唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

地球はOIOI。

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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


12日23時50分からTBS系列で放映された『タカトシの時間ですよ!』の中で「どんな質問にも100%答える最強のスーパーコンピューター第3弾が来週の放送に先立って少しだけ紹介された。
 その中で「雑学系CPU」として登場した唐沢俊一は、陣内智則「一番評価された総理大臣は?」という質問に、「後で高く評価される総理大臣は在任中かなり批判されている」とコメントしていた。
 それはいいのだが、AKB48梅田彩佳「世界一の名言は?」という質問に唐沢は、プラトンの「地球は丸い」という名言を挙げ、プラトンの言葉をきっかけにアメリカ大陸が発見され、日本までも発見されたと語っていた。しかし、「地球は球体である」とする考え方はプラトン以前にも存在しているし、コロンブスに影響を与えた人物としてはトスカネリを挙げるのが妥当ではないだろうか。
 唐沢俊一「つぶやき日記」8月17日分でこの回の収録の模様を記していて、

(前略)テレビにおける雑学は正確さを3割から4割、犠牲にしないと視聴率に結びつかない。雑学はエンタテインメントのニーズによって存在意義のあるものである。

 と書いているので、視聴者に伝わりやすくするためにトスカネリではなくプラトンを選んだ、という可能性もある。とはいえ、プラトンでなくてもピタゴラスアリストテレスでも置き換え可能だし、高視聴率を記録した『トリビアの泉』のプロデューサーは「この番組は真実しかやらない」と発言している(1月16日の記事を参照)。「3割から4割、犠牲にしないと」というのも雑な話で、その「3割から4割」の中に肝心要の部分が含まれていたら結局はガセビアになってしまう。視聴者に伝わりやすくするために正確さを犠牲にする必要がある、と考えるのが唐沢俊一らしいと言えば言えるのかもしれない。「エンタテインメントのニーズ」というのも「ウケたもん勝ち」みたいで、これもガセビアを招くおそれのある発想だ。


唐沢俊一の単行本未収録の雑誌連載を紹介。学研から発行されていた『デジタル&家電購入ナビ』VOL.18(2007年10月発行)から連載されていた唐沢俊一のこんなソフトを誰が買う?』は、唐沢秘蔵のソフトを紹介するコラムなのだが、掲載誌がVOL.20以降発行されていないようなので、今のところ3回分しか確認できていない。3回の中で紹介されているのは、『未知との遭遇』LD版、『マグマ大使』、フライシャー版『スーパーマン』とそれほどマニアックでないが、P&Gらしきものはなさそうなのでとりあえず一安心(気になるところはあるがここでは突っ込まない)。
 ただ、ページの隅に書かれたプロフィールがちょっと興味深かったので紹介しておく。

唐沢俊一(からさわ・しゅんいち)


と学会運営委員。作家、評論家。
戦後高度経済成長期を中心に、日本の文化シーンが見落としてきたスミッコの事象・物件を収集、評論する。テレビ等の出演も多数。
主著『泣ける猟奇』『三丁目の猟奇』(ミリオン出版)、『新・UFO入門(改訂版)』(幻冬舎)他。


 やはり『新・UFO入門(改訂版)』が気になる。『新・UFO入門』の第2刷が発行されたのは『デジタル&家電購入ナビ』での連載がスタートしたのと同じ2007年10月(「漫棚通信」を参照)。主著に入れるあたり、あの本は唐沢俊一にとって自信作だったのかなあ、と思わないでもない。
 ちなみに、この件を調べているうちに唐沢が学研新書で執筆する予定があったことを発見してしまった(「裏モノ日記」2007年8月21日2008年8月12日)。…出るはずだったのに出ていない本はこれで何冊になったのか。



