時間ですよ!と言葉ですよ!
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明日19時からTBS系で放映される『タカトシの時間ですよ!』に唐沢俊一が出演する。久々のゴールデンタイムでのTV出演なのでがんばってほしいものだが、その前に『時間ですよ!』9月19日放送分の「どんな質問にも100%答えるスーパーコンピューター」第3弾の感想をまだ書いてなかったので、慌てて書いておく。第3弾に登場したCPUは以下の通り。
・青山繁晴(国際情勢系)
・唐沢俊一(雑学系)
・北芝健(犯罪捜査)
・森田豊(医療系)
・山口敏太郎(オカルト系)
では、唐沢俊一がコメントした箇所を赤字で紹介していきつつ、気になった点を指摘していく。
(1)千秋の「頭の良さは遺伝する?」という質問に、「“プロレスラーの子供は自宅にある訓練用のリングで振り回されているから平衡感覚が鍛えられて技をかけられるのに強い”という研究結果がアメリカで出ている」とコメント。
また、黒澤明は脳の一部に異常があると自伝で書いているが、それを治療したいと医者に相談したところ、「あなたの映画作りの発想は脳の異常に関係しているから、治したら映画が撮れなくなります」と医者に言われて手術を諦めた、というエピソードを紹介していた。
「幼少時から知らず知らずのうちに足腰と平衡感覚が鍛えられていた」といえば、稲尾和久と双葉山を思い出す。2人とも子供の頃から実家の仕事の手伝いで船に乗っていて、それが後の活躍に繋がっているらしい。木村政彦が流れの激しい川で砂利すくいの仕事をしていたのも同じようなものだろう。まあ、アメリカならともかく日本で自宅にリングのあるプロレスラーがどれくらいいるのか、とも思うが。橋本大地もお父さんに振り回されていたのだろうか。
※追記 コメント欄にも書いたが、プロレスラーの子供は親から肉体的な要素を受け継ぐのではないかと。
あと、黒澤明は脳に異常があると自伝で確かに告白している。黒澤明『蝦蟇の油―自伝のようなもの』(岩波書店)P.254より。
(私の脳の大動脈は、脳血管のレントゲン写真を撮って解ったのだが、異常に屈折している。通常は真直ぐなのだそうで、この異常は先天的なもので、真性癲癇症と診断された。そういえば、子供の時は、よくひきつけを起した。また、山さん(引用者註 山本嘉次郎)に、君は虚脱症だね、と度々云われた。自分では、解らなかったが、仕事中に短い時間、なにか茫然自失しているような事があるらしい。脳は、最も酸素を要求するから、酸素が不足すると危険なのだそうだ。異常に屈折した脳の大動脈は、疲労し過ぎたり、昂奮し過ぎたりすると、血行がとぎれて小癲癇症状をおこすのだそうである)。
また、黒澤和子『回想 黒澤明』(中公新書)でも黒澤の言葉が紹介されている。P.32より。
「僕は子供の頃からよくぶっ倒れたんだ。大人になって調べたら、脳の血管がクエスチョンマークみたいに曲がっているって言われた。手術して治るかもしれないけど、才能は消えるかもしれないって言われたよ。いわゆる癲癇だと思うけど、癇癪の癇が入っているからピッタリかもしれないと思ったね。(以下略)」
P.171〜172にも次のようにある。
父はたまに、茫然自失の状態になる。過度の興奮や疲労で、先天的に屈折した脳の大動脈の血行不良を起こし、小癲癇症状になるのだ。「クエスチョンマークの血管なんだ。でも思考状態が変わると嫌だから、手術はしなかった」とカラッと言っていた。
というわけで、唐沢の話のネタ元は『回想 黒澤明』だと思われる。…しかし、これは考えてみれば奇妙な話で、ドストエフスキーやゴッホの創造性と癲癇を関連付ける見方はあるものの、「映画作りの発想が脳の異常に関連している」「治したら映画が撮れなくなります」などと直ちに言い切れるものだろうか。黒澤がいつ診断を受けたのかは定かではないが、自殺未遂にまで及んでいるのだから、治せるのなら治しておいた方がよかったのではないか。
(2)オードリー・若林正泰の「3億円事件の真犯人は?」という質問に、「奪われた3億円はボーナスで保険が掛けられていたので誰も損していない」として、3億円事件の犯人は義賊扱いされている、とコメント。なお、北芝健は3億円事件の犯人を「警察はわかっている」と言っていた。…本当に?
