唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

今、ブアカーオがスゴい!/パルプ・ノンフィクション

本当に強いムエタイの選手が日本で試合をするのを観ると、「シャレにならない人を呼んじゃったよ」と思いつつも「これはいいものを見た」とも思う。




唐沢俊一が5月22日に55歳になった(公式サイト)。おめでとうございます!

幸いなことに、まだロートルのオワコンとは認識されていないようで、今後につながる面白いお仕事の話なども、いくつもいただいております。

最近、ちょっと自分で発言が右(保守)寄りになってきているかな、と思いもしますが、これは年齢相応に、個々人よりも、それを束ねていく「国家」「社会」というワクの存在へ興味が移り、その周辺を深く考えるようになっていっているため(仕事もそのへんの視点からの依頼が多くなっている)でもあるでしょう。

 唐沢さんは以前から自民党びいき」を公言しているような人だから、加齢によって保守寄りになったわけではなくて、余計な装いが取れてきているだけのような気がする。正確には「現状維持」「運動嫌い」の人なのだけど。個人的に唐沢さんには、流行に乗るだけではなく、一見終わったかのように見えるコンテンツを蘇らせる仕事を期待している。


元木昌彦が『ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム』(宝島社)についてこんなことを書いている(日刊サイゾー)。

週刊朝日問題についてはこの欄でも何度か触れているので書かないが、『佐野眞一が殺した〜』についていえば、嫌な感じのする本である。たしかに、本来なら「引用」とすべきところを、出典を明記せず、あたかも自分が調べたかのように書いた佐野氏に非があることは間違いない。だが、彼がこれまで発表してきたノンフィクションにおける業績を全部否定するかのようなやり方は、私は認めるわけにはいかない。佐野の書いたものがノンフィクションに値しないのなら、大宅賞に何度もノミネートされ、『旅する巨人』で受賞することはないはずである。彼は間違いなく、優れたノンフィクション・ライターなのだ。

 先日会った田原総一朗氏も「あの本はひどいね」と怒っていた。水に落ちた犬は叩けとばかりのやり方は、少なくともノンフィクションに携わる人間のやることではない。

 このところノンフィクション氷河期といわれるほど、ノンフィクションが売れない。出版社も出したがらない。そんなときに仲間内でモメていていいのか。


 『創』の次号が発売され次第、元木氏が出席したという座談会の内容を確認するつもりだが、要は具体的に反論できないときの典型的なパターンで、「嫌な感じ」と情緒に訴えたり、「仲間内でモメていていいのか」と党派性をモロに出したりする、というか、そんなことしかできないわけだ。唐沢問題でもこの手の構図はよく見てきたが、名編集長として知られた元木氏にしてこれか、とガッカリさせられた。それに、『ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム』に収録された座談会に出席したライター達は佐野氏が「優れたノンフィクション・ライター」であることを皆認めている。だからこそ一連の盗用にショックを受けたわけだし、問題を追及しなければならないと思ったのだろう。にもかかわらずそれを「佐野の業績を全否定している」とするのは一種の詭弁だろう。被害を過大に申告して論敵を悪辣に仕立てるのもやはり具体的に反論できないときの典型的なパターンなのだが、元木編集長時代の『週刊現代』がこの手をやっていたかどうかまでは知らない。



 もうひとつノンフィクション関係の話題に触れておく。門田隆将著作権侵害で訴えられて第1審で損害賠償を命じられたのだが(日本経済新聞)、この件に関する門田氏の弁明がとても奇妙で(門田隆将オフィシャルサイト)、「著作権関連の話題だからうちのブログで書いてみるか」とひそかに資料を集めていたのだが、深沢明人氏が先に批判したので「じゃあ、もういいや」と思った次第。結局、著作権侵害で訴えられているのに、肝心の記述の類似については触れずに「ちゃんと事前に許可はとった」「裁判所はおかしい」「これではもうノンフィクションは書けない」と何故か反論にならない事ばっかり言っているんだよなあ。個人の問題に過ぎない事柄を一般的な問題にまで拡大させる、というのは唐沢問題よりも岡田斗司夫問題で見受けられるような。
 あと、門田氏が訴えられた裁判の判決文には注目すべき点があって、日経新聞の記事にもあるような門田氏サイドの「原著者の名前は参考文献の欄に明記してあるから原著者の著作権を侵害したわけではない」という主張を裁判所は「協力者や参考文献の著者として表示されるだけでは足りない」とはねつけている。この判決の考え方に従えば、佐野眞一の弁明も認められないことになる(3月15日の記事を参照)。法的な問題は置いておくとしても、地の文と引用した文章を明確に区別できるようにしておくのは文章を書く上での基本中の基本なのだけど。まあ、唐沢さんもこれができているかというと(以下略)。