●札幌に「じゃんくまうす」という古本屋があって、そこで唐沢俊一の同人誌も販売されていることは以前から知っていた。で、親切な方からメールでご教示いただいたのだが、この「じゃんくまうす」がYahoo!オークションにソルボンヌK子の生原稿を大量に出品しているのだという(オークション内を「ソルボンヌK子」「鹿野景子」で検索すること)。おそらく、奥さんが「じゃんくまうす」に渡したのだろう、とは思うが。
 興味深いのは、唐沢俊一原作・鹿野景子作画で『ガロ』に掲載された西蔵探訪記』(1992年10月号)と『妖婆』(1993年1月号)である。両作品はともに唐沢検証のために『ガロ』のバックナンバーを調べた際にチェックしてあるのだが、『西蔵探訪記』はチベット旅行記のはずが途中から大陸書房の倒産をグチる内容となる怪作で、『妖婆』は年老いた母親と暮らしている2人の兄弟には秘密があって…、という話で、唐沢なをきが作画していたらいつもの唐沢商会のマンガだったろうな、という感想を持った。
 …さて、ここで問題なのは、『西蔵探訪記』と『妖婆』の作者が唐沢商会PART2」名義になっていることである。『西蔵探訪記』『妖婆』の原稿からそれぞれ唐沢商会PART2 唐沢俊一+鹿野景子という表記が確認できる。
 この何が問題なのか?というと、実はこの「唐沢商会PART2」が唐沢なをき『まんが極道』第52話「いばりんぼ」(5巻に収録)の内容とカブっているのである。「いばりんぼ」については2010年7月18日の記事伊藤剛さんのコメントを読んでほしいが、あらためて内容を説明すると、仲間二人と漫画ユニット「INU-YOUKAN」を結成した苔星ケンは全くマンガを描かないのに「リーダー」として威張り散らし、ついには自らの彼女と「新ユニット」を組むことにして…、という展開になる。『まんが極道』5巻P.81より(彼女のセリフは省略)。

考えたんだけどさ 俺の才能 おまえらとのユニットだけじゃおさまりきらないんだよな!
彼女とも新ユニットINU-YOUKAN PART2」組んで仕事することにしたから
もちろんギャラは彼女含めて等分な


でさ 彼女まだ漫画描いたことないからさ おまえら それっぽい作品1本でっちあげといてくれない?
できるよな おめーらそれしか能がねーんだから

 …うわー。
 いや、唐沢俊一夫人はちゃんとした漫画家だったので、『まんが極道』とは違うんだけどね。


犬紳士氏のツイートより。

どっかで言ったと思うけど、インターネットによって一番割の食った文筆家は唐沢俊一。一部のマニアにしか知られていない知識が、ネットの存在によって、たやすく拡散・共有されたことで彼の存在価値は急激に落ち込んだ。一方タレント本マニアという、超マイナー趣味を突き詰めた吉田豪は隆盛を極めた。


 その考えで行くなら、唐沢俊一も「脳天気本」の紹介だけをやっていたらよかったのかもしれない。本の内容をそのまま紹介している文章はまだマトモなものも多いわけで。蔵書が2万冊あるのなら、1冊ずつ紹介していけば相当保ちそうな気もするが、それはあまりに単純すぎるか。唐沢が子供の頃からノートに書き留めていたという雑学が早々とネタ切れしてしまってネットからのコピペに走ったことを考えても、知識や情報は常に仕入れる必要があるのだろう。
 唐沢俊一がこのような状況になったのはインターネットのせい、という話を始めると長くなるので、それは総括の段階で細かくやることにするが、最近の唐沢俊一「ネットで拡散される情報というのはかくもいいかげんなもの」などと書いているのには笑ってしまう(「つぶやき日記」9月9日分を参照)。ネットの情報を信じ込んでいなければあそこまで頻繁にコピペなんてできないよ。なお、次回の記事は久々にネットからのコピペについて紹介する予定。まだあったんですよ、ええ。


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プラトン全集〈12〉ティマイオス・クリティアス

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