『日中韓お笑い不一致』本日発売!
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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp
唐沢俊一の新刊『雑学プロファイル・日中韓お笑い不一致』(徳間書店)が本日発売された。自分の地元の書店では見かけなかったが、紀伊国屋書店新宿本店のサブカルコーナーに並んでいるのを見かけたので、ちゃんと出ていることは間違いない。みなさんも大きめの書店へダッシュだ!
それでは早速新刊の内容を簡単に説明していく。全ページ数は230。「ジョークは国の鏡」と題した前口上の後で、中国・韓国・日本をテーマにしたジョークが紹介されている。ジョークをひとつ紹介した後で、ジョークに関する文章が3ページほど続くという構成。そして、巻末45ページでは「日中韓実笑分析」と題した石平・呉善花両氏との鼎談が収録されている。
ジョークを紹介するコーナーにはイラストがついているのだが、イラストを担当しているのがなんと西尾鉄也だったので少なからず驚いた。名アニメーターじゃないか。本書の編集を担当している大野修一氏のチョイスだろうか。…しかし、せっかく西尾氏がイラストを描くのなら、表紙も描いてもらえばよかったのになあ。Amazonにある書影を見てもわかるようにいかにも殺風景だもの。西尾氏の描く押井守監督のイラストは実にいいので(こんな感じ)、同じように唐沢俊一もイラストを描いてもらっていればなあ。なんとも惜しい。
唐沢俊一について調べていると、本文よりプロフィール欄や近況欄の方が面白いことがよくあるのだが、本書に掲載されたプロフィールもなかなか面白い。
唐沢俊一(からさわ・しゅんいち)
一九五八年札幌生まれ。高校時代からアニメ・特撮関係のファンクラブを組織。大学時代は芸能プロダクションで働き、イッセー尾形のもとでのアルバイトの他、アニメ・特撮などのファン活動も行ってきた。一九八八年からライターとなり、サブカルチャー分野中心に活躍。一九八二年(原文ママ)に同好の士と共に作った読書団体『と学会』で有名になる。また、著書を元に製作された番組『トリビアの泉』のスーパーバイザーをつとめ、その後数多くのテレビ番組にコメンテーターとして出演。現在は演劇活動(作・演出)にも力を入れている。
「一九八二年」に「と学会」を結成するのは早すぎだろう(正しくは1992年に結成)。本文を読む前からこれか、と少々心がくじけたが、あらためてこのプロフィールを眺めてみると、今までのプロフィールよりは詳しくなっているように思う。イッセー尾形のところで「スタッフ」ではなく「アルバイト」をしていたと明記したのは初めてなのでは。
さて、内容の本格的な紹介は次回以降にするとして、今回はパラパラ読んでいるうちに見つけた気になった点だけを指摘していく。俺も発売日からあんまりキツいことを言いたくないし。
P.12の「前口上」から。
チャーチルは、自分をネタにしたジョークを聞くのが大好きで、それで国民に人気があったというし、また事実、近代の国家主席中、ヒトラーを除けば断トツにジョークのネタにされた政治家だった。
「主席」じゃなくて「首脳」「指導者」が妥当かな。
P.13の「前口上」から。
それでも中国には漢から元の時代にかけて、皇帝に直言して諌める、諌議太夫という役職が置かれていたが、ジェスターのようなユーモアには欠ける。そして、それも次第に形骸化していき、皇帝は映画『ラスト・エンペラー』で描かれたような“絶対的支配者”になっていく。
同じく「前口上」から。P.15より。
日本ではつい最近、石原慎太郎前東京都知事の息子である伸晃氏が自民党総裁選に出馬、一時は本命視されていたが、官房長官として仕えていた谷垣禎一総裁を裏切る形での出馬に「平成の明智光秀」と揶揄され、あえなく敗退。石原王朝を作ることは出来なかった。
石原伸晃は自民党幹事長でありながら、谷垣禎一の総裁選出馬を阻み、そのうえ自らが出馬したために反感を買った、というのは記憶に新しいところ。
P.46より。
映画『ラスト・エンペラー』で描かれていたように、中国の王朝は代々、周囲の国々からの朝賀を受けて、その皇帝はふんぞりかえっていた。
「朝賀」という儀式もあるらしいが(ウィキペディア)、文脈を考えると「朝貢」なのでは。『ラストエンペラー』、好きだなあ。
P.79より。
父の朴正煕は日中国交回復にあたって、岸信介元首相と深い関係を保っていた。
日韓基本条約を締結するために朴正煕と岸信介が連絡を取り合っていたことはあったらしいが(nozawa22)、なぜ「日中国交回復」の話になるのか。岸は中華民国(台湾)寄りの人だったから、朴と一緒に日中国交正常化に反対した、とかそんな話でもあったのだろうか。
ざっと読んでひっかかったのはこれくらい。また気づいたら追加していく予定。
次回は『日中韓お笑い不一致』で最も気になった点を紹介して、次の次の回でその気になった点から派生したある問題について考えて、それで本書に関してはおしまいにしたい。検証も終了間近なのであまり長々とはやらない。
- 作者: 唐沢俊一,呉善花,石平
- 出版社/メーカー: 徳間書店
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