするのは好きでも他人にコントロールされるのは苦手な人たちである。そんな人がTVに出てスタッフに指示されたり共演者にいじられたりしてよく思うはずがないわけで、『ひるおび!』でクイズを解説している唐沢氏を見るたびに、なんとなくいたたまれない気持ちになる。


 さらに言えば、本業の方でもそのような状況があって、雑誌に依頼されてインタビューを受けてもコメントで使われるのはほんの一部だし、上の方で書いた「どこかの雑誌で担当しているらしい匿名のインタビュー記事」にしてもそうである。つまり、これは唐沢氏のインタビューを元に「どこかの雑誌」の編集者が記事にまとめるわけで、唐沢氏が自分でコラムを書くよりも縛りがずっと大きいのではないだろうか。だから、TVの方と同じく起用している「どこかの雑誌」はある程度事情をわかってあえてやっているようにも思える。


 ライターとしての仕事がある、それ自体は良いことであるに違いない。ただ、以前唐沢氏がニコニコ生放送に出演した際に漏らした「自分で書いて納得できる本は10冊あるかどうか」という呟きがぼくには忘れられなくて、どうか唐沢氏にはご自身が満足できる仕事をしてもらいたい、と願っている。