唐ビニエ。
・タコシェで既刊『唐沢俊一検証本VOL.1』、『唐沢俊一検証本VOL.2』、『トンデモない「昭和ニッポン怪人伝」の世界』、『唐沢俊一検証本VOL.3』、『唐沢俊一検証本VOL.0』、「唐沢俊一検証本VOL.4」の通販を受け付けています。タコシェの店頭でも販売しています。
・初めての方は「唐沢俊一まとめwiki」、「唐沢俊一P&G博覧会」をごらんになることをおすすめします。
・当ブログにコメントされる場合には誹謗中傷および個人を特定しうる情報の掲載はおやめください。守られない場合には厳正に対処する可能性があります。
・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方、唐沢俊一に関する情報をご存知の方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。
karasawagasepakuri@yahoo.co.jp
●4月1日のエントリーに寄せられたtoorisugari氏のコメントを承認待ちの状態にしました。以前注意した事項を守らなかったうえに反省した態度が見られないことがその理由です。
当ブログにコメントされるのは非常にありがたいことですが、その際には一定の節度を守ってくださるようお願いします。
●これまでの検証で取り上げられなかったネタをいくつか紹介していく。
『と学会誌14』P.37の山本弘会長の文章より。
10月には続編『矢追純一 UFO機密ファイル』(竹書房)も出た。前作ほど笑える箇所は多くないものの、やはり天文学者フランシス・ドレイクのことを「フランソワ・ドレイク」と言ったり、暗殺された米大統領を「J・K・ケネディ」と言ったり、いかにも矢追氏らしいボケが随所に見られる。
「ロバート・ケネディ大統領」は「いかにも唐沢氏らしいボケ」なのだろうか(2009年9月29日の記事を参照)。
●『唐沢俊一脚本集』は「No&Tenki商会」で現在通販受付中だが、演劇の脚本にしては書き込みが多い、という指摘が「トンデモない一行知識の世界」のコメント欄であった。自分はもちろん(?)現物を持っているのだが、確かに書き込みが多い(とらのあなの紹介ページも参照)。とはいうものの、自分は演劇に疎いのでそれをもって脚本としての良し悪しは判断できなかった。漫画の原作と同じように書いているのでは?という気はしたものの。
そう思っていたら、「と学会」公式サイトで次のように紹介されているのを見つけて、「え?」と驚いてしまった。
NO&TENKI商会
『唐沢俊一脚本集』 945円(税込)
"劇作家"としての唐沢俊一の代表作2本を収録。フランケンシュタイン&ナチスという濃いテーマでのアドリブ・ギャグ劇。
いや、書き込みが多いから、さぞかし綿密な構成の舞台なんだろうな、と思っていたのに「アドリブ・ギャグ劇」とあったもので。そんなジャンルがあることすら知らなくて申し訳ない。ちなみに、『唐沢俊一演劇集』のアタマには、
もちろん、芝居というものは脚本を書いただけでは、まだその半分、いや十分の一も完成していない。それから何回にもわたる稽古を重ね、机上のアイデアが実際にイタにかけられるものへと変貌していく、その過程が何よりもワクワクする作業なわけである。
とある。本当に演劇が好きなんだろうね。次回公演はアクシデントのないように気を付けてほしい。
●唐沢俊一・岡田斗司夫『オタク論!』(創出版)P.190〜191より唐沢俊一の発言(2009年2月13日の記事を参照)。
(前略)僕は「自分は実はオタクではない」というコンプレックスを持った人間でもあるんですが、それなのになぜ岡田さんや眠田直さんとともに「オタクアミーゴス」を名乗ったり、オタク文化の担い手みたいなスタンスを取ったかというと、昭和33年生まれというのは、戦争も体験していなければ、飢餓も学生運動も体験していない。それではどこにアイデンティティを求めたらいいのかというと、僕らが共通に経験した高度経済成長の文化、中でも子ども文化が世代のアイデンティティになるんじゃないのかと思ったわけです。
唐沢がよく言っている話である。河出書房から出ている寺山修司のムックでも、
小学生五年だったか六年だったかのとき、三島由紀夫が切腹するんです。あのときの感じというのはちょうど、“ああ、せっかくこれからだと思っていたのに、お祭りが終わってしまった”という感じだったんです。当然、われわれは戦争・敗戦という、日本歴史始まって以来の共通体験に乗り遅れている。
と発言している(2010年9月6日のエントリーより)。それにしても、この唐沢の寺山修司トーク、彼が演劇に軸足を移した今になってみるとすごく面白い。
で、ジャン=リュック・ゴダールの『小さな兵隊』で主人公のブリュノ・フォレスティエ(ミシェル・シュボール)がこんなことを言っている(セリフはDVD版を参照した。カッコ内は引用者による付記)。
30年代には若者の革命があった/
(アンドレ・)マルローや(ピエール・ドリュ=ラ=)ロシェル だが僕らには何もない/
スペインには市民戦争 僕らにはない/
僕らにあるのは自分の顔と声だけ/
だが大切なのは自分の声を聞き 顔を認識することかもしれない/
さすがにこれはパクったわけではなく、要はどの世代でもこの類の感懐を抱いている人がいる、という話に過ぎない気がする。個人的には「戦争も革命もない平和な世の中に生まれてよかったじゃん」としか思えないけれども。
ゴダールで思い出した唐沢俊一の面白発言を紹介しておこう。唐沢俊一・志水一夫『トンデモ創世記』(扶桑社文庫)P.54〜55より。
(前略)上映期限切れのもので、スタンリー・キューブリックの『博士の異常な愛情』とかいろいろ見まくったのもこの時期で。「一年三六五本以上映画を見る」というのを目標に、無声映画研究会とかに通ってましたね。それでだいぶ目を肥やしたな。いい映画も悪い映画も垣根なしに見てましたからね。京橋のフィルムセンターにも日参して、(ジャン・リュック・)ゴダールや(イングマール・)ベルイマンも見まくった。で、ゴダールそのものには感心しても、ゴダールを語ってる連中がいかに馬鹿か、ということも学んでね。何でもかんでもゴダールで語ろうとする。そりゃ、借り物でしかなかろうが、とハナで笑ってた。ところが振り返ってみて、自分が借り物でなく語れる映画って何があるだろうと思うと、黒澤でなし、小津でなし、怪獣映画とアニメじゃないかと(笑)。
…えーと、ふたつの可能性があるんじゃないかな。ひとつは「本当はゴダールの映画が面白くなかった」。もうひとつは「ゴダールのファンにやりこめられた」、このどちらかだと思う。不思議なのは、「借り物」云々にこだわっているところで、ゴダールでも黒澤でも怪獣映画と同じように観ればいいのに、と思う。何でわざわざ区別するんだろ。…とはいえ、唐沢俊一の文章を読む限りゴダールを観ているとは思えないし、もし観ていたとしても好きになるとはあまり思えない。
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