5月14日にTBS系列で放映されたひるおび!内で唐沢俊一が「常識クイズ」の解説係をやっていたが、いつも通り脚本を読む係だったので省略。
 その一方で、唐沢は5月23日22時からTBS系列で放映された『今、この顔がスゴい!』にゲスト出演していて、「つぶやき日記」5月15日分によると、収録ではかなりウケを取ったらしい。

本番、さすが田崎さんはホンモノの文化人で私のようなエセとは違うし友利さんも専門ある人は強いが、話のフックの数はなんと言っても雑学屋に分があり、私の独壇場となる。もっともみんなもよく反応してくれて、特に亀梨のリアクションが最高。エロネタにも躊躇せず食い付いてくるし、いいな、彼。


 「独壇場」は誤用が定着した一例(本来は「独擅場」)。沖縄水産の校歌でも見られるものだ。天理との決勝戦でのレフトへの大飛球がいまだに忘れられない。



 で、実際に番組を観てみたのだが、番組内での唐沢俊一の発言は「昔の日本で新鮮なものを食べるのは権力者が自慢するためにやったもので、本当においしいものを食べられる漁師は熟成させたものを食べていた」というのと、病院食のサラダを食べて「マッシュルームにうまみがある」と感想を述べた、それだけだった。唐沢以外のゲスト、田崎真也と友利新もあまり発言していなかったから、唐沢個人の問題ではなく番組の構成上の問題なのだろう。それにしても、初鰹を競って手に入れようとしていた江戸の町人たちも「権力者」なのか?というのは気になるところなのだが。


 笑ってしまったのは、番組内で附田祐斗佐伯俊食戟のソーマ』(ジャンプコミックス)を紹介するときに、岡田斗司夫が「オタク文化評論家」としてVTR出演したことで、「それこそ唐沢さんに解説させろよ!」とブラウン管に向かって叫んでしまった。…いや、うちのTVはそんなに古くはないけれども。立ち位置が似ている2人を出すのも妙な気分で、「出演料が余計にかかるとか思わないんだろうか?」と要らない心配をしてしまったり。岡田のVTRが流れている時に唐沢の顔が画面隅にワイプで抜かれていたのにも笑ってしまった。
 なお、岡田は『ソーマ』について「料理漫画なのにHなリアクションをさせているのが大発明」と絶賛していた。ただ、『ソーマ』は当初はエロが期待されていたものの(理由はあえて説明しない)、最近では正統派の「燃える」少年漫画になっているし、過去にも宗田豪『天才料理少年味の助』(マガジンコミックス)に登場する料理の汁がやたらに噴き出して「エロい」と評判だった。他に今思い出せる限りだと、ふなつ一輝華麗なる食卓』(ヤングジャンプコミックス)もエロかったし、久住昌之水沢悦子花のズボラ飯』(秋田書店)もエロいといえばエロい。グルメとエロスの距離は意外と近いような気もする。


 前回の記事で来訪者さんが

ネットのバッシングにも力が無く、唐沢氏はテレビ中心に中々の活躍(後略)


 というコメントをされていたが、「活躍」と言うからには番組内でもっと目立ってほしいなあ、と思った次第。唐沢さんにしても岡田さんにしても…、といろんなことを考えさせられる番組だった。
 なお、来訪者さんのコメントをいいきっかけにして、次回は唐沢俊一検証blog」に関する俺の個人的な考え方を簡単にまとめておくことにする。どうせ総括の時にやるつもりだったので。








タランティーノのプロダクションは“A Band Apart”という名前だしね。下はおまけ。





タコシェで既刊『唐沢俊一検証本VOL.1』『唐沢俊一検証本VOL.2』『トンデモない「昭和ニッポン怪人伝」の世界』『唐沢俊一検証本VOL.3』『唐沢俊一検証本VOL.0』「唐沢俊一検証本VOL.4」の通販を受け付けています。タコシェの店頭でも販売しています。
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