唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

唐沢俊一検証雑感・その2

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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp




 今回も唐沢俊一氏の諸問題を考えるうちに自分なりに感じたことを書いていく。一人称を変えるなど通常とは異なる書き方をしているが、単なる気分の問題なので気にしなくてもいい。今回のテーマは「“唐沢俊一検証blog”の活動に伴う影響について」。



 5月10日のエントリーに来訪者さんから下のようなコメントを頂いた。ちょうどいい機会なので、これに答えるかたちでぼくが常々気にしていたことを書いていきたい。

来訪者 2013/05/22 19:34
 どうも、昔このHNで数回カキコしていた者です。
ネットのバッシングにも力が無く、唐沢氏はテレビ中心に中々の活躍と思いますが、
検証班様を代表とされる、ある種ネット言論を最強と思う原理主義者の皆様は、
現状をどうお思いでしょうか?
 あと、と学会の苦境の原因(要するに、本が売れない)は、唐沢氏の問題云々とか、
ネットのバッシングがどうの、とは関係ありません。
 ただ、最近はまあまあ売れ行きは盛り返しています。
 アンチの人たちは認めたく無いことだと思いますが。
 あと、自分にとって最大の謎は、「ちはやふる」を書いてる人もかつて
唐沢氏と同じ問題を起こしており、その後の悪あがきもその内情が『創』に
出たのも似た展開だったのですが、何故か藤岡さんがちはやふるキャラ
には萌え萌え〜、のことです。
 ダブルスタンダードの理由をお教え下さい。
 伏してお願いします。

(頭は良くない)来訪者 2013/05/24 16:01
 検証班様、わざわざすみません。当方の発言にあまり他意はないです。
 人間は、得に(原文ママ)ヘビーなネットユーザーは自分が嫌う情報は入手したくない
らしく、最近のと学会本があっという間に増刷ということも、と学会のメンツの
本が出版社を変えて続々出ている事実もアンチの皆さんはご存知ないようです。

 検証班様がメディアのネット批判を具体性がなく情緒的と批判していますが、
自分にはアンチ唐沢・アンチと学会の人たちも同類にしか見えません。
 それにしても、検証班様の好きな用語と思える「ネット包囲網」を見事
突破した唐沢氏の手腕は大したものと思うのですが、いかがなものでしょうか。

 単純な疑問として、ブロガーの人々一般には無意識的にネット賞賛のけらい(原文ママ)が
あると思えるのですが、やっぱり自分が嫌いな人がメディアでちやほやされるのが
むかつくんでしょうね。それこそ「情緒」「具体性はない」「論理はない」の
典型なのですが。

 まず最初に小さな問題を片付けたい。この方はぼくを「ある種ネット言論を最強と思う原理主義者」「ヘビーなネットユーザー」などと呼んでいるが、だいぶ昔にドラゴン山崎氏にも「ネットや資料だけをソースに原稿書く手合い」と呼ばれたことがあるので、唐沢氏を検証している人間を「ネットでしか批判できない人間」と思い込みたい心理がある種の人々には存在するのかもしれない。


 ただ、ぼくはこの手の話をされるたびにまるで他人事としか感じられない。だって、検証に当たってはむしろネット以外で動くことが多いのだから。通常のブログのエントリーの作成にしても、ネットの資料オンリーで仕上げられるのはそれほどなくて、書店や図書館に入り浸っては資料を漁っている。そうしないと不安になってしまうくらいだ。それに関係者と会って直接話を聞くこともたびたびあったし、取材のために遠くまで出かけたこともある。東大の講義で唐沢氏本人にも直接話しかけたこともある。むしろネット上の文章をコピー&ペーストする癖のある人の方が「ネット上の情報は正しい」と信じ込んてしまっているのではないか。武士の情けで特に名は秘すが唐沢俊一という人である(筒井康隆風)。


 それに「ある種ネット言論が最強だと思う原理主義者」だったら、わざわざ本を何冊も作ったり、コスプレしてコミケに参加して唐沢氏本人に献本したりはしない。未遂に終わったけれど、単行本の発売記念イベントで唐沢氏に直接質問しようとしたこともあった。あの時は相当気合いを入れて準備をしていたから、唐沢氏の体調不良でイベントが中止になったと知ったときには全身から力が抜けたのをよく覚えている。そういうわけだから、ぼくはネットを過信しているわけではないと思うのだけどどうだろう。



 唐沢氏の諸問題を検証するにあたってブログを始めたのは、もちろんネットの特質を活用しようとしたからである。多くの人に問題を知ってほしいという思いと調べ上げた結果が後々まで残ってほしいという思いがあったのが大きい。もちろん、それだけでは十分ではないと思っていて、検証した内容を本にまとめることも最初から頭の中にあった。本という「かたち」にして唐沢氏に手渡したい、というのが最初の考えだったが、それを考えると我ながらずいぶんと遠い場所まで来てしまったような気もする。
 結局はシンプルな話で、ぼくはネットとリアルをそれぞれケースバイケースで使い分けしている、それだけのことに過ぎないのに、何故「ヘビーなネットユーザー」などと思われるのか理解に苦しむところである。




 さて、来訪者さんは「ネットのバッシング」にも関わらず「唐沢氏はテレビ中心に中々の活躍」「最近のと学会本があっという間に増刷」していると書かれている。
 当たり前の話になってしまうが、ぼくは唐沢氏の仕事が増えて「と学会」の本が売れるのは大変結構なことだと考えている。唐沢氏や「と学会」の名前が知られれば知られるほど、唐沢氏の問題を調べている「唐沢俊一検証blog」に接する人も増えるはずだから、こちらとしても歓迎すべきことである。「唐沢氏の本業であるはずの文筆業としての活躍は?」「増刷したかではなく売れ行きで判断すべきでは?」というツッコミは野暮だからこの際やめておく。「と学会」の本が売れていなかったって本当?



 そして、次が重要なのだが、唐沢氏の諸問題に関する一連の検証活動によって唐沢氏に影響が出ていると、ぼくは考えていない。
 ネット上でも「検証によって唐沢氏がダメージを受けた」云々といった話を時々目にすることがあるが、ネット上での評判と現実での動きは必ずしも連動しない。たしかに最近の唐沢氏は著書をあまり出していないが、それは唐沢氏本人の体調不安と折からの出版不況によるところが大きく、唐沢氏の不調とネット上で騒がれた時期が「たまたま」重なったせいで、「検証によって唐沢氏がダメージを受けた」ように見えたに過ぎない、という可能性は大いに有り得る。少なくともぼくには自らの検証によって現実に変化が起きた、という実感は全くなく、自分の行動が唐沢氏に影響を与えたとも全く思っていない。むしろ、来訪者さんの方に「ネットは怖い」「ネットで批判されると大変だ」という思い込みがあるように感じられるのが興味深い。そもそも誰かに影響を及ぼそうとしてネット上で検証をする、というのはやり方としてあまりに迂遠すぎはしないだろうか? 
 ネットでボロクソに言われていても現実で活躍しているクリエイターはたくさんいるのだから、唐沢氏も本当に実力があるのであればすぐにまた活躍するだろうし、そうなることを祈りたい。



 最初に書いたことをもう一度くりかえしておく。今回は来訪者さんのコメントに反論するかたちになったが、「唐沢氏が検証によってダメージを受けた」云々という話にはずっと違和感があって、ちょうどいい機会なので少しばかり語ってみた次第。