余談だが、過去に唐沢俊一は3億円事件に関して計算ミスをしている(2009年1月18日の記事を参照)。
(3)タカアンドトシ・タカの「女性が30歳を超えるとエロくなる?」という質問に、「女性も20代の間はエロさを発散しなくても男から寄ってくるが、30代になると男を惹きつけるためにエロさを強調するようになる」とコメント。あと、大岡越前のエピソードも紹介していた(9月6日の記事を参照)。
「女性は歳をとるとエロを強調するようになる」という考え方は一貫しているらしい。実際に何か体験したのだろうか。
(4)陣内智則の「オリンピックでマラソンは特別扱いされている?」という質問に、「ロンドン大会の時にマラソンファンだったアレクサンドラ王女のわがままのせいでマラソンの距離は42.195㎞になった」とコメント。また、マラトンの戦いで伝令が知らせてきた「我ら勝てり」というメッセージ、つまり「良い知らせ」のことをギリシャ語で「エヴァンゲリオン」という、とコメントしたところ、陣内から「カッコいいですねえ、唐沢さん」とホメられてニコニコとご満悦の様子だった。
※追記 ななみさんのご指摘に基づき訂正しました。
しかし、アレクサンドラはエドワード7世の妃なので「王妃」が正しい。あと、唐沢の話した2つのネタが「PJ NEWS」2007年9月28日の記事とカブっているのは偶然だろうか。
(5)オードリー若林の「なぜジャマイカの選手は足が速いのか?」という質問に、「ジャマイカは貧しい国なので道具を使わないスポーツが人気」と説明したほか、「ジャマイカは犯罪率が高いから走って逃げなくちゃいけない」とジャマイカ人がジョークで言っている、というジャマイカン・ジョークも披露していた。
(6)陣内の「幽霊は実在する?」という質問に、「僕は幽霊を信じていないが、幽霊やたたりを信じることでイジメや犯罪に躊躇が生まれるので、幽霊という存在は文化的に必要だと考えている」とコメント。
(7)優木まおみの「9・11はアメリカの自作自演?」という質問に、「あれだけの大事件を起こすためには数千人は必要なはずだが、それだけの人間が秘密を守るのは不可能」と陰謀説を否定。ところが、その後山口敏太郎が「テロの前日までにかなりの人数がクレジットカードを使い切ったり、ある企業が突然9・11に休業した」という陰謀説を語ったせいか、「人間には“我々が幸せになるのを邪魔している誰かがいる”と考える社会的本能があって、それが陰謀論を広める原因になっている」というコメントを補足していた。
(8)千秋の「マヤ文明の地球滅亡説は本当?」という質問に、「マヤの暦は循環するのだが、キリスト教徒が文献を破壊してしまい、暦を知るための手掛かりが失われてしまったために生じた誤解」と終末論を否定。
(9)タカの「万国共通のギャグは?」という質問に、「バーバル(言語的)ギャグでなくサイト(視覚的)ギャグは世界でも通用する」として、が〜まるちょばの名前を挙げ、「イギリスのエジンバラ」で開催されているエジンバラ・フリンジで評価されたとして、「今年は参加していないがプロデュースにまわった」などと発言。優木まおみに「エジンバラ・フリンジに参加資格はあるんですか?」と聞かれた時に口ごもってしまっていたけれど。
エジンバラはスコットランドの首都。「イギリスのエジンバラ」でも間違いではないのだろうけど、唐沢俊一のスコットランド関係の事例にもリンクを貼っておく(2008年10月4日、2008年10月27日の記事を参照)。ところで、が〜まるちょばのプロデューサーのtwitterでこの唐沢の発言が以下のように紹介されている。
夕べ、TBSのタカトシの時間ですよ〜という番組で、「世界に通用するギャグ」は誰だ?みたいな問いに、雑学王の唐沢俊一さんが「が〜まるちょばです!」と言っていたらしい。正直言って半分以上は間違った情報だったようだけど、基本的にはよい評価をしてくださっていたらしい。(以下略)
「半分以上は間違った情報」って。「つぶやき日記」8月7日分を読む限り、唐沢はが〜まるちょばのことをよく知らない様子。
以上。他に気になった点があったらみなさんも指摘してください。
個人的に興味深かったのは(6)の幽霊のくだりで、これは「雑学」を披露しているのではなくて唐沢俊一個人の物の見方を披露しているわけで、他の番組のように台本を読むわけでなく自分自身の考え方を開陳できるあたり、唐沢は『タカトシの時間ですよ!』を気に入っているのではないだろうか。また、「つぶやき日記」9月28日分によると、『タカトシの時間ですよ!』では事前に質問を聞いてから唐沢俊一自身が回答を考えているようで、そういった自由度の高さも唐沢にフィットしているものと思われる。唐沢さんは他人に仕切られるのが苦手だからなあ(だから、テレビに進出するとしたら大変かもしれない)。
とりあえず、明日19時、TBS系列で『タカトシの時間ですよ!』2時間スペシャルをみんなで観よう!
イエスもかなり好きなのに今までネタにしていなかった。
※ 黒澤明のエピソードに関して『回想 黒澤明』からの引用文を追加したうえで訂正しました(2013年2月3日)。
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